また体が調子悪い話。体が調子悪いので、あまり内容のあることは書けないのだが、調子が悪いのだから、その調子が悪い体についてブログを書くのは効率がいい気もする。

Lilasecthet
 さいきん、極度に目が疲れるようになった。すぐ目の表面が痛くなってくる。目の表面が痛いことぐらい、生きていれば、あるから、我慢して液晶を見ているのだが、そのうち眉間から頭痛がしてくる。そのうち肩が痛くなって、全身が痛くなる。眠気のような、頭痛のような感覚で何もできなくなる。
 そうなってから横になって休むと、全身が疲れていて、痛い。長時間がまんするほど、疲れがひどくなる。
 ぼくは「気にしい」であって、それが分かってからは、ちょっとでも目が痛くなると休むようにしてみた。でもそうすると10分おきに休まないといけないのである。これはこれで社会的に苦しい。
 何より、以前なかった痛みがするからには、原因があるはずだ。重篤な病気の前駆的現象であったらイヤだから、眼科に行った。我ながら病院好きだなと思う。

 最初に、ぼくの目の状態についてナースからインタビューされた。ぼくは外斜視である。ジャン・ポール・サルトルとか、テリー伊藤並みにひどい。均等な両眼視というものができない。右目中心で見る時は左目は思いっきり左の方に行っている。左目中心で見る時は右目は右の方に逸れている。なに言ってるか分かりますか。
 たいてい右中心で見ている。左目は添える感じである。どんどん左右の視力が離れてきた。面白いことに、酷使している右目の方が視力がいいのである。左目の視力がどんどん下がってきている。でも右目もちょっと下がってきている。
 とりあえず両眼視が出来ないので、球技も出来ないし、3D映画も飛び出してこない。幼児の頃に4回も手術をして、大変苦しかったのだが(病院でぼくはものすごくナースに人気があったのを覚えている)、こんかい見てもらった眼科の先生に言わせると「いつの間にか戻ってしまったんだね」ということらしい。

 テリー伊藤はぼくより年上だが、割りとさいきん美容的な斜視矯正手術をして話題になった。「でもあの人も戻っちゃったね」と医者は言う。たしかに、テリー伊藤をテレビで真剣に見ることはないが、戻っちゃったかもしれない。「斜視の手術は子供の頃に済ませるもので、大人になってからやるもんじゃないです」と言われる。ああそうですかー。斜視のお子さんをお持ちの方は参考にしてください。

 他にもいろいろ検査をした。
 まずいわゆる視力検査だ。片目ずつ隠して、ランドルト環を見て視力を出す。左も頑張れば「意外に視力が出る」と言う。でもぼくの場合両眼視ができないから、片目ずつ見て「視力が出」てもあまり関係ない。むりやり両目で見ようとするとかえって疲れてしまうのである。
 目に何らかの衝撃を与える眼圧検査もした。正常だそうだ。
 両目に一本ずつ細く切ったリトマス試験紙みたいなのを挿して(リトマス液は染みこんでません)、涙の量を計る検査というのをした。この検査の結果、ぼくは立派なドライアイということが分かった。液晶を見る仕事の人はそうなりがちだそうである。そんなこと言われてもねえ。ぼくはIT依存症であって、仕事はもとより、生活の管理も、お小遣いの管理も、趣味も、連絡も、そう言われれば全部液晶を見ている。そんなことを書いている今この瞬間も見ているのである。今後もこれを改める予定はない。困ったもんですよ。

 最後に、瞳孔が開く目薬を差して、強いフラッシュで目の表面を撮影する検査もした。ぼくの場合糖尿病であって、眼科医はそっちの方が心配ということだった。糖尿病は巨大な糖の分子が毛細血管の中を通っている状態であって、足の指、目、あと男性の下半身などの毛細血管が集中しているところに合併症が出るという。「普通それだけ長いあいだ糖尿の治療をしているなら、内科医が眼科の検査を勧めますよ」とのことだ。へぇー。でもぼくもあまりにもいろいろ言われてるから聞き流してるのかもしれない。

 写真と、直接の観察によって目の血管を調べたが、詰まっているところも、裂けているところもなく、キレイだと言う。
 白内障の症状もないそうだ。白内障は水晶体が濁る病気で、加齢または糖尿病によって起こる。早い人は40ぐらいでなり始めるが、白髪と一緒で、80にもなると大体の人が白内障状態だという。へぇー。でもぼくはひとまず大丈夫だそうだ。

 と、いうことで、いろいろ検査で狭い病院のあちこちを引っ張りまわされたが、結果的にぼくの目は基本的に健康で、ドライアイが原因の疲れ目で、ドライアイの原因ははっきりしないそうだ。液晶が悪いんじゃないですかと言われる。まあそうかもしれないけど、コンピューター関係の仕事をしていると医者にいうと、なんでもかんでもそこに引き寄せて結論付けられることが多いのは困ったものだ。もっとも、90年代ぐらいはもっとこの傾向が顕著であったが、最近はそれほど言われなくなった。最近じゃ医者も毎日パソコンとにらめっこしているからだと思う。

 ヒアルロン酸の目薬と、ビタミンBの目薬(色が赤い)を処方される。調剤薬局で、1本差したら最低5分おいてもう1本差してください、と言われる。エエー大変だな。
 結局、1時間おきぐらいに、まず1本の方を差して、5分ぐらい目をつぶって休んで、もう1本の方を差すようにしてみた。これが異常に休まる。目薬が効いているのか、水分を入れるだけでも違うのか、目をつぶって5分休んでいるのがいいのか知らないが、結果的に症状は軽減してきた。単に休み休み仕事をするだけでもいいのかもしれない。

 目は、ものすごく微妙で繊細な器官なのだが、ちょっとでも障害があるとものすごくQOLが下がる。ぼくのような情報中心の人間は、死命を制されていると言っても過言ではない。加齢とともに性能が落ちたり、痛みを感じたりすることがあるが、年々依存度が増しているのである。これはちょっと問題だ。