【第10n+6回】は本来 【世相をなで斬りする】【思い出・雑記】のいずれかを書く日だが、来週の月曜と入れ替えて、記憶が新しいところでこっちを書いておこうと思う。
8月24日、ベルサール渋谷ファーストで開かれたブロガーサミット2013に行って来た。
8月24日、ベルサール渋谷ファーストで開かれたブロガーサミット2013に行って来た。
なにしろ、お金が掛かったイベントだった。
会場は1000人がガッと座れる机があって、正面に巨大スクリーンがあり、フリードリンクが振舞われた。
それと、ガッとパネルディスカッションが長かった。
1時から7時まで!
6時間で休憩は2回。
パネルディスカッションは、ブログ界の重鎮らしい皆さんが出てきた。
最初の方のセッションでいくつか違和感があったが、それはターミノロジーの違いに発するものだ。
「しょこたんぶろぐはブログなんでしょうかねえ」
「あれはツイッターで出来ることじゃないか」
「アメブロをブログに入れていいのか論はありますね」
という話があった。
ぼくはしょこたんぶろぐはブログだと思っていた。
木星のいつくしみ|中川翔子 オフィシャルブログ Powered by Ameba
「メディアはメディアで出来ることがある」
「ブログとメディアの区別がつかなくなってきた」
という発言もあった。
えっ、ブログってメディアじゃなかったの?
メディア(media)は英語としてはmediumの複数形であって、何かと何かの間にあるもの、というぐらいの意味だ。
ポテトで言うとスモール(S)とラージ(L)の間にあるのがミディアム(M)。
ビーフステーキで言うとレアとウェルダンの間にあるのがミディアム(M)。
でも狭義には媒体という意味で、2つのパソコンや人間の間で、情報を媒介するものだと思っていた。
USBメモリもメディア。
Webもメディア。
SNSもメディア。
新聞テレビもとうぜんメディア。(区別するとしたら、マスメディア)
とうぜんブログもメディアだと思っていたのだ。
でもそうじゃないらしい。
「ブログはメディアへの脅威ではない」と言うからには、どうやら、「マスメディア」の略語として「メディア」と言っているらしい。
これって一般的な用語法であろうか。
ぼくはかなり違和感がある。
「ウィキペディア」を略して「ウィキ」というのもかなり違和感があるが、それよりもっと違和感がある。
まあ、「しょこたんぶろぐを含まない、何か別のもの」として「ブログ」を捉え、それと対置する存在として「メディア」という言葉を使う人がいる、そういう人が集まったイベントということだろう。
でも、この用語法は、パネリストの間で一般的なのだろうか。
それとも会場参加者1000人の間で一般的なのだろうか。
(ここまで書いていて、バズるっていう今様の用語法を理解して使えているか急に不安になってきたが)
「ちょっと何かいいものを紹介するとすぐステマって言われる。なんにも紹介できない」的な発言があった。
本当?
404 Blog Not Found:$this->get if $you->learn(slow) - 書評 - すぐわかるオブジェクト指向Perl
上のリンクでDan Kogaiさんは拙著を推奨してくださっている。
で、ぼくが献本したことも明言し、Amazonの書影付きリンクを貼って、ここから買うといい!と書いてくださっているのである。
こういうのをステマと言う人もいないだろう。
ステマとはこういうのだ。
酵素|久住小春オフィシャルブログ「Koharu」Powered by Ameba
ぼくは久住小春ちゃんが大好きだったからこの記事が出たときはショックだった。
(まあここまでくるとステマじゃなくてアカラサマという気もするが・・・)
要するに「生産者から利益を供与される」「宣伝を隠して宣伝をする」「必要以上に褒める」、つまり偽ってするからステマ、ということでいいんじゃないだろうか。
本を読んで、面白かったから紹介したらステマといわれるなんて、考えられない。
会場の内外のツイートで、「俺はブロガーじゃない」、「ブロガーなんて呼ばれたくない」という意見もあった。
これは途中で司会の徳力さんも「ここで言うブロガーとはブログを書く人という普通の意味です」と軌道修正を掛けようとしていたけど、なかなかうまくいかなかったようだ。
さて、あなたはどういうつもりでブログを書いているだろうか。
パネラーとしては、なんとなくの印象では
