今日(2015-04-24)は一日じゅう、ちょっとぼうっとするたびに「AppleWatchかぁ。。」と思い始め、その2秒後に「いや別に欲しくないしお金ないし買わないし」と思う、というループにハマっている。
だからここで買わない、と、インターネットで世界に宣言しておく。
買いません。

それはさておき、AppleからiTunes Match使用料の引き落としがもうすぐ来るからよろしくね、というメールが来た。
そうですか。
年に4千円弱である。

Streichholz
iTunes Matchというのは、すべての音楽をクラウドにアげてそれを聴くというサーヴィスだ。
自分が持っている全部のCDをAppleの、カリフォルニアのどっかにあるサーバーにアげている。
聴くときは携帯回線かWiFiでダウンロードして聴く。
この使用料が年に4千円。

ここ数年のApple製品は、ここが不満だ、ここが難点だというのがほとんどなくて、「すごいなーApple」、「すごいなあ時代」と思うだけだった。
しかしiTunes Matchに関しては、最初からいろいろ不満が続出した。

まず、使いはじめに手持ちのCDを上げるのにものすごい時間が掛かり、失敗が連続した。
同様の怨嗟の声がネット中に沸き起こり、こうすればいい、ああすれば治るというベストプラクティス、バッドノウハウが満ち溢れた。
結局数日掛かってアげられるものがアげ、残りは諦めた。
あれはなかなか時間を食われた。

でも一旦それを過ぎてしまえば、今までにない体験が待っている。
手持ちのiPhone、iPad、Macで同じ音楽が聞ける。
ローカルのストレージの容量を食わずに、大変な枚数のCDが聴ける。
iPhoneを落として壊しても、新品に交換してもらって持って帰る最中にもう同期して自分のライブラリーが聴ける。
マイルスのブートとか、落語とか、英会話の教材とか、超・プライベートな好みのライブラリーを、とてもDAPに入れられない量を持ち歩けるのは愉快この上ない。
住所録やメールがクラウド化したときも感動したが、音楽がクラウド化するとは思っていなかったし、ここまで楽しいとは思っていなかった。

昔からAudioGalaxyとか、なんとかメディア(名前忘れた)とか、BuffaloのNASとかを使って、自分ちのパソコンの音楽を世界に公開するという仕組みはあったが、いまいち使いづらかったし、すぐに大企業に買収されて潰されてしまっていた。
iTunes MatchはApple公式だけあってさすがに安定しているし、日本の著作権業者が気が狂ってつぶしに来るかと恐れていたがそこは世界に冠たるオシャレ企業Appleのサービスということで今のところ潰れてない。
まずまずめでたい。

新しいCDを買ったり、音源を手に入れたりするたびに、iTunes Matchサーバーにアげる。
これが面倒かと思っていたが、そうでもない。
立ち上げ当初は不具合が多発していたが、安定してきた。
昔はパソコンに取り込んでiPodに入れるのも面倒だったのだが、それよりも手軽だ。
いちいちiPhoneをパソコンに繋げなくても良くなったのがうれしい。

じゃあ不満はないかというと、ある。

まず、パソコンでiTunesを起動するときに、一瞬待たされる。
iTunes Matchサーバーの情報を同期しにいくのである。
基本iPhoneは立ち上げっぱなし、ミュージックアプリも起動しっぱなしだからこの手間は、ない。
でもパソコン(Windows)はHDDがウンウン言っているのもコワいので一応夜寝るときに切って、朝起きたら起動しているから、iTunesは切れているのだ。

音楽というのはさあ聴こうと思うときに聴けないとイライラする。
iTunesをさあ起動するぞと思ったら「iTunes Matchサーバーと同期しています」とか言われるのは腹が立つものだ。
ここは改善してもらいたい。
(と、ここまで書いて気づいたが、スタートアップに入れておけばいいのか。うーん)

これ、近年パソコンを使うあらゆることに共通して起こる現象だ。
ちょっといいことを思いついてブラウザーを起動したら「フラッシュをアップデートしますか」とか言われる。
「はい」というと「ブラウザーを閉じて下さい」「再起動して下さい」「一緒にマカフィーのセキュリティソフトも入れませんか」とか言われる。
全部終わった頃には、最初に何をしようとしていたのか忘れているのである。
便利になるって不便なことなんだなあ、などと、ベタな感想を持つ。

閑話休題、iTunes Matchに戻るが、他にも色々と不満がある。
携帯で外出しているときに、電波がないと音楽が聞けなくなるのである。
東横線に乗っていて田園調布を通過するときに音楽が聞きたくなったら最悪である。
田園調布っていつまで経っても電波が良くならないなあ。
iPhoneは(どのDAPでもそうだと思うが)ある程度音楽をキャッシングするので、ある程度電波のいいところで何曲か聴いていると調子が出てくるのだが、運が悪いとブツブツ切れる。
特にぼくは最近IIJMIOの激安SIMでTwitterしかしないときは200MBpsで節約する、などというチマチマしたことをやっているが、200MBpsだと電車の中で本当に音楽が聴けなくなる。
だから最近はIIJMIOを普段からLTE全開にしているが、4月から月に3GB使えるようになったし、ぼくは家に引き篭もっているので普段はWiFiを使うのでそれほどこの問題に悩まされなくなった。
しかし、いざ電波がない地方などを旅行するときに、電波がないと音楽が聴けないのは困る。
ある程度聴きたい音楽は前もってローカルに保存しておくのも必要である。

Appleのサーバーはめったに落ちないが、たまに落ちる。
落ちた時の被害が甚大である。
まず、iPhoneが悪いのか、docomoが悪いのか、IIJmioが悪いのか、Appleが悪いのか、生まれた時代が悪いのか、それとも俺が悪いのか、状況の切り分けが難しいのである。
まあ何でもネット、何でもクラウドという今の時代の問題点だ。
Appleのサーバーは問題が報告されている状況を世界地図で表示するというファンシーな機能があって、それを見ると状況がある程度把握できてすばらしいのだが、それを見るためにはネットが必要なのである。
Appleのサポセンは残念な人の集まりであって、自分のサーバーがコケていることも認識していないことが多く、過去1年に2回ほどブチ切れた。
これも何とかして欲しい。

ということで、灰色の結論だが、不満はあるものの、もう離れられない。
いちいちiPhoneの中身を管理し、あれは入ってないとか出先で思う生活には戻れない、と思う。

この、一度使い出したらもう戻れないという感覚が逆に恐ろしい気もする。
アメリカのサーバーなんかに音楽を預けて、インターネットと携帯の電波を使って聴く。
恐ろしいほどハイテクだし、いろいろな人の世話になっている。
こういうことに依存した生活というのが、ちょっとどうよ、と、たまに電波が悪いところにいたり、Appleのサーバーが落ちていたりすると思う。