昨日は高円寺「座・高円寺」で万有引力『犬神』の2回目を観た。
 2回目なので劇場まで道に迷うこともなく(座・高円寺に行く道で迷うのはおかしいのだが)無事に公演を最初から楽しめた。
 開演前から舞台装置の真上で舞を踊っている人がいて、リラックスして見ていると、シーザーさんの怒涛の和太鼓から引きずり込まれる。

Suushi Inugami

 2回目なので、見るポイントが分かっていたので、すみずみまで理解できる。
 難解な芝居でも1回見るのと2回見るのは大違いだ。
 自分でも驚いたのは、最初の「ムニャムニャ・・・」という祝詞のようなセリフもある程度聞き取れたことだ。
 ふだん「字幕付きのバラエティ番組」なんかで、いかに自分の感性が甘やかされているか分かる。

 この演目、万有引力の『犬神』は本当に素晴らしかった。
 1時間半の凝縮した舞台で、緊張感がいっさい途切れることなく駆け抜ける舞台。
 そのぶん猥雑さ、遊び、くすぐりがほとんどないので、そういう楽しみは他の劇団に譲るけれども、全体に1曲の音楽を聞くような、舞踏を見るような、一幅の絵巻物を見るような疾走感があって、無我夢中で見た。