前からこういうことがありうると分かってはいたのだが、本当に自分の身にこういうことが降りかかろうとは思わなかった。
超むかつく。
超むかつく。
東芝RDシリーズは、テレビをHDDに録画してDVDにも焼けるビデオレコーダーの老舗である。
ぼくは初代のRD-X1から3、5、9、10と使い継いでいる。
現在家にはRD-X9とRD-X10の2台が動いている。
ビデオデッキ1台に付き2放送が同時録画出来る。
普通どっちか1台あれば良さそうである。
ビデオデッキを2台置くなんて、場所も電気も大ムダである。
しかしながら、両方を稼働させないといけないのだ。
なぜか。
RD-X9から、テレビは地上デジタルになった。
この地上デジタルというのは、放送局の都合で定められた法律によって、自由なダビングが禁じられている。
不自由なだけでなく、超めんどくさい複雑な決まりで、ぼくも書くのが億劫であるが、お暇な方はお読み下さい。
まず、ビデオデッキに録画された状態で、ダビング10と言われる状態になる。
これは、このコンテンツをDVDに10回焼けるという意味である。
この状態からDVDを焼くと(番組をDVDにコピーすると)、ダビングカウントが1個減って、いわばダビング9になる。
ダビング先のDVDから孫コピーは出来ない(プロテクトされている)。
HDDやDVD-RWのようなメディアに、コピーでなくムーブ(移動)することは許されている。
この場合コピー元の(もともと録画した)マシーンからは番組が消え、コピー先のディスクに番組が移る。
移った番組は元の番組のダビングカウントを維持している。
そもそも地上デジタルのコピーを制限しているのが異様に思える。
なぜ無料放送のコピーを禁じる必要があるのか。
日本の他に、日本方式を取り入れた南米がこの方式に従っているそうだ。
その他諸外国ではコピー自由である。
このへんも昨日述べた、日本人のサドマゾ気質の一面で、規則に異常に従う、お上に逆らわない羊のように従順な性格が働いているようだ。
まあそれはいいとしよう。
ムーブは自由である。
この場合番組のファイル(実体)はこの世に1つしかないわけだから、この規則は妥当に思える。
ところが、東芝RDシリーズの場合、この規則がさらにもう1段厳しい。
ビデオデッキには2TBのHDDが入っている。
2TBもあれば当分持つと思われるが、すぐにいっぱいになってしまう。
どれぐらい入るのだろうか。
地デジはRDとかTSとか呼ばれる形式で配信される。
だいたい1時間あたり7.5GBだそうだ。
2TBは2048GBだから、273時間である。
1日1時間録画したら、9ヶ月ぐらいで消費する。
実際には溜めておいてそのうち見よう、と思うので、もっと速く消費する。
でもRDシリーズには素晴らしい機能があって、USBの外付けHDDに逃すことが出来る。
ぼくはI-O DATAの2TBのものを使っている。
ところが、この外付けHDDは、RDに「登録」する必要があり、一度登録したらそのRD(その個体)でしか再生できないのだ。
いま、あなたがRD-X9を電気屋で買ってきたとしよう。
シリアル番号がX番だったとする。
内蔵HDDがいっぱいになったから、番組をUSB-HDDに逃したいと思ったとする。
その場合、USB-HDDをX番のRD-X9に「登録」する。
そして番組をX番のRD-X9からUSB-HDDに「移動」する。
X番のRD-X9から番組はなくなり、USB-HDDに番組が移動してくる。
ところが、このUSB-HDDの番組は、同じX番のRD-X9でしか再生できないのだ。
他の機器(RD-X10とか、パナソニックの機械であるとか)では再生できないばかりか、同じRD-X9であっても、別の個体(シリアル番号がX番でないもの)では再生できない。
これは東芝のRD-X9(およびRD-X10などのこの時期の東芝製品)独自のプロテクトで、地デジのダビング10規制とは直接関係がない。
自分で録画し、自分で移動したファイルであっても、自由に再生できないのだ。
なぜかはまったく分からない。
さらに、同じX番のRD-X9であっても、再生できなくなる場合がある。
