親の命日が来ると思い出すが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療用人工呼吸器(CPAP)を使い始めて5年になる。

最初の3年間は専門病院からレンタルしていた。
保険適用で月5千円。
18万円払ったことになる。
(実際には1回3万円かかる検査を3回したり、最初の診療があったからもっと掛かっている。)

そこでアメリカの通販で個人輸入した。
本体5万円で、付属品をいろいろ買っていたらまあ8万円になった。
24ヶ月使っているから月3千円ほどになる。

詳しくは本ブログシリーズ「ぼくと睡眠時無呼吸症候群」に書いているので読んで欲しい。

今日はSAS治療のその後について報告する。

CPAP
まず、レンタルのCPAPで大丈夫なのか、という話だ。
ぼくに関してはラッキーなことに、一切故障も不具合もない。

病院に行かないで治療の質に問題はないのか、という話だが、ぼくに関しては問題ないと思っている。
そもそも病院でそれほど親切にされた覚えがない。
専用ソフトを買っているので、毎日精密に使用実績を分析できる。

ただ、SASは治っていない。

病院に行かないで分かるのか、というと、正確なところは分からない。
CPAPの使用実績をソフトで表示させても、CPAPを使用している間は正常に呼吸していることは分かるが、CPAPを使用していない間に呼吸が止まっているかは分からないのだ。

書きながら思いついたが、いびきを録音するiPhoneアプリがあるので使ってみるといいかもしれない。



Dream Talk Recorder Pro

なぜSASが治っていないかというと、症状があるからだ。

まず、CPAPを使わずに1週間以上過ごすと、病的に眠くなる。
脳に液状の毒が噴出するような、病的な痛みを伴った眠気である。
「時差ぼけ」に近い。
面白いことに夕方に多い。

次に、起き抜けに頭痛がする。
これは血中の酸素濃度が低くなることと関係があるらしい。
寝れば寝るほど痛くなる。
でも、痛みと共に眠気を感じる。
これは苦しい。

このときは、CPAPを装用して30分でも1時間でも寝れば症状が軽減される。
そんなに急速に血中に酸素が吹き込まれるものなのか、それともプラシーボ効果なのかは分からない。
これで治るとしか言いようがない。

次に、以前から書いているが、CPAPを装用して寝るといわゆる男性のアサダチ現象が如実に起こる。
糖尿、肥満が精力に影響すると良く言われるが、不自然に精力が減退する人はSASを疑った方がいいのではないか。
一度専門医の受診をお勧めする。

そもそもCPAPはメガネと一緒であり、症状(見えないという現象)を軽減するものであって、病原を根絶するものではない。
根治療法ではなく、対症療法である。

痩せればいいじゃん、という話であるが、単純に肥満が原因かどうかも分からない。
糖尿病と結びついている場合は、一生治らない。

もし根治しなければ、何十年も月5千円払ったかと思うと、自分の場合はCPAP個人輸入をして良かったとしか言いようがない。

さて、そのCPAPの装用だが、相変わらずなじまない。
寝るときに装用すると鼻が痒くてしょうがないのだ。
ぼくの場合「鼻まくら」(ネーザル・ピロー)という鼻孔にパイプを若干挿入するものを使っている。
CPAPというと良く出てくるマスク状のものは、重くてしょうがない。
コリャムリダーと思って使用を中止した。

それでネーザル・ピローにしたのだが、鼻が痒い。
これが、面白いことに、睡眠中に覚醒(二度寝)したときは全然気にならない。
昼寝のときも、朝寝(頭痛時の再就寝)のときも装用しているが、全然気にならないのである。

素人考えだが、交感神経と副交感神経のどっちが勝っているかではないだろうか。
ぼくの場合、就寝時はまだ興奮していて交感神経が勝っているので、CPAPに対して過敏に反応している。
しかし眠気が勝っているときは、かゆみが収まっているのではないか。

ぼくは睡眠異常もあって、夜はなかなか寝付けないが、昼寝はあっさり眠れることが多い。

昼寝であろうが、朝寝であろうが、1日に2~3時間もCPAPを装着していれば全然違う。

CPAPが気になって寝付けないとき、レンタル中は、装置に対する憂鬱な思いが病院に対する憎しみと結びついて、なかなか眠れなくなったのを覚えている。
ぼくはこらえ性がないタイプで、根に持つタイプなのだろう。
よほど病院との精神的闘争が身にこたえたと思える。
自分でもおかしい。
こういう心の持ちようを変えた方がいいのではないだろうか。
他人事ならそう助言するところだが、なかなかそうもいかないんだよ。

個人輸入したCPAPを買って、そういうストレスもなくなった。
普通に日本でも5万円で売ればいいと思うのである。
月イチ通院をしなくて済むなら、10万円でも買う人はいると思う。

以上、いぜん書いたことの繰り返しになったような気もするが、こんな風にSASと付き合っている。
ま、歳を経れば体のトラブルと付き合うのは当たり前のことだ。
クヨクヨするのが一番良くない。