海外旅行には出張でしか行ったことがない。
行けば楽しいのだが、不精なので自分からは行かないのだ。
アメリカに2回と、台湾に1回、そしてスペインに1回行った。
どれもそれなりに楽しかったので、思い出を書き留めておこうと思う。
(写真は記事と関係ありません。)
行けば楽しいのだが、不精なので自分からは行かないのだ。
アメリカに2回と、台湾に1回、そしてスペインに1回行った。
どれもそれなりに楽しかったので、思い出を書き留めておこうと思う。
(写真は記事と関係ありません。)
2011年の12月にスペインに行った。
マドリードのオフィスにフランス、ドイツ、ポーランド、中国、台湾、そして日本の代表各一名が集まってミーティングした。
期間は1週間だ。
ぼくたちが行動していたのはビジネス街というか新市街で、殺風景なビルが多かった。
治安が悪いという話だったが、ゴロツキとか別に会わなかった。
それよりも危険だったのが、夜道が暗いことだ。
2011年は震災の影響で、日本は節電で暗いとか言っていたが、欧米の人は「日本は元が明るすぎる」、「これぐらいでちょうどいい」、「まだ明るい」と言っていたが、その意味が分かった。
マドリードはとりあえず街灯が少ない。
震災後の日本の3分の1ぐらいだろうか。
そして、立派な街路樹の根本が、10センチほども深く掘ってある。
気をつけていないと脚を踏み入れて転んでしまう。
で、犬を散歩させる人が、そのへんに糞便を垂れさせている。
ドイツの人が「landmine(地雷)」と言っていたのがおかしかった。
ある夜、中国、台湾、そして日本のぼくのズッコケ3人組で食事に行った。
ぼくたちはあまり英語がしゃべれないし、現地の習慣も分からないので戸惑うことが多かった。
結構高級なレストランを攻めてみることにした。
ある店に行くと、口ひげをピンと伸ばしたダンディな男が出てきて、夜は9時からだからまだやってない、と言った。
時計を見ると8時半だ。
スペインのレストランは夜が遅い。
9時開店で、10時、11時になってもバンバン家族連れが入ってくる。
仕方ないので、ズッコケ3人組は別の店に行った。
店と店の間隔が長い。
15分ほども歩いて別の店に着いたが、うちは9時半からだ、と言われる。
ちょっとゲンナリした。
それで、さっきの店に引き返せばちょうど9時だから一番客になる、と言うことになった。
またテクテク15分歩いた。
いい運動で、お腹はペコペコだ。
で、さっきの店に行くと、別の背の低いウェイターが出てきて、今日はパーティで貸し切りだから入れない、と言った。
なんだよそれ!
でも店とケンカしてもしょうがないので、どうする、という感じで顔を見合わせていると、すごい勢いでさっきのダンディな男が飛んできて、早口のスペイン語で背の低い男に何か言った。
背の低い男も何か言い返していたが、ダンディな男の方が階級が上らしく、背の低い男は首をすくめて(本当に「首をすくめる」というゼスチャーをしていた)店の中に入っていった。
で、ダンディな男が「君たちはいいんだ。失礼した。本当に帰ってきてくれるなんてうれしいよ。奥のテーブルを開けたから座ってくれ」と言った。
ほどなく大変盛大なパーティが始まったが、我々の席は奥まったところにあって、騒音は特に気にならなかった。
なにしろ歩き疲れて、やっと座れたので、ビールを飲んで、ワインも飲んで、盛り上がった。
そこはスペイン料理ではなくてイタリア料理だった。
結構年配のウェイトレスさんがうちのテーブルの世話を焼いてくれたのだが、年配なのに三つ編みをしていて、大変かわいらしい感じだった。
こういう、年齢を気にしない感じが欧米人の美風だと思う。
彼女はイタリア人らしく、「ブオーノ?」とか、「ボナペティ?」とか聞いてくるのが楽しかった。
満腹になったので、彼女を呼んで、会計を頼んだ。
すると、例のダンディな男が飛んできて「いや、会計は必要ないんだ」と言う。
何か勘違いしているのかと思って、何回も聞き返したが、「君たちはぼくのおごりだ。うちの店を気に入って、わざわざ歩きまわって来てくれたから、ごちそうするんだ。またマドリードに来たら寄ってくれ。本当にありがとう」的なことを言う。
驚いた!!!
