先週の13日金曜日、パリで同時多発テロが起こった。
被害地域は6箇所に登った。
被害地域は6箇所に登った。
ロックのコンサートをやっていたホールで100人以上が銃の乱射によって死んだ。
その他、レストランでも乱射が起こった。
サッカー場でも自爆テロが起こった。
文化の場で起こったテロは許しがたい。
単純に反西欧、反キリスト教というのではなく、人間なるものの価値を台無しにする行為である。
誰からも嫌われる行為を、イスラム原理主義を自称するテログループ、ダーイシュ(IS)は行った。
しかし―月並みな意見だが、単純にフランスの犠牲者をいたみ、ダーイシュを非難していれば済む問題か、とも思う。
アメリカが主導している有志連合によって、シリアへの空爆が1年以上続いている。
イギリスも、フランスも、有志連合に参加している。
日本も参加している。
フランス空軍は、テロ事件のあと、シリア北部のラッカを空爆した。
これは今年9月から行っているフランスによる空爆の中で、最も大規模なものだと言う。
空爆はテロとは違う。
少なくとも違う名前がついている。
でもぼくには似たように見える。
どちらも反対する勢力を殺すために、また、生き残った反対する勢力を恐怖で沈黙させるために、爆弾を使っている。
空爆は無人のミサイルで行われ、誤爆も多い。
9月にイエメンで結婚式が誤爆され、131人が死亡した。
10月にもまた別の結婚式が誤爆され、新郎の3兄弟を含む25人が死亡した。
結婚式の誤爆はこの2件が初めてではない。
なぜ結婚式が誤爆されるのか。
例のスノーデン氏によると、ミサイルは携帯電話を追尾する仕組みになっており、大勢の人が集まる結婚式は標的になりやすいそうだ。
本当かね。
イエメンでは今年3月からすでに、2355人の民間人が空爆の犠牲になっているそうだ。
アフガニスタンでは国際医療団体「国境なき医師団」が運営する病院が空爆された。
同団体のスタッフ3人が死亡、30人以上が不明になったという。
この件はアメリカが「ミス」を認めたという。
空爆で何が起こるか。
第一に、無辜の人々が死ぬ。
パリのテロ事件は、政治家や、金持ちや、本気でダーイッシュや過激なイスラム教徒を殲滅しようと企んでいる人々ではない人々、普通にのんびり生活を楽しんでいた人々を多く殺した点で愚かである。
しかし、連合国による空爆も、テロリストではない、結婚式という人生の門出を祝っている人や、病院で苦しんでいる人、それを助けている世界中から集った善意の医師やスタッフたちも殺している点で愚かであると言えるだろう。
第二に、テロリストに言い訳を与えてしまう。
連合国が空爆を行っている。
これは反イスラム対イスラムの戦いである。
我々は聖戦士であるから、神の名のもとに連合国の大都市で自爆攻撃を行う。
そういう言い訳をさせてしまうのだ。
無論、言い訳にはならない。
へりくつだ。
しかし、へりくつなりに、世界のイスラム教徒の心に響いてしまう。
第三に、生き残った人々をテロリストにしてしまう。
空爆されている国の貧しい人々にも「テロは何も生まない、我々は先進国のように言論で戦うべきだ」と思っている人は一定数いるだろう。
爆弾ではなくて目覚まし時計を作るために電子工作をしたいと思っている、頭のいい少年もいると思う。
しかしそういう人が、親兄弟を「誤爆」されて、平静でいられるだろうか。
仲間たちが次々に「もう堪忍袋の緒が切れた、俺は銃を持って聖戦に加わる」と言っている中で、テロリストにならずに済むだろうか。
空爆は、敵ではない人を殺し、殺されなかったテロリストの論理武装を手伝い、生き残った無辜の人々をテロリスト化している。
まさか、口では平和を願いながら、「どんどんテロリストが増えればよい、それを殺していれば永久に軍需産業が潤う」と思っているわけではあるまい。
平和を真剣に願うなら、空爆はあまり得にならない、と思い直してもいいのではないだろうか。
アメリカの同時多発テロの時も「テロを戦争で解決するのは、たんぽぽの綿毛をゴルフクラブで飛ばそうとするようなもの」と批判されていた。
アメリカ同時多発テロの犠牲者の数は全部で3,025人だそうだ。
