今日は速報だから早めにアゲよう。
このところ知り合いの紹介で、劇団☆A・P・B-Tokyoの演劇を見ている。
今日は『青ひげ公の城』の初日を見た。
今回は昨年末の『身毒丸』に続いて2公演目だ。

※ネタバレを避けて書くつもりではあるが、どうしてもネタバレになるかもしれないので、この時点で行ってもイイカナと思う方は鑑賞後に読まれることをお勧めします。
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ぼくはひきこもりで出不精なので、こういうことでもないと演劇とか見に行かない。
見に行くと、ああ見に来てよかったなー、としみじみ思う。
生きる活力が湧いてくる。
今回も行って本当に良かった。

寺山修司の脚本を専門に演じる劇団であって、こういう劇団は他にもいっぱいある。
また、専門の劇団でなくても、寺山の脚本はたくさん演じられている。
劇団☆A・P・B-Tokyoはその中でも、60~70年代の天井桟敷の味を大切にした、見世物小屋的な、キッチュでフリークな味わいを大切にしているようだ。

ザムザ阿佐ヶ谷という劇場も日常から隔絶された異空間で、階段をくだって狭い座席に陣取るだけで、演劇の世界に引きずり込まれ、自分も観客の役を演じ始めることを意識する。
とりあえずぼくの普段の画面を見ながらキーボードをパチパチ叩いている散文的な世界とは無縁の空間であって、それだけに、そんなぼくだからこそ、この世界をフルで楽しんだ。

『青ひげ公の城』はいわゆる「メタフィクション」であって、芝居全体の構造が一つの大きなネタになっている。
一行でも内容を紹介するとネタバレになってしまうので、書けない。
とりあえず
 ・芝居が始まる前から芝居が始まっている
 ・始まり方、終わり方が超カッコイイ
 ・観客もうかうかしてられない
 ・最前列超イジられる(ぼくは最前列で見た。イジられて楽しかった!)
ということだけは書いておこう。

『身毒丸』は100%和物であるが『青ひげ』はやや赤毛物である。
ぼくは日本人が赤毛物をするのに抵抗がある(バレエとかミュージカルとか苦手である)ので、最初入って行きにくいかなーと思った。
しかし『青ひげ』は日本人が赤毛物を演じる違和感がまた一つの重要な味になっている。
どういうことかというと、ううん、見に行って欲しいから書いているわけだが、内容に触れずに書くのは難しい。
こういうの普通どうするんだろうか。

ある程度踏み込んで書く。

『身毒丸』に比べて前半笑いが多くて、アチャラカ的な動きの笑い、言い方の笑いが多くて、ぼくは初日で緊張していたので、この部分でもちょっと入って行きづらかった。
これは見る方に問題がある。
やっぱぼくは根が真面目なのでシリアスな展開の方が入り込めるのである。
しかし演じる方はそれもお見通しであって、前半の「入って行けなさ」「違和感」も一つのネタになっているようだ。

後半はグイグイ引きずり込まれる。
今回は話が分かりやすく、前半の「違和感」が解消されるぶんよけい急角度の傾斜で引きずり込まれる。
役者さん(特筆すべきことには、美青年、美少女がいっぱい出てくる)は懸命に前に出て、舞台を食おうとする。
そしてそのエネルギーが演劇全体のパワー、ストーリーになっているのだ。
でももうぼくのつまらない文章で演劇を汚すのは良そう。
とりあえず来週の火曜日までやっているから、機会があったら見るが良い。
ぼくもまた見に行くと思う。
zamuza

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