★スミマセン宣伝です(2015/10/10)★
ぼくの睡眠時無呼吸症候群、そしてCPAP個人輸入の体験を電子書籍にしました。


最初はブログをまとめれば本になるとたかをくくっていたのですが、結局ぜんぶ書き直しになりました。
本を書いていて思ったのが、過去のブログに書いたことは少しずつ記憶に誤りがあるということです。
本来ならばブログを1つ1つ訂正するか、ぜんぶ削除するところですが、それはこれからおいおいやっていきます。

睡眠時無呼吸症候群に悩んでおられる方なら、共感していただけ、役立てていただけるように本を書きました。
ぜひ読んでください。



昨晩6月15日、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」で取材を受けた模様が放映された。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS、Sleeping Apnea Syndrome)の患者として、治療器具CPAP(Continuous Positive Airway Pressure、シーパップ)の個人輸入体験者としての取材である。
病気の患者が病状を語っているわけで、歌が上手いから歌番組に出演したわけでも、学識経験者だからコメントを求められたわけでもなく、全然自慢にならない。
だが、以前からテレビの制作現場に興味があったので取材を受けた。
結果的には楽しく収録ができ、放映もいい湯加減で編集されていて、いい経験になった。

話は6月のはじめに遡る。
このブログの記事カテゴリー「睡眠時無呼吸症候群とぼく」を読んでくださったテレビ東京のディレクター(D)さんが「SASの患者が高い費用と通院の手間に苦しんでいる、その背後には病院と商社の癒着があるのではないか、それを特集にしたいから取材させてくれないか」という趣旨のメールを受けた。

ぼくは確かに自分のブログの中で、CPAPを貸してくれた病院(以下レンタル病院)が月に1回診察を義務付け、5000円の自己負担を要するという体制に疑問を呈していたし、その後CPAPの個人輸入、自己所有に至った経過を詳らかにしていた。
しかし、ぼくは別に大塩平八郎じゃないので、レンタル病院を批判する急先鋒にはなりたくない。
レンタル病院との関係は終わったことで、ぼくはもうCPAPを個人輸入するノウハウを持っていて、現状に満足している。
その点でどのように扱われるのか不安であったが、一方でぼくのような代替策があることを、月イチ診療と月に5千円負担という体制に疑問を持っている人に提案したい気持ちも大きかったので、結局OKした。

その頃はぼくの部屋が盛大に散らかっていたので、家の中にDさんやクルーを招じ入れるのは二の足を踏んだ。
しかし、やはり実際に使っている環境を撮りたいという希望なので、一念発起してパソコンの周りとベッドの周りだけ片付けた。
結果的にはこれが少し見通しが甘くて、ちょっと見せたくないものまで映り込んでしまった。
パソコンの後ろのごちゃっとした感じも映りたくなかったし、部屋中にすごくアロハシャツを干している人みたいに映ってしまったが、あれぐらい押入れに押し込んでおけば良かった。
やはり狭い部屋に取材スタッフを招じ入れるためには、どの角度から見てもスッキリするように整理しておくべきだ。

時間的にはスタッフさんが家に滞在するのが2時間、そのうちテープを回すのが30分、それを編集してテレビに流すのは1〜2分という話だった。
実際にはぼくがしゃべりにしゃべったので、テープを小1時間回させてしまったと思うし、クルーの滞在時間も2時間半ほどになった。
下の動画だと15:36〜16:36で1分20秒ぐらい出演しているが、結果的に非常にうまいまとめ方だなーと思った。



取材に来られたのはDさんとカメラマンさん、音声さんの男性3名だ。
特に上下関係があるわけじゃなくて、お互いに専門知識を交換して和やかに仕事を進めている感じだった。

最初に「思いっきり普段着ですが少し着替えますか?」と言われた。
その時はモンスターズインクのTシャツを着ていて、ディズニーのキャラクターを着るとテレビに映らないという噂もあったのでアロハシャツに着替えた。

まず、パソコンを使っているという思い入れの絵を撮るということでキーボードをカタカタ操作した。
これはクルーがいらっしゃる直前まで書いていた原稿の続きを書いていたのでヤラセというには当たらない。
むしろ液晶画面の横に思いっきり自分の本を3冊置いて映り込むようにしていたぼくの態度こそがヤラセだったかもしれない。

上半身だけ映るという話だったので下半身はユニクロのステテコを履いているが、これも映り込んだ。
その後Dさんが「玄関から私が入ってくるのでようこそ〜的な絵を撮りたい」という。
まあこれも、ついさっき同じような場面があったのでヤラセではないだろう。
ここで思いっきり下半身も映るということで、急遽長ズボンを履かせてもらった。
だからさっき撮った映像と絵がつながらなくなっている。
やっぱり社会人の常識として襟付きシャツ、長ズボンぐらいは着ておくべきだった。