これを受けてブッシュ大統領(二代目)はイラクを「大量破壊兵器を保有するテロ保有国家」と位置づけ、イラク戦争を起こした。
イラク戦争によるアメリカ兵の死者は4千人以上。
これに対する、イラク人の犠牲者の数がよく分からない。
さっきからWikipediaを調べているのだが、アメリカ人の誤認、誤爆、誤射による死亡者数は、アメリカ軍の上層部によると「数えていない」と言っているそうだ。
直接の殺害者は8万人から8万7千人と言われている。
兵士・民間人合わせた数は、9万8千人とも、65万5千人とも、120万人とも、15万1千人だとも、50万人ともされている。
どれも専門家による権威のある数字だが、ばらつきが多すぎる。
この「死者の数は数えていない」、「もう分からない」というのが悲しくないか。
控えめに見て8万人と考えても、アメリカ同時多発テロとイラク戦争の米兵の死者を合わせた7千人の10倍以上の数だ。
で、イラク戦争で大量破壊兵器は見つからなかった。
サダム・フセインとアルカイダの関係も証明できなかった。
フセインがカウボーイが天罰を受けた云々と言ったのは、テロ事件にことよせて、ブッシュ様の神経を逆なでするような暴言を吐いてみただけなのだろう。
この暴言の代償は本当に高く付いた。
日本の政治家も発言には気をつけた方がいいよ。
イラク戦争はアメリカによる完全な誤り、大きなミスであったが、日本政府はこの誤りを総括していない。
積極的平和主義による軍事行動を起こせる国として、「イラク戦争は完全な誤りであったが、こういう間違った作戦には参加しない」とは言っていないのだ。
これは問題だ。
百歩譲って積極的平和主義への参加を認めたとしても、正しい友達を選ぶ能力ぐらい持っておいたほうがいいだろう。
ところで、テロリスト集団ダーイシュの呼び名だが、日本のマスコミは「イスラム国」という呼び名を堂々と復活させている。
これはどういうことだろうか。
穏健派のイスラム教徒から「彼らは正しいイスラムではなく、彼らは国でもない。イスラム国という呼び名をしないで欲しい」と言って、ISISとかそういう名前にすることになったんじゃないだろうか。
その他、レストランでも乱射が起こった。
サッカー場でも自爆テロが起こった。
文化の場で起こったテロは許しがたい。
単純に反西欧、反キリスト教というのではなく、人間なるものの価値を台無しにする行為である。
誰からも嫌われる行為を、イスラム原理主義を自称するテログループ、ダーイシュ(IS)は行った。
しかし―月並みな意見だが、単純にフランスの犠牲者をいたみ、ダーイシュを非難していれば済む問題か、とも思う。
アメリカが主導している有志連合によって、シリアへの空爆が1年以上続いている。
イギリスも、フランスも、有志連合に参加している。
日本も参加している。
フランス空軍は、テロ事件のあと、シリア北部のラッカを空爆した。
これは今年9月から行っているフランスによる空爆の中で、最も大規模なものだと言う。
空爆はテロとは違う。
少なくとも違う名前がついている。
でもぼくには似たように見える。
どちらも反対する勢力を殺すために、また、生き残った反対する勢力を恐怖で沈黙させるために、爆弾を使っている。
空爆は無人のミサイルで行われ、誤爆も多い。
9月にイエメンで結婚式が誤爆され、131人が死亡した。
10月にもまた別の結婚式が誤爆され、新郎の3兄弟を含む25人が死亡した。
結婚式の誤爆はこの2件が初めてではない。
なぜ結婚式が誤爆されるのか。
例のスノーデン氏によると、ミサイルは携帯電話を追尾する仕組みになっており、大勢の人が集まる結婚式は標的になりやすいそうだ。
本当かね。
イエメンでは今年3月からすでに、2355人の民間人が空爆の犠牲になっているそうだ。
アフガニスタンでは国際医療団体「国境なき医師団」が運営する病院が空爆された。
同団体のスタッフ3人が死亡、30人以上が不明になったという。
この件はアメリカが「ミス」を認めたという。
空爆で何が起こるか。
第一に、無辜の人々が死ぬ。
