順番をスッ飛ばして今日はEINの取得の話。

最初にあらすじ。
(1)KDPで電子書籍を売るためには、アメリカから源泉所得税を取られないために(日本と二重取りされないために)アメリカの国税局に連絡してEIN(従業員番号)というものを取得しなければならなかった(過去形!)
(2)この取得はアメリカにファックスして4日ぐらい待つか、郵送して半月以上も待つか、それとも国際電話して口頭で即時発行してもらうかの3通りがある
(3)当然ファックスするつもりだったが、うちから国際ファックスができない
(4)面倒だったので必死に国際電話かけて、なんか番号がもらえた
(5)でもこの番号、ルールが代わって日本でしか売り上げが見込めない人は特に必要がなくなったみたい
ということだ。
だからこんなブログ、書いてもなんの意味もないし、読んでも全然トクにならない。
じゃあなぜここに掲載しているかというと、国際電話を掛けた直後に、もう80%以上この記事を書いてしまっていたからだ。
せっかくだから読んでください。



KDP(Kindle Direct Print)を使って電子書籍を売るときは、アメリカ(シアトル)の?Amazon本社から?世界に対して売ることになる。
この時、何も申告しなければ、アメリカの所得税を源泉で取られてしまうという。
ところが、おいらは日本人で、日本で稼いだお金はやはり税金を日本国から取られるのである。
これ、何も申告しなければ、アメリカと日本と税金二重取られになるらしい。

これをどうするかというと、アメリカのIRSという役所に申請して、EINという番号を取得し、それをAmazonに申告する。
すると、アメリカの方の税金が免除される。

KDP電子書籍は、売れ行きが毎月付き締めの60日後払いだから、今月中に販売が開始しても入ってくるのは大晦日だ。
ぼくはといえば、まだ出版して5日しか経っていない。
気が早いよ!
でも気が向いたから申告をしてみた。

手順は、Kindleの公式文書としては、下のサイトに書いてある。
Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング: Amazon の Kindle ストアでの電子出版に関するヘルプ

でも、例によって先人の方のブログの方がわかりやすくて、たとえば以下に書いてある。
Kindleダイレクトパブリッシングで電子書籍を出版するときの注意点まとめ - Six Apart ブログ
KDP : 米国での源泉徴収税の免除手続きをやってみる - あまちゃんデータブック - unofficial : blog

Six Apartさんのブログは、他にもいろいろ電書作成上で困ったことが書いてあって、参考になった。

なんかIRSへの申請はファックスでする人が多いようなので、ぼくもそれで行こうと思った。
一応ウチの電話は「おたっくす」なので、ファックスも送受信出来る。

上のブログを参考にIRSのサイトからSS-4というフォームをダウンロードし、MacのPreviewでレタッチして住所、氏名など色々な情報を入力する。
サインだけは手書きで、と書いているので印刷してサインした。
それをIRSにファックスしたのだが、これが、あなた、何回ファックスしても送信できない。

ふぁっく! と思って(スミマセン)ファックス番号に音声電話してみると「あなたの番号は国際電話の発信が規制されています」という。
そういえばそんな連絡が以前があった。
うちはBフレッツひかり電話なのだが、なんかルーターをクラックして外国への電話をバンバン掛ける犯罪者がいたらしく、NTTが気を利かせて規制したらしい。
困るな。

その時点で朝の4時だった。

青木光恵さんのマンガを電書化している「うさぱらーず」の小形克宏さんは、音声電話でやったそうだ。

ファックスだと、ファックスまたは郵便で送ってくるので数日掛かるらしい。
郵送でやる方法もあるが、さらに時間が掛かるらしい。
電話だと即時。
なんか番号を口で言われる。
ということで、ぼくも電話式を試してみることにした。

電話でやった人の体験談はこちら。
EINを電話で手に入れました - sakuraSoftware開発日記
表現者のためのEIN取得 メモ (英語で電話) - NAVER まとめ

Skypeに1500円チャージして、電話番号に掛ける。
これが時間帯によってすごく待たされるらしい。
上のNAVERまとめには、朝6時に掛けるといいとか書いてある。

電話すると、機械音声で、英語だと1、スペイン語だと2を押せとか言われる。
1にする。
次に、あなたは外国に住んでいる事業者でEINが欲しいのか的なことを言われる。
これも1でよかった。

すると、30分から60分待たされる、順番につなぐから待っててくれと言われて、リピート音楽になる。
やっぱ30分から60分待つのかよ。

椅子に座ったままうとうとしていたら、本当に60分後につながった。
スペイン語訛りの強い女の人が出た。

一応、
Hello.
I'm calling you from Japan.
I'm an electronic book author.
I would publish electronic books via Amazon KDP.
To reduce the United States' income tax, please give me the EIN.
とか言う。