故障した場合だ。
最近のエレクトロニクス製品は非常に集積化されていて、技術者も昔の電気屋のオッサンみたいな技術と気骨を持っている人がいない。
不具合があったら、基板を丸ごと交換して終わりである。
ところが、このUSB-HDDの「登録」情報が、この交換によってすべて失われてしまう。
だから、USB-HDDの2TBに半年間のテレビ番組を全部録画していた場合、全部見られなくなる。
ぼくはRD-X9外付けのUSB-HDD 4本に番組をパンパンに録画しているが(2年分ぐらい?)、もしX9を修理すると、これらが全部見られなくなる。
ニワカには信じられない、奇怪千万な話だが、本当の話である。
ぼくに起こった不幸は、不幸中の幸い、マザーボードが壊れたというものではなく、HDD 4本のうち1本が「なぜか」見られなくなったというものだった。
そのUSBを接続して起動しても、エラーメッセージは表示されない。
登録されていないHDDを接続して起動した場合は「当機に登録されたHDDではありません」というメッセージが表示されるので、登録自体は認識しているというものだろう。
しかし、さあHDDの中身を見ようと思って「見るナビ」を起動しても「表示する内容がありません」と言われる。
東芝RDのHDDはUDFというファイルシステムで、Linuxからであれば中身が見える。
(サポセンの姉ちゃんもパソコンで中身が見えますか、と言っていたので、中身を見るだけなら違法ではないようだ)
ThinkPadにUbuntuを入れてマウントしてみると、ちゃんと2TBパンパンのファイルが見える。
しかるに、RDでは見られないのである。
他のHDD(3本)は今のところ見られるが、いつ突然見られなくなるかも分からないし、他の機械にも移せない。
RD-X9はリモコンの裏側にサポセンのフリーダイヤル番号がデカデカとプリントされている。
いつでも電話して来いや! という気概が感じられて好ましい。
だが電話を掛けてもまったく役に立たない。
認識しなかったら修理になります、修理したら見られなくなります、と言う。
この理屈おかしくないか?
医者に言って「最近物忘れがひどいんですが」と言うと「脳みそ全部取り替えたら完璧に治ります。ただし生まれてからの記憶は全部なくなります」と言うようなものだ。
そもそも余計なプロテクトを掛けるからいけないのである。
あまりにもぼくが納得しないので、サポセンの姉ちゃんが修理センターの人を手配した。
この修理センターの人が約束した日の朝にうちに来る時間を調整しに電話してきたが(10時に電話してくる約束だったのに8時に電話してきた。迷惑だ)、いろいろ話をして、結局この修理センターの人は基板を交換する以外のソリューションを持ち合わせていない、ということが判明した。
サービスマンはやってくるだけで4千円取るという話なので、お断りした。
細かいやりとりでおかしなところはいろいろあったのだが、思い出すだにはらわたが煮えくり返るので略す。
ということで結局、HDDまるごと1台分の番組が見られなくなってしまった。
何らかの魔法のような技術で復旧出来る日がくるかもしれないので、死んだ子供の遺体を冷蔵保存するような気持ちでHDDを保存している。
そして、もう番組を録画しなくなった、壊れかけのRD-X9は家に置いてある。
残りのHDD 3本分の番組を見るためである。
東芝のRDシリーズを使う限り(操作に慣れているので、他機種への乗り換えは今のところ考えていない)、乗り換えるたびにビデオデッキが増える。
以前録画した番組を再生するだけのために、ビデオデッキをコレクションしなければいけない。
さすがにそれは無理筋だと東芝も気づいたのか(あまりにも多い苦情に根負けしたのか)、最近の機種ではSeeQvault(TM)という規格に応じたHDDであれば、最近の機種間では挿し替え自由になったそうだ。
「東芝の技術で挿し替えが自由になった! スゴい!」的な広告を打っていてムカつく。
そもそも自社の都合で付けていた余計な規制を緩和しただけの話で、「いままでスミマセンでした」と謝ることではあっても、自慢することではない。