パリのテロ事件は、政治家や、金持ちや、本気でダーイッシュや過激なイスラム教徒を殲滅しようと企んでいる人々ではない人々、普通にのんびり生活を楽しんでいた人々を多く殺した点で愚かである。
しかし、連合国による空爆も、テロリストではない、結婚式という人生の門出を祝っている人や、病院で苦しんでいる人、それを助けている世界中から集った善意の医師やスタッフたちも殺している点で愚かであると言えるだろう。
第二に、テロリストに言い訳を与えてしまう。
連合国が空爆を行っている。
これは反イスラム対イスラムの戦いである。
我々は聖戦士であるから、神の名のもとに連合国の大都市で自爆攻撃を行う。
そういう言い訳をさせてしまうのだ。
無論、言い訳にはならない。
へりくつだ。
しかし、へりくつなりに、世界のイスラム教徒の心に響いてしまう。
第三に、生き残った人々をテロリストにしてしまう。
空爆されている国の貧しい人々にも「テロは何も生まない、我々は先進国のように言論で戦うべきだ」と思っている人は一定数いるだろう。
爆弾ではなくて目覚まし時計を作るために電子工作をしたいと思っている、頭のいい少年もいると思う。
しかしそういう人が、親兄弟を「誤爆」されて、平静でいられるだろうか。
仲間たちが次々に「もう堪忍袋の緒が切れた、俺は銃を持って聖戦に加わる」と言っている中で、テロリストにならずに済むだろうか。
空爆は、敵ではない人を殺し、殺されなかったテロリストの論理武装を手伝い、生き残った無辜の人々をテロリスト化している。
まさか、口では平和を願いながら、「どんどんテロリストが増えればよい、それを殺していれば永久に軍需産業が潤う」と思っているわけではあるまい。
平和を真剣に願うなら、空爆はあまり得にならない、と思い直してもいいのではないだろうか。
アメリカの同時多発テロの時も「テロを戦争で解決するのは、たんぽぽの綿毛をゴルフクラブで飛ばそうとするようなもの」と批判されていた。
アメリカ同時多発テロの犠牲者の数は全部で3,025人だそうだ。
これを受けてブッシュ大統領(二代目)はイラクを「大量破壊兵器を保有するテロ保有国家」と位置づけ、イラク戦争を起こした。
イラク戦争によるアメリカ兵の死者は4千人以上。
これに対する、イラク人の犠牲者の数がよく分からない。
さっきからWikipediaを調べているのだが、アメリカ人の誤認、誤爆、誤射による死亡者数は、アメリカ軍の上層部によると「数えていない」と言っているそうだ。
直接の殺害者は8万人から8万7千人と言われている。
兵士・民間人合わせた数は、9万8千人とも、65万5千人とも、120万人とも、15万1千人だとも、50万人ともされている。
どれも専門家による権威のある数字だが、ばらつきが多すぎる。
この「死者の数は数えていない」、「もう分からない」というのが悲しくないか。
控えめに見て8万人と考えても、アメリカ同時多発テロとイラク戦争の米兵の死者を合わせた7千人の10倍以上の数だ。
で、イラク戦争で大量破壊兵器は見つからなかった。
サダム・フセインとアルカイダの関係も証明できなかった。
フセインがカウボーイが天罰を受けた云々と言ったのは、テロ事件にことよせて、ブッシュ様の神経を逆なでするような暴言を吐いてみただけなのだろう。
この暴言の代償は本当に高く付いた。
日本の政治家も発言には気をつけた方がいいよ。
イラク戦争はアメリカによる完全な誤り、大きなミスであったが、日本政府はこの誤りを総括していない。
積極的平和主義による軍事行動を起こせる国として、「イラク戦争は完全な誤りであったが、こういう間違った作戦には参加しない」とは言っていないのだ。
これは問題だ。
百歩譲って積極的平和主義への参加を認めたとしても、正しい友達を選ぶ能力ぐらい持っておいたほうがいいだろう。
ところで、テロリスト集団ダーイシュの呼び名だが、日本のマスコミは「イスラム国」という呼び名を堂々と復活させている。
これはどういうことだろうか。
穏健派のイスラム教徒から「彼らは正しいイスラムではなく、彼らは国でもない。イスラム国という呼び名をしないで欲しい」と言って、ISISとかそういう名前にすることになったんじゃないだろうか。