ここまでは、自分がして欲しいことを一方的に伝えるだけだから、カンタンだ。
向こうもあるあるのリクエストだから、スムーズに進む。

また、向こうが何を聞いてくるかもわかっている。
氏名、住所、国籍だ。
要はファックスで送ろうとした情報を口頭で伝えればいいだけの話なのだ。
電話で言うときも、一応ファックスで送るつもりでSS-4フォームを埋め、印刷したものを持っていた。
それが結果的に役に立った。
向こうが聞いてくる質問がそのままフォームに書いてあるので、アーいま住所を聞かれてるんだなー、名前を聞かれてるんだなーと思う。
ということで、質問を聞くのも、実はカンタンだ。

問題はここからだ。
自分の(日本人の)名前、住所、所番地をローマ字で言うのがものすごく難しい。

たとえ日本語英語であっても、単語や文章は、意味があるから、気合で通じる。
でも、単純にアルファベットの羅列は、言うのも聞くのもすごく難しい。
これがヨーロッパの言語であれば、同じ文化圏であるからもっと伝わると思う。
日本語は、向こうからしたら何が出てくるか分からないと思う。
笑うほど通じない。

有名どころでは「R」を伝えるのが難しいが、それ以前に「S」と「F」の違いが伝わらない。
「B」と「D」と「Z(ズィー)」の違いが伝わらないのだ。
こんなに自分の英語発音への自信が打ち砕かれたのは初めてiPhoneのSiriを使った時いらいだ。

こんな苦労をしなくて済むように、ローマ字を伝える国際的なルールがある。
JEAだとジュリエットのJ、エコーのE、アルファのAとかそういうのだ。
(J as in Juliet, E as in Echo, A as in Alpha)

International Radiotelephony Spelling Alphabet - Wikipedia, the free encyclopedia

これをマスターして、自分の住所、氏名は全部これで言えるようにしておくべきだった。
こういうものがあることを、ぼくはなんとなく知ってはいたのだが、このときは準備できなかった。
アホだ。

CHIHIROだからスィー、エイチ、アイ、エイチ、アイ、アール、オーとか言っても、向こうからピー、エイチ、エイ、エイチ、エイ、エル、オーで合ってますかとか言われる。
全然合ってないよ!
PHAHALOって誰だよ!
深澤ファハロかよ!
本当に、これぐらい通じないのである。
日本の英語教育ぜんぜん役に立ってないよ!

すごい時間が掛かった。
何回も、何回も言って、ようやく伝えた。
でも川崎市は分かったけど神奈川県が通じなかった気がする。
大丈夫か。

それから、従業員はいるかとか、アメリカ人の従業員はいるかとか、ギャンブルを伴う事業かとかいろいろ聞かれる。
基本的にノーノーと言っていればよかったが、たまにイエスと言わないといけなかった。
(ボヤボヤしたブログ…)

それでいちおうnn-nnnnnnnという2+7=9桁のEIN番号をもらえた。

あとは、Amazonからオンラインで、このEINを使った情報を入力すればオッケーだ。

我が闘争 since 2013.5.10 KDPアカウントで税の優遇措置を受ける方法

このとき、個人ではなくて「みなし事業体」というものを選ばないと、EINを登録できないようだ。
TINというものにしろと言われる。
どう違うかはよく知らない。
ということで、「みなし事業体」にして、適当な商号を入れて、申請を完了した。

申請はいま「IRSによるレビュー中」ということで、まだ受理されたかは分からないが、一仕事終えた感でいっぱいだ。



と、いう、ブログをここまで書いていたのだが、それからいろいろ調べると、それからルールが変わって(さっき書いたけど)この手続きは不要になった。
正確に言うと、amazon.comで売れた本は、相変わらずこの手続きが要るのだが、日本を含む他の国のAmazonから売れたものは、源泉徴収されなくなったそうだ。

EIN番号は不要!?|『だからダイビングはやめられない』

なんだそりゃー!!!

こういう重要なルールが向こうの都合でバンバン変わるのは、ネット企業、外資系っぽいなーと思う。
まあ、KDPに日本人が参入する大きな障壁の一つがこのEINの取得だったそうで、それがなくなって喜ばしいことではある。

ぼくはどうするかだが、もうしてしまった手続きを引っ込めるわけにもいかないし、ぼくなんかの本でもアメリカで大ブレークということがありえないわけではないから、このまま放置することになるだろう。