このたび、電子書籍で「小説」を執筆して出版する運びとなった。
以下の4ストアで発売中である。
ぜひお読みください。

★Amazon Kindle(Windows PC、Mac、iPhone、iPad、Android上の各アプリおよびKindle専用端末で読めます)


イッシュ ―図書館の女―

★楽天Kobo(Windows PC、Mac、iPhone、iPad、Android、Kobo上の各アプリおよび専用端末で読めます)
イッシュ ー図書館の女ー【電子書籍】[ 深沢 千尋 ]

★角川BOOK☆WALKER(Windows PC、Mac、iPhone、iPad、Android上の各アプリで読めます)
イッシュ ―図書館の女― - 深沢千尋(アマカ社):電子書籍ストア - BOOK☆WALKER -

★Apple iBooks(Mac、iPhone、iPad上の各アプリで読めます)
深沢千尋のイッシュ ―図書館の女―を iBooks で

よく「Kindleで本を出したよ」と言うと「俺Kindle持ってないんだよなー」と言われる。
実際には、どのストアの本も、PCでも、iPhoneでも読めるのである。
お値段はなんと99円である。
これは自分でも適正価格だとは思ってなくて、ほんらい990円ぐらい取ってもいい内容だと自負しているが、最初ということで、お試し価格、出血価格である。
数カ月後にはしれっと値上げするかもしれないから、今のうちにお買い求めください。
安いよやすいよ!

どこのストアで買えばいいか。
同じものが、同じ価格で売っているので、好きにしていいけど、そう言われるとかえって迷うよね。
前から電子書籍を読んでいて、使い慣れたストアがこの中にある方は、それを選んでください。

はじめて電子書籍を読む! という場合。

ふだん楽天市場で買い物をしていて、ポイントが溜まっている人は、楽天Kobo版を買えばいいと思う。
iPhone、iPad、Android、Windows PC、Mac用に、無料アプリがあるので、それをダウンロードすれば読める。
99円なので、溜まってるポイントだけで買えちゃう人も多かろう。

iPhone、iPad、Macを使っていて、有料アプリやPodCastなどのコンテンツを買う人は、Apple iBooks版を買えばいいかもしれない。
決済がApple IDで行われるのでラクチンだ。

同様に、Amazonのアカウントを持っている人は、Kindle版を買うのがラクだろうか。

こうやって書いていると、角川BOOK☆WALKERで買うメリットはないかもしれない。
ところがぼくはこのストアが大好きだ。
品揃えが他のストアと、だいぶ違っているのである。
以前ブログにも書いたが、ぼくは絶版になっていた小林信彦の『監禁』があってびっくりした。
なにしろ角川書店がバックボーンなので、そういうこともあると思われる。

まあ、好きなところで買ってください。

●内容

だいたい文庫換算で350ページぐらい。
夏目漱石「坊っちゃん」の1.5倍ぐらいだから、中編である。
すらすら読めると思う。

内容は、あまりネタバレしたくないところだが、中学生の男の子を主人公にした一種の青春小説である。
題名のイッシュというのは、主人公の男の子と友だちになる女性が名乗っている名前である。
ファンタジーとまではいかないが、往年のNHK少年ドラマシリーズのような、すこし・ふしぎ(SF)感のある小説を目指している。

●執筆の経緯

前から小説を書きたかった。
それはもう、子供の頃から書きたかったのである。
中学、高校の頃は、完全に自分は小説家になると思っていた。
漢字を練習するための、原稿用紙をノート状に閉じた「二百字帳」というのが売っていて、これに内田百閒の小説を写したりしていた。
むろん、自作の小説も書いた。
書こうとはしたが、完成には至らなかった。
出だしだけはなんとか書くけど、意余って力足りずで、結末に至らないのである。
俺はダメな男だなー。
書きかけの小説を前に、つくづくそう思っていた。

大人になって、パソコンの時代になって、ちょっと時間が空いたらすぐに、小説の書き出しを何個もキーボードで打っていた。
しかし、最初で詰まってしまって、そこから書けない。
なぜ書けなかったか。
この辺の事情は、込み入っていて、それなりに面白いので、明日以降このブログに書きます。

