続いて2018年3月20日木曜日は、江古田『兎亭』地下2階スペースに、舞台芸術創造機関SAIの演劇公演『箱男からの思想』を見に行った。
あまりにも面白いので、翌日の金曜日も見に行った。
大丈夫か俺。
いや、これはぜったい見に行ったほうがいいよ。
26日月曜日までやっている。
ネタバレありの感想は、公演が終わってからこの下に書きます。
ちなみに安部公房『箱男』にインスパイアーされたオリジナル脚本で、そのままの上演ではない。
原作を知らなくても楽しめる。


(2018-04-16追記)

と、宿題付きにしたあとで、間が空いてしまったけど、改めて書く。
本当に面白かった。

会場は、江古田のパフォーマンスができるカフェ兎亭の、さらに地下の空間。
ふだんはSAIのアトリエだそうだ。
一足会場に足を踏み入れると、劇場全体がダンボールでびっしり覆われているのに驚く。

つまり、「箱男」……ダンボール箱をカブって、モバイルの引きこもり状態になってしまった、社会の落伍者を興味津々で外から眺めてやろうと思って劇場に足を踏み入れた、自分、観客が箱の中に押し込まれて、箱男(箱女)の集団になってしまうのだ。

今回はテトラさんこと麻宮チヒロさんの作・演出で、映像も音楽も超ナウいと言うか超カッコイイ感じで、超良かった。
なかなかこちらのボキャブラリーの関係でカッコイイ褒め言葉が出てこなくてスミマセン。

内容は超正統派の前衛劇という感じで、甘みがない硬質な感じで良かった。
言葉が詰め込まれていて、正直ぼくなんかには内容が追いきれない部分もあったが、分からないなりに、激しい言葉や表現の応酬で、脳が直接いじられているような感じを味わった。

それでも、理解したいので、こんなことあまり普通の人は書かないと思うけど、ぼくはバカだから書いてしまうが、どうしても気になって、深夜に人が書いたこの演劇を評したブログを読み漁った。
それで、舞台が「箱男の脳の中(心の中)」を描いている、という解釈があって、ああーそういうことか! と腑に落ちた。
なるほどねー。
そう思うといろいろ納得が行く。

箱にも、心にも、内と外がある。
ふだんは、面倒になった、すぐ使わない本や、服や、わけのわからない書類を入れたりして、部屋の隅に積み上げたり、街の隅に打ち捨ててあるダンボール。
その中に、急に詰め込まれて、ダンボールの中に入った気持ちが経験できるなんて、思わなかった。

初日があまりにも面白かったので二日目も行った。
本当に行って良かった。