翌日、スペインオフィスのマネージャーに、昨日はどうしたんだと聞かれて、この話をした。
「スペインの人は本当に優しいんだね。感動した」
と言うと
「うーん。俺はスペインに50年も住んでいるけど、そんなことは一度も見たことも聞いたこともないよ!」
と言って笑った。
考えると、たぶんパーティで大変儲かっていたので、我々の会計は誤差の範囲内だったんだろう。
観光客まるだしであったから、マドリードに悪い印象を持って欲しくないし、宣伝にもなると思ったのではないか。
じっさいうれしかったし、ほうぼうでこの話をしているし、今はブログにこうやって書いているわけだ。
店の名前こそ忘れてしまったが。
マドリードのオフィスにフランス、ドイツ、ポーランド、中国、台湾、そして日本の代表各一名が集まってミーティングした。
期間は1週間だ。
ぼくたちが行動していたのはビジネス街というか新市街で、殺風景なビルが多かった。
治安が悪いという話だったが、ゴロツキとか別に会わなかった。
それよりも危険だったのが、夜道が暗いことだ。
2011年は震災の影響で、日本は節電で暗いとか言っていたが、欧米の人は「日本は元が明るすぎる」、「これぐらいでちょうどいい」、「まだ明るい」と言っていたが、その意味が分かった。
マドリードはとりあえず街灯が少ない。
震災後の日本の3分の1ぐらいだろうか。
そして、立派な街路樹の根本が、10センチほども深く掘ってある。
気をつけていないと脚を踏み入れて転んでしまう。
で、犬を散歩させる人が、そのへんに糞便を垂れさせている。
ドイツの人が「landmine(地雷)」と言っていたのがおかしかった。
ある夜、中国、台湾、そして日本のぼくのズッコケ3人組で食事に行った。
ぼくたちはあまり英語がしゃべれないし、現地の習慣も分からないので戸惑うことが多かった。
結構高級なレストランを攻めてみることにした。
ある店に行くと、口ひげをピンと伸ばしたダンディな男が出てきて、夜は9時からだからまだやってない、と言った。
時計を見ると8時半だ。
スペインのレストランは夜が遅い。
9時開店で、10時、11時になってもバンバン家族連れが入ってくる。
仕方ないので、ズッコケ3人組は別の店に行った。
店と店の間隔が長い。
15分ほども歩いて別の店に着いたが、うちは9時半からだ、と言われる。
ちょっとゲンナリした。
それで、さっきの店に引き返せばちょうど9時だから一番客になる、と言うことになった。
またテクテク15分歩いた。
いい運動で、お腹はペコペコだ。
で、さっきの店に行くと、別の背の低いウェイターが出てきて、今日はパーティで貸し切りだから入れない、と言った。
なんだよそれ!
でも店とケンカしてもしょうがないので、どうする、という感じで顔を見合わせていると、すごい勢いでさっきのダンディな男が飛んできて、早口のスペイン語で背の低い男に何か言った。
背の低い男も何か言い返していたが、ダンディな男の方が階級が上らしく、背の低い男は首をすくめて(本当に「首をすくめる」というゼスチャーをしていた)店の中に入っていった。
で、ダンディな男が「君たちはいいんだ。失礼した。本当に帰ってきてくれるなんてうれしいよ。奥のテーブルを開けたから座ってくれ」と言った。
ほどなく大変盛大なパーティが始まったが、我々の席は奥まったところにあって、騒音は特に気にならなかった。
なにしろ歩き疲れて、やっと座れたので、ビールを飲んで、ワインも飲んで、盛り上がった。
そこはスペイン料理ではなくてイタリア料理だった。
結構年配のウェイトレスさんがうちのテーブルの世話を焼いてくれたのだが、年配なのに三つ編みをしていて、大変かわいらしい感じだった。
こういう、年齢を気にしない感じが欧米人の美風だと思う。
彼女はイタリア人らしく、「ブオーノ?」とか、「ボナペティ?」とか聞いてくるのが楽しかった。
満腹になったので、彼女を呼んで、会計を頼んだ。
すると、例のダンディな男が飛んできて「いや、会計は必要ないんだ」と言う。
何か勘違いしているのかと思って、何回も聞き返したが、「君たちはぼくのおごりだ。うちの店を気に入って、わざわざ歩きまわって来てくれたから、ごちそうするんだ。またマドリードに来たら寄ってくれ。本当にありがとう」的なことを言う。
驚いた!!!
翌日、スペインオフィスのマネージャーに、昨日はどうしたんだと聞かれて、この話をした。
「スペインの人は本当に優しいんだね。感動した」
と言うと
「うーん。俺はスペインに50年も住んでいるけど、そんなことは一度も見たことも聞いたこともないよ!」
と言って笑った。
考えると、たぶんパーティで大変儲かっていたので、我々の会計は誤差の範囲内だったんだろう。
観光客まるだしであったから、マドリードに悪い印象を持って欲しくないし、宣伝にもなると思ったのではないか。
じっさいうれしかったし、ほうぼうでこの話をしているし、今はブログにこうやって書いているわけだ。
店の名前こそ忘れてしまったが。