イジハピ!

TwitterID:@query1000こと深沢千尋のブログです。
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さいきんブログの評判が意外と気になるようになってきました。
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演劇

【第1158回】【演劇】SAIのワークショップに行った!

2018年11月10日、栃木県宇都宮市の施設で開催された、創造演劇集団SAIのワークショップに行ってきた。
演劇のワークショップというのは、俳優さんが集まって講師の指導の元にいろいろ体験する、修練を積むと行ったもので、ぼくのように俳優ではなく、今後出演するかどうか分からない者が参加するのもなのか分からない。
でも、他の劇団のワークショップに、ファンの人が行って楽しかったという話もあったし、今回は体験が主ということで、思い切って参加してみた。
結果、ものすごく楽しかった。

自分でも表現の場に近づいてみようと思ったのには、単に演劇が好きで、より深く理解したいと思った以外にも、理由がある。
ぼくは2011年に、友達に誘われて小劇場の芝居を見るようになってから、子供の頃からずっと夢見ていて、果たせなかった、小説の創作が急にできるようになった。
小説というのは、言葉が登場人物にくっついているので、そこが論文やエッセイとは違う。

人物を登場させるのは、ものすごく難しい。
主人公(=作家の分身)が、考えていることを説明したり、論説したりするのは、まだ、比較的書きやすい。
思っていることをそのまま書けばいいわけで、論文やエッセイとあまり変わらないのだ。
しかし、別の人物を登場させて、主人公の言葉を聞かせたり、影響を受けるウケの演技をさせたり、その部屋の隅で窓を拭いている演技をさせたりするのはものすごく難しい。

かねてからそう思っていたのだが、演劇を見るようになって、空間を立体的に捉えられるようになって、小説が論文を人物に喋らせることを超えた、空間を持ったものとして捉えられるようになった。
自分の小説がうまくいっているかどうかは知らないよ。
でもその、複数の登場人物が醸成する空間感を捉えられるようになって、虚構の世界にグンと入れるようになった自分が、とても快く、誇らしくなってきた。
それで、もっと演劇の世界に近付こう、中に入り込もうと思って、今回もワークショップに参加してみたのである。

ぼくは神奈川県川崎市中原区に住んでいる。
栃木県宇都宮市はまあまあ遠かったが、武蔵小杉から湘南新宿ラインが出ているので、音楽を聴きながらうたた寝をしていると、そのうち着いた。

バスが苦手なので、駅から会場まで小一時間歩くことにしたけど、これがしょうしょう失敗で、もう冬なのでとっぷりと日が暮れていて超心細くなった。
宇都宮は完全に車社会で、でっかい駐車場が並んでいる中をトボトボ歩いた。

会場につくと、人数は10人弱、圧倒的に栃木の人が多くて(ぼくと主催の人いがい全員?)若い人も多かった。
その日18歳になった人が最年少だったようだ。
オメデトー!

最初に、お互いの呼び名を覚えて、お互いに指差し確認をしながら行うゲームと、2班に別れて輪になり、それぞれの名前にだんだん増えてくる属性を付加しながら、決められたポーズを付けて呼び合うゲームを行った。
欧米の劇団などでは、このゲームをそれぞれ8時間ぶっ通しでやったりするそうだ。

ふだん使っていない筋肉を動かすのでぐっしょり汗をかいて大変だったが、一気に初対面の緊張がほぐれ、お互いに相手の名前を「××!」と呼び捨てで呼ぶのがだんだん楽しくなってくる。

初対面の恥ずかしさ、シャイネスというのが、ふだんからほうぼうで大変な障害になるのを感じていた。
会議をしても、セミナーの講師をしても、大掛かりな集まりになればなるほど、口をつぐんでしまう人、それによって周囲に発生する重苦しい雰囲気というのが、とんでもなく重要な何かを急速に失っているような気がするのだ。
それを今回、ゲームの形で、強制的に流し落とすことで、いっきに声が出るようになって、人の声も素直に聞くことができるようになった。

