2018年4月19日、高円寺明石スタジオに、劇団A・P・B-Tokyoの『青ひげ城の館』を見に行った。
超面白かった。

DbIu--TV4AAGMwo


A・P・B-Tokyoは、2011年に『身毒丸』を見て、それからアングラの世界にドップリはまった劇団で、この『青ひげ』も2013年に見て、ブログを書いている。

だから、同一劇団、同一演目2回めであって、面白さが殺がれるかというと、これが面白い。

しょうじきアングラ劇とは、ぼくなんかの理解を超えるところにあって、何回も見ないと分からない。
同じ上演を連続して見ても分かるけど、何年かたってもう1回見ると、違いがあって、また理解が深まり、それが面白くなってくる。
頭が固くなっているなりに、その固い頭に言葉や場面が染み込んでいくのが面白いのである。

会場に入ると「板付き」で、もう役者さんが舞台にいて、ある芝居をしている。
このブログ、上の一行を書くときに、もっと具体的に書こうと思っていたのだが、また再演するかもしれないし、別の劇団が演じるかもしれないから、ぼくのブログなんて誰も読まないところではあるけれど、あんまり突っ込んで書かない方がいいような気がしてきた。
意外なことが、おこる。
そういう「驚き」も楽しみのうちである。
でもそればかりでは劇評がなりたたない。
どうしようか。
探りさぐり書いていく。

A・P・B-Tokyoの大きな魅力にマメ山田さんが出られるということがある。
低身長症のおじさんだが、コミカルで哀愁のある演技がすばらしい。

なんとか伝わるように書きたいが、小さい方が舞台に立っていると、狭い舞台に奥行きができて、同時に、どうしようもなく可愛らしい雰囲気が伝わってくる。
パーッと舞台に、ピンク色の空気が流れてくるような気がする。
そして、ひとつひとつの動きを見逃すまいと、食い入るように見つめてしまう。

ところが、今回、アリスとテレスという役を演じる二人の女優さん(後藤仁美さんと山崎萌子さん)がいて、この女優さんたちも小さい方だったのである。
シンメトリーで動く二人の女優さんの動きが美しくて、最高だった。
三人とも、もちろん小さいというだけの役者さんではなく、演技のひとつひとつが素晴らしい。
いろんな個性の人が舞台にいることは素晴らしいと、あらためて感じる。

もうひとり、変わった俳優さんとしては、この日はアフタートークのゲストが萩原朔美さんだったのだが、なんと「出演」もされていた。
台本を持っての演技だったが、堂々たる音声が響き渡っていた。

ぼくは世代的に間に合っていないが、朔美さんは天井桟敷の立ち上げ俳優で、美少年で有名であった。
いまは堂々たるダンディな紳士で、アフタートークで高野みゆきさんが「立派に、育って…」と言っていて爆笑を誘っていた。

もちろんおなじみのメンバーもすばらしい。
ぼくは主催の浅野さんの女装が大好きなのだが、見られてよかった。
あと、ごひいきの飯塚美花さんが「第一の妻」の役をお色気たっぷり(?)に演じていて、「あの美少女がこんな立派に育って…」と感慨にふけった。(笑)

※この舞台をイメージして、野外で取った電子写真集が、下の「CRP」というもので、これも面白くて良かった。