しかも過去機種で録画したコンテンツの救済措置はないわけである。
どうにかして欲しい。
ぼくは初代のRD-X1から3、5、9、10と使い継いでいる。
現在家にはRD-X9とRD-X10の2台が動いている。
ビデオデッキ1台に付き2放送が同時録画出来る。
普通どっちか1台あれば良さそうである。
ビデオデッキを2台置くなんて、場所も電気も大ムダである。
しかしながら、両方を稼働させないといけないのだ。
なぜか。
RD-X9から、テレビは地上デジタルになった。
この地上デジタルというのは、放送局の都合で定められた法律によって、自由なダビングが禁じられている。
不自由なだけでなく、超めんどくさい複雑な決まりで、ぼくも書くのが億劫であるが、お暇な方はお読み下さい。
まず、ビデオデッキに録画された状態で、ダビング10と言われる状態になる。
これは、このコンテンツをDVDに10回焼けるという意味である。
この状態からDVDを焼くと(番組をDVDにコピーすると)、ダビングカウントが1個減って、いわばダビング9になる。
ダビング先のDVDから孫コピーは出来ない(プロテクトされている)。
HDDやDVD-RWのようなメディアに、コピーでなくムーブ(移動)することは許されている。
この場合コピー元の(もともと録画した)マシーンからは番組が消え、コピー先のディスクに番組が移る。
移った番組は元の番組のダビングカウントを維持している。
そもそも地上デジタルのコピーを制限しているのが異様に思える。
なぜ無料放送のコピーを禁じる必要があるのか。
日本の他に、日本方式を取り入れた南米がこの方式に従っているそうだ。
その他諸外国ではコピー自由である。
このへんも昨日述べた、日本人のサドマゾ気質の一面で、規則に異常に従う、お上に逆らわない羊のように従順な性格が働いているようだ。
まあそれはいいとしよう。
ムーブは自由である。
この場合番組のファイル(実体)はこの世に1つしかないわけだから、この規則は妥当に思える。
ところが、東芝RDシリーズの場合、この規則がさらにもう1段厳しい。
ビデオデッキには2TBのHDDが入っている。
2TBもあれば当分持つと思われるが、すぐにいっぱいになってしまう。
どれぐらい入るのだろうか。
地デジはRDとかTSとか呼ばれる形式で配信される。
だいたい1時間あたり7.5GBだそうだ。
2TBは2048GBだから、273時間である。
1日1時間録画したら、9ヶ月ぐらいで消費する。
実際には溜めておいてそのうち見よう、と思うので、もっと速く消費する。
でもRDシリーズには素晴らしい機能があって、USBの外付けHDDに逃すことが出来る。
ぼくはI-O DATAの2TBのものを使っている。
ところが、この外付けHDDは、RDに「登録」する必要があり、一度登録したらそのRD(その個体)でしか再生できないのだ。
いま、あなたがRD-X9を電気屋で買ってきたとしよう。
シリアル番号がX番だったとする。
内蔵HDDがいっぱいになったから、番組をUSB-HDDに逃したいと思ったとする。
その場合、USB-HDDをX番のRD-X9に「登録」する。
そして番組をX番のRD-X9からUSB-HDDに「移動」する。
X番のRD-X9から番組はなくなり、USB-HDDに番組が移動してくる。
ところが、このUSB-HDDの番組は、同じX番のRD-X9でしか再生できないのだ。
他の機器(RD-X10とか、パナソニックの機械であるとか)では再生できないばかりか、同じRD-X9であっても、別の個体(シリアル番号がX番でないもの)では再生できない。
これは東芝のRD-X9(およびRD-X10などのこの時期の東芝製品)独自のプロテクトで、地デジのダビング10規制とは直接関係がない。
自分で録画し、自分で移動したファイルであっても、自由に再生できないのだ。
なぜかはまったく分からない。
さらに、同じX番のRD-X9であっても、再生できなくなる場合がある。
故障した場合だ。
最近のエレクトロニクス製品は非常に集積化されていて、技術者も昔の電気屋のオッサンみたいな技術と気骨を持っている人がいない。