相手に声をかけるとき、特定のポーズをする、こんな簡単なことがどんどんツラくなってくる。
トシを取るのはイヤだなー。
そのうち、辛いながらも全力を振り絞ってやろうとする人と、なんとか手を抜いて、どうにかそのポーズに解釈できるような簡略化したポーズにしようとする人(俺だ、オレ)に分かれてきて、個性というか人生観が出るなーと思った。

主催者の、SAI代表の倉垣吉宏さんの話で、まず、俳優である「私」(わたしなるもの)から伸びている3つの要素とは何かという話があった。
背景とか、セリフとかいうものではないらしい。
心とか、感情とかいうものでもないらしい。
ぼくは、言葉と動きとかそういうものですか、と聞くと、惜しいけど違う、と言われた。
ここでは、声、身体、演技ということだ。
なるほど。
パソコンで言うとモニターとスピーカーとキーボードのような、インターフェイスのようなものかと理解した。

テキストが配られた。
こってりした内容で、無責任に要約できないが、個性的な役者と、フラットな役者というようなことが書いてあった。
自分流に理解すると、登場人物は、すごく変わっていて、ジャック・ニコルソンみたいな個性的な人で、その個性に引っ張られて作品の世界に入っていく場合もあれば、個性のないフラットな役者が、型通りの演出をすることで、物語の世界が素直に理解できる場合もある、というようなことだろうか。

その後、3人のグループに分かれて、議論をしたり、仲裁をしたりするエチュードと、2人組になって、相手が好きなものを「1:全面肯定する」、「2:中間的に流して聞く」、「3:露骨に無視する」というエチュードがあった。

3人組のときは、仲裁役だったのだが、2人の議論が白熱していて、自分がうまく活躍できず、後悔があったが、2人の議論があらぬ方向に展開していて面白かった。

2人組のとき、相手の言うことを全力で肯定するのが、本気で相手のことを肯定しているのか、それとも、相手を持ち上げるために、日常生活でもよく会う営業トークのイエスマンのような人なのか、その違いが分かりにくいし、出しにくいと思った。
あと、中間的に流して聞くのが、全面肯定か、露骨に無視するか、どっちかに寄ってしまう。ペアになった若い女性は前者に、ぼくは後者に引っ張られてしまうなあと思った。
あと、相手を否定する演技というのが、ものすごく難しくて、自分の中にある黒い部分を召喚してしまうようなところがあって、鬱になるなあ、などとも思った。
いろいろ文句を言っているようだが、それだけ難しさがあって面白い。
後半も、たいして体力を使わないのに全身筋肉痛になって、超楽しかった。

同じような機会があったら、また参加したいし、これからの自分のリアルな日常にも、取り入れたいヒントがたくさんあった。
陳腐な言い方になってしまうけど、人間はみんな、常に、ありうべき自分を演技しているわけで、その演技の部分を抽出して訓練することで、本来の自分を出しやすくすることもあるのだろうなあと思った。

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【第1157回】【演劇】月蝕歌劇団『不思議の国のアリス』を見た!

2018年6月2、3日、同じく新宿スターフィールドで月蝕歌劇団の2、『不思議の国のアリス~ガロア群論序説~』を見た。
超楽しかった。

これも再演で、2013年10月17日、ザムザで同じ演劇を見ている。
漫画家、田村信先生の、たしか初舞台で、あと長身美女の森田彩乃さん(いまは全然ちがう現場で大活躍中・・・)が出ていた。

2018年版の注目はなんと言っても永野希さんがアリスをつとめることだ。

永野さんは、歌手、女優、コスプレイヤーとしても活躍しているそうで、大勢のファンが詰めかけてめっちゃ舞台が盛り上がった。

この人、ぼくはタレントとしての活躍は知らなかったんだけど、名前に妙に既視感があった。
なんと、漫画家の永野のりこさんの娘さんで、育児マンガ「ちいさなのんちゃん」ののんちゃんその人であったのだ!!!
読んでたわー!!!
永野のりこさんは重度の特撮オタクとしても知られる人で、90年代はほんとに楽しませてもらった。
あの子が大きくなって、まさか月蝕歌劇団の主役をつとめるなんてビックリビックリ。

