フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)の不正事件の話題で世間はもちきりだ。
Volkswagenはもともと国民車(Volks民衆の+wagen車)という意味で、ヒトラーの労働者が余暇に乗る安価で高性能な車を作ろうという構想で作られた自動車会社である。
(実際には戦時中にドイツの一般庶民がフォルクスワーゲン車に乗ることは出来なかったと言う)
高速道路網アウトバーンと並んで、ヒトラーの2大遺産と言われている。
ドイツ語読みだとフォルクスヴァーゲンになる。
フォルクスワーゲンという日本でのカタカナ名称は、フォルクスはドイツ語読み、ワーゲンは英語読みで変な感じがする。
この件をFacebookに書いたら、ワーグナー(ドイツ語よみではヴァーグナー)、ウィトゲンシュタイン(ヴィドゲンシュタイン)、ワイマール共和国(ヴァイマル)と一緒で、Wは英語読みという日本の伝統があるのではないか、という説があった。
なるほどね。
アメリカ人は外国語をスッキリ英語読みする傾向があり、この会社のことも「ヴォルクスワーゲン」と言い切っている。
このVWの「クリーンディーゼル」自動車が、アメリカの排気ガス基準を満たしていなかった。
しかも、不正な技術が使われていた。
自動車を制御するソフトウェアは、排ガス試験をされていることを自ら感知し、有害物質を抑える機能を高める。
いっぽう、普通に街を走っているときは有害物質をあまり除去せず、多い時は40倍も放出していたという。
その科学力を本来の環境基準を守る方に生かせ!
と思っていたが、非常に単純な技術で、タイヤがフルパワーで回っているのにハンドルが全然操作されていない時はテスト中であると分かるから、排気ガス浄化装置をめいっぱい駆動させるみたいな感じらしい。
別にテスト中でなくても普段からめいっぱいがんばって浄化すればいいと思うが、それだとエンジンのパワーダウンや、浄化装置の劣化を伴うそうだ。
浄化装置の劣化については、これもFBで教えてもらったのだが、触媒が劣化するという。
触媒(Catalyst)は、過酸化水素水に入れるとあっという間に酸素が逃げる、素焼きのかけらのようなもので、化学反応を促進させるが、反応の前後で増えも減りもしない物質のことを言う。
では触媒は劣化しないかというと、これがする。
触媒は表面がデコボコした物質だが、この物質の表面に不純物がたまることで、性能がどんどん落ちるという。
自動車は環境に優しくなければならないが、スピードとパワーも要求される。
ドイツのアウトバーンをぶっとばすことを目的で作られたVWは、環境基準を満たすためにチートをしなければならなかったのだろうか。
VW社はこの件でアメリカ国内で2兆円を超える制裁金を受けるそうだ。
ちなみにBMW社の自動車も、道路走行時に基準を超える有害物質を出していると、VWの不正を暴いたアメリカのNPO「ICCT」が発表したという報道があった。
BMW社は、テスト時に特別な制御を行うことはないとして、報道を否定している。
なお、2011年、VW社とよく似た手法の検査逃れをいすゞ自動車も行っているとして東京都が改善を求めた。
石原都知事がものすごく怒っていたのを覚えているが、結局VWほどの大騒ぎにはならなかった。
テスト時以外に浄化装置を停止させるプログラムはディフィートデバイス(無効化機能)と言われ、日本では合法であるが欧米では違法である。
メーカー側は、この機能はテストを不法にパスすることを目的にしているのではなく、トラブル時やエンジンに負荷がかかる場合に発生させると言っている。
いすゞ自動車と違って、VWははっきり不正を認めた。
もともとディフィートデバイスは一切禁止のアメリカなので言い訳のしようがない。
さて、このようなVWの陰謀だが、いったい何人の人間が関わっているんだろうか?
ソフトウェアの設計製作者、ハードウェアの設計製作者、テストの担当者、経営陣。
途中で気づいて、後で口止めだれた人とかいるんだろうか。
東芝の粉飾決算の件も、どれぐらい沢山の人が知っていたのだろうか。
そういう人が、知っていて、知りつつ、黙っている間の心中はどんなものなんだろうか。
仕事で、回りのみんなもやっているから、感覚が麻痺するのだろうか。
想像がつかない。
VW社の株価は、事件の影響でどんどん落ちている。
落ちて当然だが、この結果、世界同時株安の現象を引き起こしている。
「フォルクスワーゲンショック」だ。
なぜだろう。
一社が沈んでも別に他社に関係ないのでは?