不具合があったら、基板を丸ごと交換して終わりである。
ところが、このUSB-HDDの「登録」情報が、この交換によってすべて失われてしまう。
だから、USB-HDDの2TBに半年間のテレビ番組を全部録画していた場合、全部見られなくなる。
ぼくはRD-X9外付けのUSB-HDD 4本に番組をパンパンに録画しているが(2年分ぐらい?)、もしX9を修理すると、これらが全部見られなくなる。
ニワカには信じられない、奇怪千万な話だが、本当の話である。
ぼくに起こった不幸は、不幸中の幸い、マザーボードが壊れたというものではなく、HDD 4本のうち1本が「なぜか」見られなくなったというものだった。
そのUSBを接続して起動しても、エラーメッセージは表示されない。
登録されていないHDDを接続して起動した場合は「当機に登録されたHDDではありません」というメッセージが表示されるので、登録自体は認識しているというものだろう。
しかし、さあHDDの中身を見ようと思って「見るナビ」を起動しても「表示する内容がありません」と言われる。
東芝RDのHDDはUDFというファイルシステムで、Linuxからであれば中身が見える。
(サポセンの姉ちゃんもパソコンで中身が見えますか、と言っていたので、中身を見るだけなら違法ではないようだ)
ThinkPadにUbuntuを入れてマウントしてみると、ちゃんと2TBパンパンのファイルが見える。
しかるに、RDでは見られないのである。
他のHDD(3本)は今のところ見られるが、いつ突然見られなくなるかも分からないし、他の機械にも移せない。
RD-X9はリモコンの裏側にサポセンのフリーダイヤル番号がデカデカとプリントされている。
いつでも電話して来いや! という気概が感じられて好ましい。
だが電話を掛けてもまったく役に立たない。
認識しなかったら修理になります、修理したら見られなくなります、と言う。
この理屈おかしくないか?
医者に言って「最近物忘れがひどいんですが」と言うと「脳みそ全部取り替えたら完璧に治ります。ただし生まれてからの記憶は全部なくなります」と言うようなものだ。
そもそも余計なプロテクトを掛けるからいけないのである。
あまりにもぼくが納得しないので、サポセンの姉ちゃんが修理センターの人を手配した。
この修理センターの人が約束した日の朝にうちに来る時間を調整しに電話してきたが(10時に電話してくる約束だったのに8時に電話してきた。迷惑だ)、いろいろ話をして、結局この修理センターの人は基板を交換する以外のソリューションを持ち合わせていない、ということが判明した。
サービスマンはやってくるだけで4千円取るという話なので、お断りした。
細かいやりとりでおかしなところはいろいろあったのだが、思い出すだにはらわたが煮えくり返るので略す。
ということで結局、HDDまるごと1台分の番組が見られなくなってしまった。
何らかの魔法のような技術で復旧出来る日がくるかもしれないので、死んだ子供の遺体を冷蔵保存するような気持ちでHDDを保存している。
そして、もう番組を録画しなくなった、壊れかけのRD-X9は家に置いてある。
残りのHDD 3本分の番組を見るためである。
東芝のRDシリーズを使う限り(操作に慣れているので、他機種への乗り換えは今のところ考えていない)、乗り換えるたびにビデオデッキが増える。
以前録画した番組を再生するだけのために、ビデオデッキをコレクションしなければいけない。
さすがにそれは無理筋だと東芝も気づいたのか(あまりにも多い苦情に根負けしたのか)、最近の機種ではSeeQvault(TM)という規格に応じたHDDであれば、最近の機種間では挿し替え自由になったそうだ。
「東芝の技術で挿し替えが自由になった! スゴい!」的な広告を打っていてムカつく。
そもそも自社の都合で付けていた余計な規制を緩和しただけの話で、「いままでスミマセンでした」と謝ることではあっても、自慢することではない。
しかも過去機種で録画したコンテンツの救済措置はないわけである。
どうにかして欲しい。