これが、めっちゃくちゃ月蝕にハマっていて、コメディエンヌな演技も、どシリアスな場面での絶叫も、完璧に世界観にマッチして素晴らしかった。
この後も、永野さんは次々に月蝕で主演されるようで、超・要注目だ。

他には、今年から出ている大塚ウテナさんも良かった。
本業は放送作家だそうだが、田舎から娼館に売られて非業の運命を遂げる娼婦を、ナチュラルかつ力強く演じていて良かった。

詩劇ライブではウテナさんが谷山浩子さんの「まっくら森の歌」を歌った。あとでチェキを撮らせてもらう時に「どういう選曲か分かりますか」と聞いてくるので「分かりません」というと「アリスで目が見えなくなる役だから♪まっくらクラーイクライ、なんですよ」だって。分かるか!

この人も年齢不詳だけど見た目が可愛らしくて、同じく村娘役の奈々瀬やよいちゃんと勝手に「アングラエンジェルズ」というユニットを結成してもらってツーショチェキを撮った。

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なーにやってんだか。

以上、女優さんのことばかり書いているが舞台も全体的にめっちゃ盛り上がって良かった。(ひどい)

【第1156回】【演劇】月蝕歌劇団『阿呆船』を見た!

2018年5月30、31日、新宿スターフィールド(元・タイニイ・アリス)というところで月蝕歌劇団の連続公演『阿呆船』を見た。
超楽しかった。

2015年6月10日、ザムザで同じ演劇を見ている。

眠り男と言われる、一方が眠っているとき一方が起きている2人組の芝居があるのが見もので、2015年公演のときは倉敷あみさんと若松真夢さんという美少年系美少女コンビでこれが良かった。

それが今回、2018年では、倉敷さんの後をついでトップに復活した長身美女の白永歩美さんと、月蝕初出演の小林夢二さんという凸凹コンビだ。
全然違うー!
超面白かった。

小林夢二さんは、SAIの芝居や、BAR月光密造舎で、今年は見る機会が多い。
もちろんイケメンなんだけど、イタリアのお人形みたいな(?)なんとも言えないおかしみがある見た目と動きで、目を引く。
大熱演で良かった。

メインはカタツムリの少女ツムツムと、ヘンタイ少年ビリコの悲恋だが、ツムツムを慶徳優菜ちゃんが、少年はこれが少年役最後という高田ゆかさん。

お贔屓の慶徳ちゃんはあいからわずエロいセリフを淡々と言う役で、上品で悲しさもあって良かった。カタツムリなのにすごく人間の心の機微を感じる役で、毎回感情移入して泣いてしまった。

あじさい

少年は、これも哀しい、哀感あふれる演技の高田さん。これが少年役最後。。と聞かされると、余計に哀しい。遭うは別れの始まり、さよならだけが人生よというけど、ぼくは高田さんの少年姿と、ツヌツヌの悲恋をいつまでも覚えているだろうし、高田さんがなんかのはずみでふらっと帰ってきてくれたらすごくうれしいと思う。

つぬつぬ

歌が止まらないオペラ歌手の役で、前回の公演でも得意の歌声を生かして狂演していた三上ナミさんが、1日だけの出演ということでこれは見逃せないと駆けつけた。

いまはベトナムに在住してIT企業のOLをしながら三上文化の普及を(?)している三上さん、あんまり会えなくなってしまったが、やっぱりナミちゃんの歌声があるとないとでは月蝕の舞台はぜんぜん違う。
ピーンとした歌声が、舞台全体に細くて靭やかな線を通したようで、舞台全体のクォリティが上がっていた。
詩劇ライブもさすがの熱演で良かったなー。