・沢山の人に見てもらう(PVを上げる)
・収入を得る(マネタイズする)
・影響力を持つ
のが「あがり」で、会場のみなさんも紆余曲折はありつつも傾向としてはそれに向かって邁進しているという感じがあった。
当然「それだけじゃないんだよ」というエクスキューズが随時入るわけだけど、そういう傾向性はどうしようもなく感じた。
というのは、パネラーが、そうやって成功した人(言うところのプロプロガー)に偏っているからだろう。
ぼくは、ブログでお金を稼ぐことにやぶさかでない。
たまに面白いことを書くこともあるだろうから、感動して急にお金を送ってくれる人がいたら、全然抵抗なく受け取る自信がある。
でも、普通に考えて、ブログで食うのはなまじっかな努力では無理だと思うし、それを意識したらブログが例のああいう感じになると思う。
それは現状ではイヤだ。
ぼくも人並みに沢山の人には見てもらいたいし、影響力は得たい。
でも、それよりも、ぼくは、好みが合う人に見つけ出して読んでもらいたい。
いわゆるコミュニケーションのロングテールを期待している。
ぼくの好みはそうとうマイナーだし、書いていることが万人に面白いとも思えない。
でも、共感してくれる人も、日本中探せば1万人ぐらいはいるんじゃないだろうか。
それはちょっと自分を高く評価しすぎか。
まあ、1千人ぐらいはいるんじゃないだろうか。
もっと少ないような気もするけど、1千人はいるという前提で話を進めていいですか。
で、ぼくはコミュ障だし出不精だから、そういう1千人の人と出会うのは不可能である。
でも、ブログであれば見つけてもらえる可能性が高い。
そう思って書いている。
後半は結構各論が多くて、面白い発言も多かったのだが、なにしろ長丁場であって、こっちがだらけてしまって、ツイッターでこそこそ「ブロガーサミット大喜利」をしていた。
それはそれで楽しかったのだが、じつは後半の方に、イイ話、刺さる話が結構あった。
まず、「のまのしわざ」というブログを開設されている野間さんが、「ミニ四駆の話を書いたらPVが如実に下がった。めげずに書いてたら新しい読者が増えた。半年は孤独だった」とおっしゃっていた。
[の] のまのしわざ
また、もう1つ「みたいもん!」のいしたにまさきさんの発言で「自分はカバンが好きなんて知らなかった。でもカバンを作ってくれる話があって、やってるうちに自分がカバンがすごく好きだということが分かった」というものだ。
[mi]みたいもん!
司会の徳力さんもおっしゃっていたが、この2つは、まったく逆の現象である。
好きなことを、信じて、書き続けていたら、そのうち、当たった。
なんとなく書いていたら、好きなことが、分かった。
確かに逆方向だけど、同じような人が、同じ山頂に別ルートから到達したような感じだ。
いしたにさんが、「人は自分が好きだというものを、好きと思い込んでいる場合が多い」と言うのも印象に残った。
これも最近強く感じる。
たとえばスマートフォンやライフハックスなど、流行りものに試してハマるのはいいけれども、合ってないのに意固地になって続けるのはコストが掛かりすぎる。
結局「I know what I like」自分が好きなもの、自分の価値観に早く気づき、その価値観に沿った情報を集め、自分でも発信する、そのツールにブログを使うべき、ということだと思う。
ぼくがガッツリブログにハマったのは、睡眠時無呼吸症候群の患者のブログ群に出会ったことだ。
「病気」の情報は、インターネットにあふれているが、信用出来ない。
特定の療法に誘導するものが多いのである。
しかし、数多くの同病の患者さんのブログを見て、ぼくは指針を見出すことができ、勇気付けられた。
なにしろ、CPAPをバッテリー駆動してバイクでツーリングに行く人もいたのである。
CPAP持参のキャンプツーリング: 私は睡眠時無呼吸症候群
ぼくにとってのブログの意味は、ことさらに面白いことを書くことでも、PVを増やすことでも、マネタイズすることでもなく、今の自分に必要な情報を共有することだ。
こっちの使い方の方が(優劣をつける必要もないが)メジャーじゃないだろうか。
まあ、普段あんまり考えないことをいろいろ考えたので、行って良かったとは思う。
会場は1000人がガッと座れる机があって、正面に巨大スクリーンがあり、フリードリンクが振舞われた。
それと、ガッとパネルディスカッションが長かった。
1時から7時まで!