次にしゃべりを撮る。
カメラさんに「ぼくは斜視で目線が合わないので、正面からじゃなくて斜めから撮って欲しいんですが」と言うと、斜めの角度にDさんが膝立ちになり、そちらに向かって話をする形になった。

実は、取材を受ける前にいろいろネットの記事をしらべていたのだが、経済評論家の山崎元さんの記事が参考になった。

テレビの取材を受ける場合の基礎知識 - 評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」

内容を要約すると、編集される収録取材の場合、しゃべった意図通りに放映されるとは限らない、ということである。

今回も、Dさんがぼくに「言って欲しい言葉」というのがまずあって、それを言うように誘導される感じが「なかったかと言えばウソになる」とは言える。
具体的に言うと、病院に搾取されて不満である、CPAPを個人輸入できてハッピーである、ということを、わかりやすい、短い言葉で伝えて欲しい、という意図をDさんは持っていたようで、そのキーワードが出てくるまで何回も同じような質問をされるきらいはあった。

でも、ぼくは、上にも書いたが大塩平八郎じゃないので、大企業や病院を言論で糾弾するつもりはない。
いや、そのうち社会を言論で糾弾するぐらいのことはしてもかまわないと思っているけれども、少なくともこのテレビ取材でやるつもりはなかった。

レンタル病院にも、不満は持っているが、感謝の気持ちも一応持っている。
不当に高い料金と時間的手間を取られたとは思うけど、ぼくが罹病した2008年当時はレンタル病院を頼る以外の選択肢がぼくには思い当たらなかったし、レンタル病院はレンタル病院でプロの対応をしてくれたのは確かである。

一方、現状でもCPAPと個人輸入、自己所有にはまだまだリスクがある。
イマ風の嫌な言い方をすれば自己責任だ。
だから、手放しでCPAP自己所有を励行するつもりもない。
あくまで自分の個人的な経験であって、いろんな前提条件がある。
でも、それを全部電波に載せてもらうのは、無理な話だ。

Dさんは現場での会話や、前後のメールのやり取りの中で、そういうぼくの葛藤や、レンタル病院を攻撃する急先鋒になりたくないというカワードな気持ちを敏感に読み取ってくれたらしく、ぼくが過激なことを言っているようなVにはしないでくれた。
その一方で、ぼくが一番言いたかったことの1つである、個人輸入CPAPの抜群の安さ、そして購入の意外な手軽さというポイントにフォーカスした内容で、いい感じに作ってくれてよかったなーと思う。
ここが一番の懸念点だったのだが、ホッとした。

その後、パソコンでcpap.comを渉猟して、色々なCPAPの価格などを紹介した。
これは話の流れに沿った商品をぼくが表示してカメラさんが画面を撮影する流れである。
液晶画面をデジタルビデオで撮影しているので、モアレがどうしても出るが長時間掛かって最小限にするように努力していたようだ。

そのあと実際にCPAPを使うデモである。

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ビデオでは立って機器を説明している場面を使っているが、実際には他にもベッドで使って、ぼくが入眠するところまでも撮影している。

他に使われなかったビデオとしては、病院からもらったペーパー(1泊2日、3万円の検査結果)も撮影していた。
他にも、病院から借りたCPAPは特殊なメモリーカードで、病院に渡して月1回にサマリーしたレポートをもらうだけだが、自己所有のCPAPは民生品のSDカードを挿入でき、毎日毎日レポートを自分のパソコンで表示することが出来る、という絵も撮ったのだが、あまりにもトリヴィアルだからか使われなかった。

ということで、2時間半の撮影が終わった。

結果的に1分半の放映(+提供クレジット「ビックカメラ」の背景w)で使われたのだが、上にも書いたが不本意な使われ方でもなく、ぼく自身も、そんなにイヤな奴には映ってはいなかったと思われるので、自分的には万々歳だ。
変わった経験が出来て良かったし、これを機会にCPAPの自己所有に挑戦する人が出てきたらいいと思う。

さて、放送(OA)を見て、Dさんが病院サイドを批判的に描くのは、それなりに根拠があるということが分かった。
これはOAを見ればわかるが、許認可権を持つ厚労省の外郭団体がものすごく経費を取っているのである。
よく老人が医療費を使いすぎているとか、不必要な病院通いと薬を請求する患者が健康保険を食い物にしているとか批判する人がいるが、実際には中間に介在する役所やナントカ団体が暴利を貪っているのではないか、という問題提起である。
これはぼくは知らなかった。
へぇー!
これは非常にいい視点であり、目からウロコが落ちた。
単純にレンタル病院を叩いて個人輸入を称揚する番組ではなかったのである。