ライバル社はむしろうれしいのではないだろうか。
どうもそうではないらしい。
今回の事件は自動車会社じたいへの不信感につながっている。
他の会社も叩けばホコリが出るのではないか。
その疑惑が晴れるまでは自動車会社の株は売りになるということだろう。
それはいいのだが、自動車以外の株も一斉に下がっているのである。
いかに自動車産業というものが経済全体に与える影響が多いかを思い知った。
ぼくは自動車を運転しない。
都会だから車も所有できないし、駐車場も借りられない。
電車で外出するのが快適だ。
本が読めるし、音楽が聞けるし、眠れる。
むかし友達同士でバンドをやっているとき、車に乗っている人だけはいつ来るか分からないので辟易していた。
渋滞に巻き込まれたり、小さな道に入ると一方通行が迷路のように入り組んでいて抜け出せなかったりするそうだ。
いまはカーナビがあるからそうでもないのかなとも思うけど「俺、クルマだから時間が読めないんだよね」とその人が言うにつけ「じゃあ電車にすれば!?」といつも思った。
でもそんなの都会のほんの一部分だけのことで、田舎だと車がないと生活できない。
アメリカは国中車社会で、小説を吹き込んだカセットテープ(オーディオブック)がすごく売れる。
ロスアンジェルスのようなまあまあの都会であっても車がないとどこにも行けない。
国自体がすごく広くて、夜中に牛乳が飲みたくなっても、ホテルからスーパーまで車がないと移動できないのだ。
あれはひどいよ。
ぼくはタクシーに乗ってスーパーに行っていたが、灯油を入れるようなポリタンクにミネラルウォーターや牛乳やオレンジジュースを詰めたのが売っててびっくりした。
あんなのがガンガン入っている冷蔵庫ってどんだけ大きいんだろう。
自動車はムダが多い。
1人あたりの燃料消費量(CO2排出量)は電車の方が全然少ない。
自動車は石油を燃やして、車体を運んでいるようなものだ。
こんなことは何十年も前から、それこそオイルショックの時代から言われていたのである。
しかるに、もっと線路敷きましょう、自動車やめましょうという議論はなかなか起きない。
これはユーザー側の問題ではなく、自動車産業が国の基幹産業であるという、供給側の問題も大きいのだろう。
(実際には戦時中にドイツの一般庶民がフォルクスワーゲン車に乗ることは出来なかったと言う)
高速道路網アウトバーンと並んで、ヒトラーの2大遺産と言われている。
ドイツ語読みだとフォルクスヴァーゲンになる。
フォルクスワーゲンという日本でのカタカナ名称は、フォルクスはドイツ語読み、ワーゲンは英語読みで変な感じがする。
この件をFacebookに書いたら、ワーグナー(ドイツ語よみではヴァーグナー)、ウィトゲンシュタイン(ヴィドゲンシュタイン)、ワイマール共和国(ヴァイマル)と一緒で、Wは英語読みという日本の伝統があるのではないか、という説があった。
なるほどね。
アメリカ人は外国語をスッキリ英語読みする傾向があり、この会社のことも「ヴォルクスワーゲン」と言い切っている。
このVWの「クリーンディーゼル」自動車が、アメリカの排気ガス基準を満たしていなかった。
しかも、不正な技術が使われていた。
自動車を制御するソフトウェアは、排ガス試験をされていることを自ら感知し、有害物質を抑える機能を高める。
いっぽう、普通に街を走っているときは有害物質をあまり除去せず、多い時は40倍も放出していたという。
その科学力を本来の環境基準を守る方に生かせ!
