昨日の本ブログに大層はずかしい言葉の使い間違いがあったようで、ツイッターでご教示いただき、早速直しました。
ありがとうございます。
どこをどう直したかは恥ずかしいから言わない。

最近自宅で仕事をするとき、テンションを上げる方法として、スタンディングデスクを取り入れようと思った。
スタンディングデスク、それは、座らずに立って作業をするデスクのことだ。

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なぜわざわざそんな辛いことを、と思われるかもしれないが、以下の様な利点があるらしい。
 ・座りっぱなしは体に悪い
 ・立っている方がむしろ姿勢がいい
 ・眠くならない
 ・体が鍛えられる
 ・痩せる
へぇー。

ぼくは昔、1995年ごろ自主的にこの姿勢を取り入れていた。
最初の本を書いていた頃である。
当時はノートパソコンを使って文章を書くのが楽しくてしょうがなかったので、いろいろな姿勢で作業をすれば疲れないと思っていたのだ。
ある程度デスクで作業したら、ある程度うつぶせ寝で作業をする。
ある程度あおむけ寝で(おなかにパソコンを載せて)作業したら、ある程度こたつで作業をする。
(注意!うつぶせ寝、あおむけ寝でパソコンを使うのはすごく体によくありません)
その中でも、立って作業をするのは具合が良かった。
当時は本棚にノートパソコンを置いてやっていた。
でも、そのうち元気がなくなってやめていた。

でも、最近これがまたブームになってきたらしい。
「スタンディングデスク」で検索すると、いろいろな例が出てくる。
小説家のヘミングウェイもやっていたそうだ。
彼の場合はタイプライターであろう。

ということで、やってみた。
最初は辛いが、2週間もやっていると慣れてくるという。
まずキーボードの高さとモニターの位置を決める。
キーボードは立った時に自然に肘を90度曲げて、いわゆる小さく前に倣えのポーズにする。
モニターはそのまま、真正面を見ているサイズにする。
座って作業をするときはキーボードとモニターを同じ平面に並べることが多いが、モニターをはるかに高くするのがポイントである。
身長から適正な高さを計算するサイトがある。

Ergonomic Workspace Planner, Workstation Installation Tool

ぼくは昼間眠くなるので、気分転換にやってみることにした。

いきなり市販品のスタンディングデスクを買うのは相当の冒険であるから、机の上に適当なものを置いて高さを調整することにする。
家の中にめちゃめちゃちょうどいいものがあって、それは押入れの収納ボックスであった。
いずれ何か入れようと思って、空っぽにしているのをいくつか組み合わせるとぴったりだったのだ。

使ってみると、予想以上に調子がいい。
ちょうど腕を90度曲げたところにキーボードがあり、目の前に画面があるので、体のどこにも力が入っていない。
(まあ、立っているので全身に力が入っているのだが)
頭と体を同時に使っている爽快感がある。
デスクワークは頭と目と手ばっかり使っていて、体の他の部分は全然使わない。
だから偏って疲れる。
体はまだ元気いっぱいなのに、目と頭が以上に疲れる。
これが辛い。
ランニングに行ったり、ジムに行ったり、プールに行ったりサウナに入ったりするのは、体だけ集中的に使うことで偏りをなくす効用がある。

文章を書いていて集中力がなくなるとか、そういうことはあまりない。
このブログで言うと、退院してから2月の間はほとんど立って書いていた。
むしろ精神的にハイになっていたような気がする。
夜はぐっすり眠れる。
精密機械工場でも立ち仕事だし、アスリートも監督もみんな立っているから、立つと知力が落ちるということはないと思われる。

机の上にボックスを置いて作業をすると、そこに何か入れられるのが楽しい。
辞書とか、別のノートパソコンを入れておける。
これは超便利。
ジムに行かなくても、書きながら運動が出来て、終わったら気分もサッパリ。
これはいいやと思った。

しかし、断念した。
結局5週間ぐらいしか持たなかった。
全身が筋肉痛になり、立ち座りもままならなくなったのだ。
床に落ちているものを拾うのも辛い。
朝ベッドから起きるのも辛いので、ああこれはダメだなと思った。

もっと早くやめた方が良かったけど、やめられなかったのは、やめると「負けた」ような気がするのである。
自分の弱さを認めるような気がする。
だからやめるのも辛かった。
でも、ひとりぼっちの密室で見栄を張っていてもしょうがないので、止めた。

思うのだが、もっと早く、若いうちに、気力体力横溢しているうちに始めていれば良かったと思う。
歳を取って、もう足腰が衰えてから始めても、ダメだ。
ぼくの場合はダメだった。

でも、気分転換になったし、いい経験になった。
立ってパソコンを使うと、効率が上る可能性があるが、自分には無理だったという知見が得られて良かった。
興味がある方はぜひお試しください。

たまに立ったり座ったりするといいのかなとも思ったが、一番苦しいのは移行したてなので、それを繰り返すのもどうかなと思う。
いい面もたくさんあるので、続かなくて残念だ。
本場(?)アメリカでは、トレッドミルデスクと言って、ベルトコンベアーの上を走りながらパソコンを使えるものもあるそうだ。
すげえな。
がんばってください。