6時間で休憩は2回。
パネルディスカッションは、ブログ界の重鎮らしい皆さんが出てきた。
最初の方のセッションでいくつか違和感があったが、それはターミノロジーの違いに発するものだ。
ブログってなに
最初にブログの歴史を振り返るセッションがあって「しょこたんぶろぐはブログなんでしょうかねえ」
「あれはツイッターで出来ることじゃないか」
「アメブロをブログに入れていいのか論はありますね」
という話があった。
ぼくはしょこたんぶろぐはブログだと思っていた。
木星のいつくしみ|中川翔子 オフィシャルブログ Powered by Ameba
メディアってなに
「ブログはメディアへの脅威ではない」「メディアはメディアで出来ることがある」
「ブログとメディアの区別がつかなくなってきた」
という発言もあった。
えっ、ブログってメディアじゃなかったの?
メディア(media)は英語としてはmediumの複数形であって、何かと何かの間にあるもの、というぐらいの意味だ。
ポテトで言うとスモール(S)とラージ(L)の間にあるのがミディアム(M)。
ビーフステーキで言うとレアとウェルダンの間にあるのがミディアム(M)。
でも狭義には媒体という意味で、2つのパソコンや人間の間で、情報を媒介するものだと思っていた。
USBメモリもメディア。
Webもメディア。
SNSもメディア。
新聞テレビもとうぜんメディア。(区別するとしたら、マスメディア)
とうぜんブログもメディアだと思っていたのだ。
でもそうじゃないらしい。
「ブログはメディアへの脅威ではない」と言うからには、どうやら、「マスメディア」の略語として「メディア」と言っているらしい。
これって一般的な用語法であろうか。
ぼくはかなり違和感がある。
「ウィキペディア」を略して「ウィキ」というのもかなり違和感があるが、それよりもっと違和感がある。
まあ、「しょこたんぶろぐを含まない、何か別のもの」として「ブログ」を捉え、それと対置する存在として「メディア」という言葉を使う人がいる、そういう人が集まったイベントということだろう。
でも、この用語法は、パネリストの間で一般的なのだろうか。
それとも会場参加者1000人の間で一般的なのだろうか。
ステマってなに
パネルディスカッションの中では、ずいぶん「ステマ」と言う言葉がバズっていた。(ここまで書いていて、バズるっていう今様の用語法を理解して使えているか急に不安になってきたが)
「ちょっと何かいいものを紹介するとすぐステマって言われる。なんにも紹介できない」的な発言があった。
本当?
404 Blog Not Found:$this->get if $you->learn(slow) - 書評 - すぐわかるオブジェクト指向Perl
上のリンクでDan Kogaiさんは拙著を推奨してくださっている。
で、ぼくが献本したことも明言し、Amazonの書影付きリンクを貼って、ここから買うといい!と書いてくださっているのである。
こういうのをステマと言う人もいないだろう。
ステマとはこういうのだ。
酵素|久住小春オフィシャルブログ「Koharu」Powered by Ameba
ぼくは久住小春ちゃんが大好きだったからこの記事が出たときはショックだった。
(まあここまでくるとステマじゃなくてアカラサマという気もするが・・・)
要するに「生産者から利益を供与される」「宣伝を隠して宣伝をする」「必要以上に褒める」、つまり偽ってするからステマ、ということでいいんじゃないだろうか。
本を読んで、面白かったから紹介したらステマといわれるなんて、考えられない。
ブロガーってなに
「ブロガー」という用語についても問題になった。会場の内外のツイートで、「俺はブロガーじゃない」、「ブロガーなんて呼ばれたくない」という意見もあった。
これは途中で司会の徳力さんも「ここで言うブロガーとはブログを書く人という普通の意味です」と軌道修正を掛けようとしていたけど、なかなかうまくいかなかったようだ。
さて、あなたはどういうつもりでブログを書いているだろうか。
パネラーとしては、なんとなくの印象では
・沢山の人に見てもらう(PVを上げる)
・収入を得る(マネタイズする)
・影響力を持つ
のが「あがり」で、会場のみなさんも紆余曲折はありつつも傾向としてはそれに向かって邁進しているという感じがあった。