翌日は同じオペラ歌手の役を奈々瀬やよいさんという、これも初月蝕の人が演じていた。
奈々瀬さんはもともと英語教師だったけど、夢絶ち難く演劇の世界に飛び込んできたという変わり種の人で、え、じゃあ年齢いくつなのかな? 見た目が超ロリロリで可愛らしい人だったが、もともと声楽出身だったそうで、堂々としたオペラ歌手っぷりだった。
ということで、情報つまり過ぎの奈々瀬やよいさんも今後も注目して行こうと思う。

新宿スターフィールドはまあまあ見やすい劇場で、舞台左手にずーっと物販コーナーがあるのが逆に動線がスムーズで良かったと思う。
ここ、男女トイレが1個ずつあって結構広いんだけど、入り口が1つにまとまっているので、どっちかのトイレは空いているのか、閉まっているのか、初めてくるお客さんには分かりづらいので、ここは何らかの案内があった方がよかった。









【第1154回】【演劇】A・P・B-Tokyo『青ひげ城の館』を見た!

2018年4月19日、高円寺明石スタジオに、劇団A・P・B-Tokyoの『青ひげ城の館』を見に行った。
超面白かった。

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A・P・B-Tokyoは、2011年に『身毒丸』を見て、それからアングラの世界にドップリはまった劇団で、この『青ひげ』も2013年に見て、ブログを書いている。

だから、同一劇団、同一演目2回めであって、面白さが殺がれるかというと、これが面白い。

しょうじきアングラ劇とは、ぼくなんかの理解を超えるところにあって、何回も見ないと分からない。
同じ上演を連続して見ても分かるけど、何年かたってもう1回見ると、違いがあって、また理解が深まり、それが面白くなってくる。
頭が固くなっているなりに、その固い頭に言葉や場面が染み込んでいくのが面白いのである。

会場に入ると「板付き」で、もう役者さんが舞台にいて、ある芝居をしている。
このブログ、上の一行を書くときに、もっと具体的に書こうと思っていたのだが、また再演するかもしれないし、別の劇団が演じるかもしれないから、ぼくのブログなんて誰も読まないところではあるけれど、あんまり突っ込んで書かない方がいいような気がしてきた。
意外なことが、おこる。
そういう「驚き」も楽しみのうちである。
でもそればかりでは劇評がなりたたない。
どうしようか。
探りさぐり書いていく。

A・P・B-Tokyoの大きな魅力にマメ山田さんが出られるということがある。
低身長症のおじさんだが、コミカルで哀愁のある演技がすばらしい。

なんとか伝わるように書きたいが、小さい方が舞台に立っていると、狭い舞台に奥行きができて、同時に、どうしようもなく可愛らしい雰囲気が伝わってくる。
パーッと舞台に、ピンク色の空気が流れてくるような気がする。
そして、ひとつひとつの動きを見逃すまいと、食い入るように見つめてしまう。

ところが、今回、アリスとテレスという役を演じる二人の女優さん(後藤仁美さんと山崎萌子さん)がいて、この女優さんたちも小さい方だったのである。
シンメトリーで動く二人の女優さんの動きが美しくて、最高だった。
三人とも、もちろん小さいというだけの役者さんではなく、演技のひとつひとつが素晴らしい。
いろんな個性の人が舞台にいることは素晴らしいと、あらためて感じる。

もうひとり、変わった俳優さんとしては、この日はアフタートークのゲストが萩原朔美さんだったのだが、なんと「出演」もされていた。
台本を持っての演技だったが、堂々たる音声が響き渡っていた。

ぼくは世代的に間に合っていないが、朔美さんは天井桟敷の立ち上げ俳優で、美少年で有名であった。
いまは堂々たるダンディな紳士で、アフタートークで高野みゆきさんが「立派に、育って…」と言っていて爆笑を誘っていた。

もちろんおなじみのメンバーもすばらしい。
ぼくは主催の浅野さんの女装が大好きなのだが、見られてよかった。
あと、ごひいきの飯塚美花さんが「第一の妻」の役をお色気たっぷり(?)に演じていて、「あの美少女がこんな立派に育って…」と感慨にふけった。(笑)

※この舞台をイメージして、野外で取った電子写真集が、下の「CRP」というもので、これも面白くて良かった。








【第1153回】【演劇】DangerousBox『晩餐狂想燭祭~死~』を見た!

