昨日、2月26日二丁日は、ザムザ阿佐谷に虚飾集団廻天百眼の劇場本公演『悦楽乱歩遊戯』を見に行った。
 超面白かった!
 絶対観に行ったほうがいいよ!!

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 昨年、2016年は乱歩の没後50周年ということで、著作権フリーになり、小劇場では一大乱歩ブームが起こっている。
 (ということは、谷崎潤一郎も没後50年だ。瘋癲老人日記とかどっかの劇団やらないかなあ!)

 百眼の『悦楽乱歩遊戯』は、「チケット販売イベント」にも参加していた。
 ニコニコ動画でも配信された、劇団員のトークイベントで、脚本演出の石井飛鳥さんが「今回の話は黒蜥蜴と陰獣とパノラマ島綺譚が中心になって、芋虫と、蟲と、人間椅子が出て、それから、屋根裏の散歩者体験をお客さんにしてもらって、それから、少年探偵団と、二十面相が出て、それから、それから……」という、イメージが溢れ出してたまらないと言った風のトークをしていたので、そんなにいろいろ詰め込まれるのかな??? どんな感じになるのかな??? 現実の劇場で??? という期待と不安がいっぱいで見た。

 ザムザ阿佐谷は、ふだんは入り口で靴を脱いで客席に上がるが、今回はなぜか客席がすべてビニールで養生されていて、土足で着席してください、と言う。
 最前列のお客様は、水に濡れるとあぶないものは預けることを勧める、という。
 この件は出演者のツイッターでも、さいさん警告されていた。

 こういうの、どの劇団のどの公演でも、言われる。
 でも、実際には、どうってことないことが多い。
 でも、今回は相当本気感があふれていたので、なるべく、後ろの方で見ようと思った。
 ところが、初日だというのに満員の大盛況で、最前に座ることになったのである。
 一応、念のために、靴を預けて、裸足で見た。
 まあ、それでも、そんなにどうってことないだろうと思っていた。
 甘かった。

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 ということで、最前で見たい人、見る羽目になりそうな人は、いろいろ覚悟していった方がいいと思う。

 ただし!

 最前でないと味わえないアトラクションがある。
 これがびっくり。
 ぼくは演劇の歴史とか知らないから、大昔はあったかもしれないが、ぼくはとりあえず知らない。
 ビックリビックリ。
 これは楽しいよ。

 ということで、是非最前でのご鑑賞をおすすめします。
 どないやねん!

 脚本であるが、本当にすべての短編の要素がモザイクのように組み合わされて、しかも一幅の長編絵巻としてキッチリ纏まっていたので感心した。
 「冥婚ゲシュタルト」でも見られた、複数のカップルのラブストーリーが交錯して、一枚の活人画に収斂していく感覚がたまらない。
 複数の物語が舞台のあちこちで展開されているので、一度にはすべてを把握できないのが悔しい。
 また見に行きます。

 役者さんとしては、バー「月光密造舎」の少年店主、紅日毬子さんが、めずらしいカールしたロングヘアでこれはこれで……と見とれた。
 また少年店員の小林機械くんが久しぶりに特徴的な凛とした声を聞けてうれしかった。
 あと、ぼくが2010年に小劇場めぐりをするきっかけとなった、A・P・B-Tokyoに出演していた辻真梨乃さんがザムザ阿佐谷に戻ってきて、百眼ならではの演出でむちゃくちゃにされてたのが感慨深くて感動した。
 月蝕歌劇団では黒蜥蜴を演じた湖原芽生さんが、常川博行さん演じる芋虫と濃厚な××シーンを演じていてこれも良かった。

 百眼ファンでなくても、乱歩感が横溢しているので機会があったらごらんください。あの、アレがちゃんと見える!