先日とあるセミナーで、寺尾朱織(てらお・かおり)さんという方と知り合った。
懇親会で近所の席だった。
彼女もぼくと同じ兼業ライターで、著書があるという話だったので、お話を聞いて盛り上がった。
懇親会で近所の席だった。
彼女もぼくと同じ兼業ライターで、著書があるという話だったので、お話を聞いて盛り上がった。
お話がとても面白かったので、さっそく本を購入して読んでみた。
以下はその書評である。
これは、100%オーガニックフードというものを唱導されているジョン・ムーアさんという方の主張、哲学をまとめたものだ。
コンパクトなサイズの中に、オーガニックフードという考え方をジョン・ムーアさんの視点を通してまとめている。
特に面白かったのがコンパニオン・プラントという考え方だ。
無農薬で野菜を作るとどうしようもなく病害虫がやられる。
単一の作物を広範囲に植えるということじたい不自然なことであるので、病害虫が異常に発生していっぺんに作物が被害に合うのも当然だ。
そこで、病害虫を避けてくれる、ハーブのような作物を隣り合わせて植える、という。
たとえばりんごの周りににんにくを植えるといいという。
これは合理的な考え方であって、もっと詳細な科学的研究成果、エビデンスが知りたいと思った。
オーガニックのやり方と、現在主流の農業を比較すると分かるのは、現在の世界や、日本の食料事情が抱える問題点である。
日本はとかく食料自給率が低いと言われる。
しかし日本人はものすごく食べ残しの廃棄率が多いそうだ。
輸入してまで食べ残している。
この廃棄は地(じ)のもの、旬(しゅん)のものを食べることで減らせる。
こう考えると、特に変わった考え方を新しく取り入れるのではなく、現在の、不自然な、不合理的な考えを無理なく直すことが必要だということだろう。
現在日本は毎年大量の種をアメリカの穀物メジャーから買い付けている。
なぜかというとそういう種は、F1(first filial generation、雑種第一代)という技術を使って作られており、次の世代の種が生えないようになっているからだ。
だから毎年買わなければならない。
これは食料自給率以前の問題であるように思われる。
毎年作物はとれるのだから、その作物から次の世代の種を取りたい。
感傷的な言い方をするようだが、植物はそのために生えているのである。
ムーア氏はシード・コモンズ、フード・コモンズという団体を組織し、種と食物を共有しようとしているという。
これはコンピューターの世界のフリー・ソフトウェア運動やWikipediaのような活動と通底する。
独占されるのは危険なことだ。
大きな話だけではなく、「ペットボトルで大根を作れる」。「卵のパックがプランターになる」という興味深いエピソードも紹介されている。
刺激的な内容で、面白かった。
ご一読をおすすめする。
以下はその書評である。
これは、100%オーガニックフードというものを唱導されているジョン・ムーアさんという方の主張、哲学をまとめたものだ。
コンパクトなサイズの中に、オーガニックフードという考え方をジョン・ムーアさんの視点を通してまとめている。
特に面白かったのがコンパニオン・プラントという考え方だ。
無農薬で野菜を作るとどうしようもなく病害虫がやられる。
単一の作物を広範囲に植えるということじたい不自然なことであるので、病害虫が異常に発生していっぺんに作物が被害に合うのも当然だ。
そこで、病害虫を避けてくれる、ハーブのような作物を隣り合わせて植える、という。
たとえばりんごの周りににんにくを植えるといいという。
これは合理的な考え方であって、もっと詳細な科学的研究成果、エビデンスが知りたいと思った。
オーガニックのやり方と、現在主流の農業を比較すると分かるのは、現在の世界や、日本の食料事情が抱える問題点である。
日本はとかく食料自給率が低いと言われる。
しかし日本人はものすごく食べ残しの廃棄率が多いそうだ。
輸入してまで食べ残している。
この廃棄は地(じ)のもの、旬(しゅん)のものを食べることで減らせる。
こう考えると、特に変わった考え方を新しく取り入れるのではなく、現在の、不自然な、不合理的な考えを無理なく直すことが必要だということだろう。
現在日本は毎年大量の種をアメリカの穀物メジャーから買い付けている。
なぜかというとそういう種は、F1(first filial generation、雑種第一代)という技術を使って作られており、次の世代の種が生えないようになっているからだ。
だから毎年買わなければならない。
これは食料自給率以前の問題であるように思われる。
毎年作物はとれるのだから、その作物から次の世代の種を取りたい。
感傷的な言い方をするようだが、植物はそのために生えているのである。
ムーア氏はシード・コモンズ、フード・コモンズという団体を組織し、種と食物を共有しようとしているという。
これはコンピューターの世界のフリー・ソフトウェア運動やWikipediaのような活動と通底する。
独占されるのは危険なことだ。
大きな話だけではなく、「ペットボトルで大根を作れる」。「卵のパックがプランターになる」という興味深いエピソードも紹介されている。
刺激的な内容で、面白かった。
ご一読をおすすめする。
