1月30日金曜日。
と、言うことで、翌日は便利屋さんに家に入り、CPAPその他、ついでにいろいろ取ってもらうことにした。
最初は大家さんの家族や姉に頼ろうとも思ったのだが、結果的に便利屋さんに頼んで良かった。
思いも寄らないことをプロの仕事でやってもらえたからだ。

CPAP continuous positive airway pressure mask installed
最初、家に侵入してもらうのはダンドリが必要だった。
上の階に住んでいる大家さんに時間を取ってもらい、便利屋さんと時間を合わせて部屋に入ってもらう。
その後いろいろと部屋の中のものを取ってもらって、病院に面会として会いに来てもらう。

午後すぐに、かねて打ち合わせ通りに便利屋さんが携帯に電話してきた。

病院内は携帯禁止、と、建前上はなっているが、結局黙認されている。
今回携帯がないと地獄だった。
医療機器が誤動作する、という話だが、それぐらい克服出来るだろう。

携帯に出ると、鍵を開けてもらってこれから入るところだという。
まず、キッチンに置いてある棚が傾いているので驚いている。

 ―深澤さん、棚が傾いてますよ
 「ああ、それはひっくり返る時に倒しちゃったんだと思います。吉川さん(便利屋さん)が組み立ててくれた突っ張りラックですよ」
 ―そうでしたっけ
 「それ、修理して行ってもらえますか。傾いたままだと曲がっちゃうかもしれないので。天板をネジで上下させるタイプです。ドライバー持ってますか」
 ―ドライバー、車に行かないとないですね
 「じゃあ、いったんぼくの、パソコンのある部屋に行ってください。右側の引き出しをいっぱいに引き出すと、中にドライバーがありませんか」
 ―ああ、ありますねえ
 「それを使って、帰りに修理してもらえますか」
 ―了解です

このへんが部屋が片付いている最近の俺は一味違う。

 「じゃあパソコンを取り外してください。右側の液晶の裏に、スタンドに立っているノートパソコンが、2枚あると思うんですが」
 ―あります。銀色と黒色と
 「その銀色の方を取り外してください。マックです」
 ―マック。確かにアップルですね」
 「回りのケーブルは全部引っこ抜いていいです。右側の黒いのと。左側は上に磁石でくっついてるのがACです。その下の白いのを2個はずしてください」
 ―了解です
 「その本体と、ACアダプター分かりますか。さっき磁石でくっついていた。細いケーブルで、白いアダプターです」
 ―ハイハイ
 「その2つのセットだけでいいです。机の左に黒いプリンターありますか」
 ―あります
 「その奥に、パソコンバッグがあるから、それに詰めてください」

 「次に、ベッドのある部屋に行ってください。ベッドの手前の床に、機械類が転がってます」
 ―あります
 「小さい、四角い、グレーの、丸いボタンがついてるのがシーパップです」
 ―四角いグレーの。丸いボタン。ああこれですね
 「ACアダプターに、ケーブルがついています。本体に行くDCのケーブルと、コンセントに行くACのケーブルがあるから、両方持ってきてください」
 ―ハイハイ
 「透明のパイプの先に、プラスチックのマスクがあります」
 ―マスク。これマスクですか
 「鼻の穴に当てる穴が2個空いてます」
 ―ああホントだ、なるほど
 「マスク、パイプ、本体、ACアダプター、ケーブル2本でセットです。それを持ってきてください」
 ―分かりました

あとは上から羽織るダウンジャケットを持ってきてもらった。

 ―じゃあ棚を修理して向かいます
 「面会時間は14時からです」
 ―だったらジャストに行けます。部屋は
 「14階の1414号室です。イチヨン階のイチヨンイチヨン号室に、イチヨン時に」
 ―アハハ。じゃあ伺います

ということだった。

14時に、便利屋さんが来て、パソコンと、CPAPを置いていってくれた。
いろいろ雑談した。

便利屋さんも入院したことがあるそうだ。
脚立から落ちて、尻もちをついて、お尻の筋肉が断裂して2週間入院したという。
とにかく退屈でまいったと言っていた。
最近健康診断したら高脂血症だと言われたとのことだ。

 ―そんな、吉川さん痩せてるのに
 「いやあ、隠れ肥満なんですよ」
 ―そんなに高いところに登ったり、降りたり、重たいものを持ったりしてても、肥満になりますか
 「ううん、最近は営業ばっかりやってるからかなあ」

だそうだ。
ひさびさに他人と話して楽しい時間を過ごした。
その節はお世話になりました。

早速パソコンを使ってみたが、頭が痛いので早々に使うのをやめた。
いよいよ夜はCPAPを使ってみることにする。