ぼくの取材に戻るが、ぼくの話のウラトリや時間的な前後関係など、細かいメール取材があった。
ぼくも改めて調べると誤解があったりした。

なお、上の山崎元さんの記事にもあったが、謝礼はまったくなかった。
謝礼のシャの字もDさんから出なかったので、いろいろ調べてみたが、テレ東の規定として出ないようだ、
理由は、お金を出して発言をねじ曲げることがないように、という話である。
それはなるほどそうかもしれないが、逆から考えると、こっちは2時間半という時間と、自宅という場所を供出している。
ぼくぐらいのサラリーマンであれば時給5千円ぐらい取る人もいるだろうし、撮影スタジオを2時間借りたら相当な金額になるはずだ。
つまり、テレ東に言わせると「報道の公正を守るために謝礼は出していない」ということだが、ぼく側から見れば一方的に時間と場所と手間を供与した形になる。
別にこんなことで大儲けするつもりはないのだが、拘束した時間の分の補償ぐらいは、形式上行うべきだと思う。
少なくとも「謝礼は規定上お出ししませんのでよろしくお願いします」の一言が欲しかった。
しかし、そういえば出ない人もいるのだろうか。

さて、長くなるが、OAを見てのトリビア的な内容である。

 ・時天空関はオーストラリアのメーカー、レスメドの機械を使っている(時天空関には謝礼が発生したのだろうか?w)
 ・これは商社を介して病院からレンタルしているようだ
 ・2番めに登場したシンクタンクの方はオランダのメーカー、フィリップス・レスピロニクスの機械を使っている
 ・これも商社を介して病院からレンタルしているようだ

 ・ぼくが2011年に個人輸入したのはフィリップス・レスピロニクス機だ
 ・最初に2008年にレンタルしたのはレスメド機である
 ・ぼくがCPAPを自己所有した2011年当時、レスメド機はアメリカの通販業者cpap.comでは購入出来なかった
 ・理由は日本の商社が正規代理店になっているからである
 ・そのため、ぼくはフィリップス・レスピロニクス機を個人輸入した
 ・しかし2015年現在、フィリップス・レスピロニクス機もcpap.comでは購入できなくなっている
 ・理由は2011年から2015年の間に日本の商社が正規代理店になったからである
 ・cpap.comから直接買う以外の方法であれば、日本からもレスメド機もレスピロ機も買えるようだが、これについては詳しく知らない

 ・ぼくが使っているCPAPマスクは、Sleep Weaverという布製のものである
 ・顔に触れる部分にまったくゴムがないので、ゴムでかぶれる人には超オススメ
 ・日本の通販買者でCPAPは買えないがマスクは買えるけど高い。cpap.comであれば送料コミでも安い

 ・CPAPを自己所有するにしても、SASであるかどうか、最初のCPAPの圧力はどれぐらいにするかは、病院で検査して決める必要があるだろう
 ・ぼくが最初に関わったレンタル病院では、(1)SASであるかどうかの検査 (2)CPAPの圧力を決める検査 の2回を行った
 ・この2回の検査の間に「圧力の設定をするCPAPを借りてもらわないといけない」ということで、半ば強制的に3年間のレンタル契約を結ばされた
 ・圧力ぐらいいくらでも変えられるから、検査用のCPAPを備え付ければいいと思うのだが。。
 ・番組を見てこれから個人所有する人は、この検査をどうするかが問題になると思う
 ・ぼくが個人輸入したのは結局、最初の3年間のレンタル契約が満了した直後であった

 ・番組ではぼくがどうやって、番組の言葉で言うと指示書(診断書)(cpap.comの言葉で言うとprescription。処方箋)を入手したのかが分からない
 ・ブログにも書いたが、ぼくは当時かかりつけだった内科のクリニックの医師に趣旨を説明して書いてもらった
 ・その医師は、いったん書類を預かって検討します、と言い、次に診察に行った時に一応納得して処方箋を書いてくれた
 ・テンプレートはcpap.comからダウンロードでき、どういう医師であればこの処方を書けるかが書いてある(歯医者でもいい、などと書かれている)
 ・テレ東の収録ではこの処方箋の物撮りも行ったが、割愛されていた

 ・OAで、個人輸入のための処方箋の提供を電話で断っていた病院がどこかは分からない
 ・どちらかは自分が通っていたレンタル病院かもしれないが、一般的にレンタル病院であればこのような対応になるであろう
 ・院長がコメントしていたグッドスリープクリニックはレンタル契約と、個人輸入のための処方箋提供と両方行っているようだ
 ・検査も行っているということなので、東京にアクセス出来る人はまずここを尋ねればいいかもしれない
 ・他にも番組の影響で「CPAP個人輸入サポートします!」という病院が次々に現れれば素晴らしいことであると思う