先日、ディズニーランド(およびシー、合わせてディズニーリゾート)の値上げが発生した。結構好きな人が多いと見えて、SNS上には悲鳴と批判が渦巻いていた。

DisneylogoforPortal
 ぼくはディズニーリゾートは人に連れられて1回しか行ったことがない。いまいち食指が伸びない。ぼくはスヌーピー好きではかなり相当人後に落ちない、病膏肓に入っていると思うのだが、スヌーピーランドとかあっても別に行きたいと思わない。そういえばぼくはサンリオキャラが大好きだがピューロランドにも行ったことがない。人混みが苦手なのである。

 そんなぼくが言うのもなんなんだが、ディズニー別に値上げしてもいいんじゃん、と思う。というのは、いまだにディズニーランドは混雑し、どのアトラクションも大行列する、人気施設だからだ。人気があれば値段設定が強気になるのも仕方がない。リーズナブルで満足度の高い施設が他にあればそっちに行くだろうが、コンテンツ、キャラクターも含めて、ディズニーや日本の経営企業は求められるいいものを提供していて、人気があってしょうがないんだから、それに見合った報酬を得る権利がある。
 「しょせん金儲けか」、「夢がない」と言うけど、お金を儲けるのも夢がある話じゃないだろうか。ディズニーはアイルランドの移民の子であるウォルト・ディズニーが、一介の漫画家から身を起こした企業であって、それが世界中に巨大なテーマパーク群を展開し、高い入場料にもかかわらず、まいにち巨大な行列が出来るという。たいへん夢がある。逆に手塚治虫がまったくの赤字覚悟で、マンガで稼いだ私財を投入して薄利多売のアニメを始めたから日本のアニメ業界にはブラック企業が蔓延しているとか、晩年のやなせたかしはほとんど無報酬で自治体のキャラクターを作りまくっていたとか、そっちの話の方が夢がない。アニメで食っていける、当てれば大儲けできるという若いアニメーターの夢を奪っていると思うがどうか。

 ていうか、ディズニーランドの入場料が高いことを嘆くよりも、自分の給料が安いこと、そして税金が高いことを嘆くべきだ。自分の会社の社長や政治家に文句を言えばいいのである。そっちは当事者だから、文句を言う権利がある。それで使えるお金が増えたら、どんどんディズニーにお金を落とせばいいと思う。

 最近、政府が携帯電話会社に料金を下げろと圧力を掛けるという事象があった。これもおかしい。なぜ自由主義の国で、民営企業が適正価格を付けるのに横槍を入れないといけないのか。独占企業、国営企業ならいざしらず、携帯は3大キャリアーを始め数々の企業が群雄割拠してしのぎを削っている。
 国民が携帯電話を安く使えなくてかわいそうだと思うんだったら、税金を下げるか、給料が上がるような施策をバンバン成功させればいいのである。使えるお金が増えて、国民は喜ぶ。携帯料金が沢山稼げて、携帯会社も喜ぶ。別に携帯会社という巨大な、怪獣みたいなワルモノがいるわけではなく、携帯会社の社員も一人ひとりの市民であり、庶民である。彼らも儲かればお金を使うから、他の産業も儲かるし、値段を上げることができるようになる。だいたいアベさんもクロダさんもアベノミクスで物価を上げるとしょっちゅう言ってるではないか。携帯代が上がれば、他の値段も上がるのである。

 前にも書いたが、社長に「なんでXさんの給料は俺のより高いんですか。あいつの給料を下げてください」と頼むのは間違っている。これは社長の思う壺である。「ぼくのも上げてください」と頼むべきだ。なぜ人の不幸を望まないといけないのか。たとえ社長がぼくの給料を上げてくれなくても、Xさんの給料は高いほうがいい。社員が経営者に対して強い力を持つ、がんばれば給料が上がる会社であることはいいことだからだ。Xさんの給料が高くてうらやましいなあと思うなら、たかって、おごってもらえばいいのである。
 なのに新聞には「公務員の給料が高い」と書いている。公務員の給料が高ければ、飲み食いに使うだろうから、みんなが潤うのである。どうようにディズニーの入場料が上がれば、従業員も潤うから、お金を使って、社会が活性化する。結果的に自分の給料も上がるから、入場料が高くてもそんなに腹が立たないのではないだろうか。