こういう話題は宗教論争になりがちだ。
Windows vs. Macとか。
Playstation vs. wiiとか。
AKB48 vs. ハロー!プロジェクトとか。
ネットの掲示板でしょっちゅうぶつかって燃え上がっている。


ぼくも若いころはそれなりに燃え上がるたちだったが、ここ10年ぐらいは参戦していない。
どんなに相手方をディスったところで相手方が消えてなくなることはなく、逆に自分が好きでたまらないものが、単に世間の見る目のなさによって滅びることもそうそうない。
それに、ダサいものがはびこっていても、自分に特に害は及ばないのである。
それぞれ好きにすればよい。
みんながんばれー。

さて、iPhone vs. Androidという話で言えば、特徴的なのは、両方買って日々比べている人はそうそういないと言うことだ。
パソコンやゲーム機であれば、両方買って気分に合わせて使い分けることがままある。
アイドル界で言うところの「DD」(誰でも大好き)というやつであって、ぼくはわりとそうする方だ。

しかしながら、携帯電話は高価で、契約を伴い、番号が付与されているものなので、あまり2個持つ人はいない。
だから、一方を応援している人は、他方のことをあまり知らないでディスっていることが多い。

しかしながら、ぼくは両方持って使い比べている。
具体的にはdocomoのGalaxy Tab初期型と、KDDI/auのiPhone 4Sを両方持っている。
ついでに言うとSoftbankのiPadも持っている。

で、そんなぼくの、2012年2月における意見としては、あまり詳しくない人がどっちにするか相談してきたら、とりあえずiPhoneを勧めるということだ。
これは、良し悪しではない。
Androidは結構面倒で、ユーザーが情強であることが必要なプラットフォームだと思う。

まずハードウェアにボタンが3つついている。
iPhoneは1つ。
これが大きい。
年を取るのは怖いもので、こういうちょっとしたことで非常に戸惑うのである。

で、バージョン/レベルが複雑で、しかもメーカーはなかなかアップグレードしてくれないという事情がある。
最近では、Galaxy SII LTEを絶対買おうと思っていた。
LTEを試したかったのだ。
が、ほとんど同じ時期にGalaxy Nexusが出て、どっちも買う気がなくなってしまった。
NexusはAndroid 4.0でSIIは2.3。
別にどっちがどうと強い思い入れがあるわけではないが、メジャー バージョンが2つ違うとかなりインパクトがある。
かなり迷って、結局面倒になって買わないことにした。
こういうひと多いんじゃないか。

次に、シェル(起動画面)の見た目がメーカーによって異なる。
Sony XperiaやHTC機が強烈である。
ああいうメーカー独自メニューみたいなのがしのぎを削っているのもあまり好きではない。
どれにしようか迷っていると、結局面倒になって買わなくなってしまうのだ。

アプリに関しては、Androidの方が強烈に数が多い。
これは審査が甘いからであろう。
しかしながら、だからこそ、買う方にも見る目が必要になる。
iPhoneが安全安心と言ってるわけではないが、Androidは強烈に色々なアプリがあって、見た目も使い方も品質も一定していない印象が、どうしようもなくある。

そして、スパイウェア的なものが多い。
カレログ、ミログなどである。
これも、使う人がしっかりしていれば情報をいくらでもコントロールできるはずだが、ぼくはしっかりしていない方なので、面倒だ。

ハードウェアの種類が多いのも目移りがする。
防水やお財布、赤外線などのガラケー機能が機種によって違うのも、デザインがいろいろあるのも面倒だ。

そう、面倒なのである。
使う側に非常に知識が要求される。
携帯電話のことをしょっちゅう考えている人じゃないと、なかなか使いこなせないと思う。
自分のことでも面倒なのだから、人に勧めるなんて塗炭の苦しみである。

iPhoneはその点強烈にスッキリしている。
まあ、メーカーの独裁主義が激しい結果であるが、それが生暖かい心地よさにつながっている。

要するにぼくはかなーりヌルい人間で、小さな画面でチマチマとハックするガッツがもうなくなってしまった。
で、ぼくなんかにiPhoneとAndroidどっちがいいか聞いてくる人は相当、ヤヴァイぐらいヌルい人だから、だったら大人しくiPhoneにしなさいよと言いたくなるのである。

ただ、気がかりなのは、ぼくは相当重度なGoogle依存症人間でもあるということだ。
メールはすべてGmail、スケジュールはすべてGoogle Calendarである。
最近は表計算や文書作成もGoogle Docsでやっている。
またPCは、MacもLinuxも使う方だが、メインは仕事の関係でどうしようもなくWindowsである。
こうなると、モバイルはApple、クラウドはGoogle、PCはMicrosoftという泣き別れ状態であって、まあ逆に大きな籠に卵を盛るようなリスクは回避できていると考えられなくもないが、同期が面倒だし、先行きも不安である。

たとえばGoogleかAppleが政治的な決断を下して、ある日突然、GmailがiPhoneで使えなくなったらどうなるか。
最近のIT界の殴り合いの状況を見ていると、そんなことは十分に起こりうる。
それがちょっと怖い。

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