と思っていたが、非常に単純な技術で、タイヤがフルパワーで回っているのにハンドルが全然操作されていない時はテスト中であると分かるから、排気ガス浄化装置をめいっぱい駆動させるみたいな感じらしい。
別にテスト中でなくても普段からめいっぱいがんばって浄化すればいいと思うが、それだとエンジンのパワーダウンや、浄化装置の劣化を伴うそうだ。
浄化装置の劣化については、これもFBで教えてもらったのだが、触媒が劣化するという。
触媒(Catalyst)は、過酸化水素水に入れるとあっという間に酸素が逃げる、素焼きのかけらのようなもので、化学反応を促進させるが、反応の前後で増えも減りもしない物質のことを言う。
では触媒は劣化しないかというと、これがする。
触媒は表面がデコボコした物質だが、この物質の表面に不純物がたまることで、性能がどんどん落ちるという。
自動車は環境に優しくなければならないが、スピードとパワーも要求される。
ドイツのアウトバーンをぶっとばすことを目的で作られたVWは、環境基準を満たすためにチートをしなければならなかったのだろうか。
VW社はこの件でアメリカ国内で2兆円を超える制裁金を受けるそうだ。
ちなみにBMW社の自動車も、道路走行時に基準を超える有害物質を出していると、VWの不正を暴いたアメリカのNPO「ICCT」が発表したという報道があった。
BMW社は、テスト時に特別な制御を行うことはないとして、報道を否定している。
なお、2011年、VW社とよく似た手法の検査逃れをいすゞ自動車も行っているとして東京都が改善を求めた。
石原都知事がものすごく怒っていたのを覚えているが、結局VWほどの大騒ぎにはならなかった。
テスト時以外に浄化装置を停止させるプログラムはディフィートデバイス(無効化機能)と言われ、日本では合法であるが欧米では違法である。
メーカー側は、この機能はテストを不法にパスすることを目的にしているのではなく、トラブル時やエンジンに負荷がかかる場合に発生させると言っている。
いすゞ自動車と違って、VWははっきり不正を認めた。
もともとディフィートデバイスは一切禁止のアメリカなので言い訳のしようがない。
さて、このようなVWの陰謀だが、いったい何人の人間が関わっているんだろうか?
ソフトウェアの設計製作者、ハードウェアの設計製作者、テストの担当者、経営陣。
途中で気づいて、後で口止めだれた人とかいるんだろうか。
東芝の粉飾決算の件も、どれぐらい沢山の人が知っていたのだろうか。
そういう人が、知っていて、知りつつ、黙っている間の心中はどんなものなんだろうか。
仕事で、回りのみんなもやっているから、感覚が麻痺するのだろうか。
想像がつかない。
VW社の株価は、事件の影響でどんどん落ちている。
落ちて当然だが、この結果、世界同時株安の現象を引き起こしている。
「フォルクスワーゲンショック」だ。
なぜだろう。
一社が沈んでも別に他社に関係ないのでは?
ライバル社はむしろうれしいのではないだろうか。
どうもそうではないらしい。
今回の事件は自動車会社じたいへの不信感につながっている。
他の会社も叩けばホコリが出るのではないか。
その疑惑が晴れるまでは自動車会社の株は売りになるということだろう。
それはいいのだが、自動車以外の株も一斉に下がっているのである。
いかに自動車産業というものが経済全体に与える影響が多いかを思い知った。
ぼくは自動車を運転しない。
都会だから車も所有できないし、駐車場も借りられない。
電車で外出するのが快適だ。
本が読めるし、音楽が聞けるし、眠れる。
むかし友達同士でバンドをやっているとき、車に乗っている人だけはいつ来るか分からないので辟易していた。
渋滞に巻き込まれたり、小さな道に入ると一方通行が迷路のように入り組んでいて抜け出せなかったりするそうだ。
いまはカーナビがあるからそうでもないのかなとも思うけど「俺、クルマだから時間が読めないんだよね」とその人が言うにつけ「じゃあ電車にすれば!?」といつも思った。
でもそんなの都会のほんの一部分だけのことで、田舎だと車がないと生活できない。
アメリカは国中車社会で、小説を吹き込んだカセットテープ(オーディオブック)がすごく売れる。
ロスアンジェルスのようなまあまあの都会であっても車がないとどこにも行けない。
国自体がすごく広くて、夜中に牛乳が飲みたくなっても、ホテルからスーパーまで車がないと移動できないのだ。
あれはひどいよ。
ぼくはタクシーに乗ってスーパーに行っていたが、灯油を入れるようなポリタンクにミネラルウォーターや牛乳やオレンジジュースを詰めたのが売っててびっくりした。
あんなのがガンガン入っている冷蔵庫ってどんだけ大きいんだろう。
自動車はムダが多い。
1人あたりの燃料消費量(CO2排出量)は電車の方が全然少ない。
自動車は石油を燃やして、車体を運んでいるようなものだ。
こんなことは何十年も前から、それこそオイルショックの時代から言われていたのである。
しかるに、もっと線路敷きましょう、自動車やめましょうという議論はなかなか起きない。
これはユーザー側の問題ではなく、自動車産業が国の基幹産業であるという、供給側の問題も大きいのだろう。