それでもコンピューターの専門書を数冊、出版する幸運を得た。
こっちは書けたのだ。
また、電子書籍の時代になって、自分でも数タイトル作ることができた。
そろそろ小説の本を……と思っていたが、なかなか思うに任せなかった。
それが、あるきっかけがあって、急にある日、一冊の小説を一気に書けたのである。

●表紙について

上の表紙画像を見て、どうしようもなく美女の写真が印象に残ると思う。
この方は紅日毬子さんと言って、東京のアングラ女優の中では最もメジャーなうちの一人である。
ぼくは彼女が所属されている劇団、虚飾集団廻天百眼を介して正式に発注し、プロの仕事として写真を使わせていただけることになった。
表紙のデザインも、百眼のポスターやチラシをデザインされているワタナベユウキ氏に仕事していただいた。
おかげでグッとリッチな表紙になって、イメージ通りで、大満足である。
お世話になりました。

なぜ紅日さんにいきなり表紙のモデルをお願いしたかというと、上に書きかけた執筆の経緯と関係がある。

ぼくはいつかは小説を書きたい、でもなかなか書けないという、悶々とした思いを何十年も抱いていた。
そのうち、心の中に、いずれ書くべき小説のセリフとか、場面とか、キャラクターの一部、そして、ぼくの小説が取り組むべきテーマの一部などが、パズルのピースのように溜まっていたと思われる。
それが、ある日、紅日さんが店主をされているバー、『月光密造舎』に行って、脳内でパタパタパタ……とパズルのピースが組み合わさって、小説が一遍完成したのである。

別に登場人物のモデルが紅日さんというわけではない。
あくまでビジュアルのモデルである。
しかし、どういうわけか、彼女の姿を見ていたら、急に小説のイメージが具体化したのである。
一種の触媒、という感じだと思う。
だから、ここは紅日さんに最初にお願いするべきだと思って、ダメモトでお願いして、快諾いただいた。
感謝感謝である。

いったん構想がまとまってからは速かった。
寝食を忘れて執筆し、一気に完成してしまった。
書き上げたときに「ああ、出来たな」と思ったときの感慨は、今も忘れがたい。
執筆の最中にもいろいろ面白いことが脳内で起こったが、これもいずれ書く。

●特徴

せっかく本を出すんだから、他の本にない特徴を出さないと意味がないと思った。
ぼくが目指したのは、自分で言うのも口はばったいが、「並外れたわかりやすさ」である。

ぼくは長い間、技術書を書いてきて、プロの編集者の方に鍛えられて、わかりやすい表現についてはあるていど自信を持っている。
わかりやすい表現とは、高度な内容をなるべくやさしい言葉で解説すること、複数の意味に取れるあいまいな言葉を書かないこと、複雑な事項をきちんと構造化し、順序だてて理解すること、などだ。

既存の大作家の小説は、カッコイイ、個性的な表現を追い求めて、難しい言葉や凝った構成が多い。
ぼくは今回、試みとして、これらをあえてすべて廃した。

最初はぼくも、ある程度カッコイイ小説を書きたい、難しい言葉を使って頭がいいと思われたいと思っていたが、何回も読み直して、登場人物に感情移入しているうちに、ちょっとでも引っ掛かりのある言葉が邪魔に思えてきて、どんどん削っていったのだ。
ハウツー本のようなわかりやすい言葉で、登場人物の心理や、場面ごとの雰囲気を、どこまで表現できるかの挑戦と取ってもらってもいい。

これは自分でも面白い試みだと思う。
が、自分でそう思っているだけなので、人が読んでどう思うかは分からない。
このへんはあなたの目で確かめて欲しい。

そして、お読みになったあなたが、どのような感想を持つか。
小説のテーマや、登場人物に、共感するかどうか。
これも、ちょっと想像がつかない。
お読みになったら、各ストアのレビューや、ツイッターやフェイスブックなどで、感想をお寄せいただいたら大変ありがたい。
自分で言うのもなんだけど、ちょっと変わった小説で、今なら99円だから、騙されたと思って読んで下さい。
どうぞよろしくお願いします。