当然「それだけじゃないんだよ」というエクスキューズが随時入るわけだけど、そういう傾向性はどうしようもなく感じた。
というのは、パネラーが、そうやって成功した人(言うところのプロプロガー)に偏っているからだろう。
ぼくは、ブログでお金を稼ぐことにやぶさかでない。
たまに面白いことを書くこともあるだろうから、感動して急にお金を送ってくれる人がいたら、全然抵抗なく受け取る自信がある。
でも、普通に考えて、ブログで食うのはなまじっかな努力では無理だと思うし、それを意識したらブログが例のああいう感じになると思う。
それは現状ではイヤだ。
ぼくも人並みに沢山の人には見てもらいたいし、影響力は得たい。
でも、それよりも、ぼくは、好みが合う人に見つけ出して読んでもらいたい。
いわゆるコミュニケーションのロングテールを期待している。
ぼくの好みはそうとうマイナーだし、書いていることが万人に面白いとも思えない。
でも、共感してくれる人も、日本中探せば1万人ぐらいはいるんじゃないだろうか。
それはちょっと自分を高く評価しすぎか。
まあ、1千人ぐらいはいるんじゃないだろうか。
もっと少ないような気もするけど、1千人はいるという前提で話を進めていいですか。
で、ぼくはコミュ障だし出不精だから、そういう1千人の人と出会うのは不可能である。
でも、ブログであれば見つけてもらえる可能性が高い。
そう思って書いている。
面白い話もあった
ということで、前半あまりにも「ブログとメディアの対峙」「ステマ」「マネタイズ」「PV」という言葉が飛び交って、引いてしまった。後半は結構各論が多くて、面白い発言も多かったのだが、なにしろ長丁場であって、こっちがだらけてしまって、ツイッターでこそこそ「ブロガーサミット大喜利」をしていた。
それはそれで楽しかったのだが、じつは後半の方に、イイ話、刺さる話が結構あった。
まず、「のまのしわざ」というブログを開設されている野間さんが、「ミニ四駆の話を書いたらPVが如実に下がった。めげずに書いてたら新しい読者が増えた。半年は孤独だった」とおっしゃっていた。
[の] のまのしわざ
また、もう1つ「みたいもん!」のいしたにまさきさんの発言で「自分はカバンが好きなんて知らなかった。でもカバンを作ってくれる話があって、やってるうちに自分がカバンがすごく好きだということが分かった」というものだ。
[mi]みたいもん!
司会の徳力さんもおっしゃっていたが、この2つは、まったく逆の現象である。
好きなことを、信じて、書き続けていたら、そのうち、当たった。
なんとなく書いていたら、好きなことが、分かった。
確かに逆方向だけど、同じような人が、同じ山頂に別ルートから到達したような感じだ。
いしたにさんが、「人は自分が好きだというものを、好きと思い込んでいる場合が多い」と言うのも印象に残った。
これも最近強く感じる。
たとえばスマートフォンやライフハックスなど、流行りものに試してハマるのはいいけれども、合ってないのに意固地になって続けるのはコストが掛かりすぎる。
結局「I know what I like」自分が好きなもの、自分の価値観に早く気づき、その価値観に沿った情報を集め、自分でも発信する、そのツールにブログを使うべき、ということだと思う。
総括
ということで、ためになるイベントではあったけど、自分が思うブログ、自分が思うブロガーとはかなりズレているという印象もかなり感じた。ぼくがガッツリブログにハマったのは、睡眠時無呼吸症候群の患者のブログ群に出会ったことだ。
「病気」の情報は、インターネットにあふれているが、信用出来ない。
特定の療法に誘導するものが多いのである。
しかし、数多くの同病の患者さんのブログを見て、ぼくは指針を見出すことができ、勇気付けられた。
なにしろ、CPAPをバッテリー駆動してバイクでツーリングに行く人もいたのである。
CPAP持参のキャンプツーリング: 私は睡眠時無呼吸症候群
ぼくにとってのブログの意味は、ことさらに面白いことを書くことでも、PVを増やすことでも、マネタイズすることでもなく、今の自分に必要な情報を共有することだ。
こっちの使い方の方が(優劣をつける必要もないが)メジャーじゃないだろうか。
まあ、普段あんまり考えないことをいろいろ考えたので、行って良かったとは思う。