2018年4月14日土曜日、浅草六区ゆめまち劇場で行われた、劇団DangerousBoxの芝居を見に行った。
昼夜ダブルキャストの2回公演を見た。
題名は「晩餐狂想燭祭~死~」(ばんさんきょうそうしょくさい~し~)である。
長いし難しいしヤンキーっぽい!
でも内容はものすごく良かった。



この演劇は、バー「月光密造舎」で知り合った大友沙季さん、叶江 透さん、八木 岳さんが出ている縁で見に行った。
知り合いが3人も出ている芝居は珍しい。
ていうか、総出演者が100人の芝居である。
ひゃ、百人って君!
出演者の方も「まだ、全員揃っての通し稽古が出来ないんですよ」「最終的にどうなるか、まだ予想がつかないです」などと言っていた。
でも見終わってみれば、100人ピシリと舞台にカッコ良く収まっていたし、逆に100人出ないと、あんな迫力は出なかっただろうし、100人いる必然性を感じた。

明治時代の遊郭の話である。
何十人もいるのは、華やかな花魁(話をするだけの処女の花魁もいる)たちである。
そして、黒い着物を着た、長年の花魁暮らしで梅毒に掛かり、隔離されて娼館を終の棲家にする元花魁たちもいる。
こちらも、黒い衣装の隅々に細かい細工が施されていて美しかった。

ゆめまち劇場は、それなりに広い劇場で、真ん中の大きな花道を3方から客が取り囲む感じでとても見やすかった。
客席で飲食もできる。
また、最初に配られた模造紙幣の「おひねり」を、客がショータイムに花魁の胸元に入れたりするパフォーマンスもあって、客席も含めた劇場全体が娼館という趣向である。

びっくりしたのが和風生バンドで、三味線、琴、笙、太鼓が和風ロックを演奏していた。
ダンスもすごくて、舞台の隅にポールダンスが2箇所と、エアリアルが2箇所ある。
エアリアルって言葉、ぼくは知らなかったが、心底びっくりした。
天井に50センチ四方の四角い穴が空いて(ちょうど1個の穴がぼくの真上にあった)そこから白い布がするするっと降りてくる。
そして、半裸の女性ダンサーが、その布に絡みついて降りてきて、ブランブランしながら踊るのである。

夢みたいだ!
楽しい!
男優さんたちの剣舞もすばらしかった。

遊郭は現在でいう風俗という機能の他に歌舞音曲を披露する演芸場でもあったので(まさに浅草にも花街はあった)音楽やダンスを楽しむのも演劇のうちなのである。
お酒を飲みながら舞台を見ていると、虚構空間全体に飲み込まれるような、限りなくバーチャルなタイムスリップのような感覚に包まれる。
よく「舞台の世界に飲み込まれる」、「物語の世界にタイムスリップする」というような言い方がされ、ぼくも何回か書いてきたような気がするが、こんなにリアルに劇空間に飲み込まれる舞台は珍しい。

演劇の内容は遊女と金持ち、そして庶民の悲しい恋愛模様を描いた世話物だが、演劇の言葉がものすごく変わっていた。
うまく再現できないと想うが、たとえば「あなたが・すごく・好きだ」という文章があったとして、「あなたが」、「すごく」、「好きだ」という3つのフラグメンツに分割して、広い舞台のぜんぜん違うところにいる役者さんが言葉を継いでいくのである。
「あなたが」、「すごく」、「好きだ」という文章の断片が、観客を取り巻く空間をぴゅんぴゅん移動するのである。
いわば集団ポエトリー・リーディングだ。
これもすごい。
ポールダンスやエアリアル、剣舞と同じぐらい、セリフを言うことが言葉のアクロバットのようである。
観劇というより、演劇空間体験だ。
劇場を生きているという実感が湧いてくる、そんな舞台だった。

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