昨日、15日は東池袋駅直結の豊島区が運営する文化施設の劇場「あうるすぽっと」で行われたダンス公演「ノイズの海」を見に行った。
 紅日毬子さんが客演されているので、その関係で公演を知った。
 超面白かった!

 ぼくはダンス公演というのを観に行ったことがほとんどないが、普通のダンス公演とも相当違っていると思う。
 いろいろ驚きがあるので、ネタバレはしない方がいいとも思うけど、ぼくは見終わって、ある程度予備知識があって見たほうが良かったと思うので、少し情報的なことを書く。

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 まず、アーティスティック・プロデューサーの南村千里さんという人は、生後7ヶ月から聴力を失った、イギリスを中心に活動されているダンス・アーティストということだ。

あうるすぽっと トピックス 『ノイズの海 The Sea of Noises』アーティスティック・ディレクター 南村千里

 スティーヴィー・ワンダーのように盲目のシンガー、という人はいるけど、耳が聞こえないダンサー、というのは、ちょっと想像したことがなかった。
 ダンスというのはまず音楽に体を乗せるものだという、根拠のない先入観に支配されていたのだ。
 でも、今回の公演のテーマにも関連するが、聞こえない人は、聞こえる人よりも微細な振動を感じるそうだ。
 振動と、他のダンサーの動きと、上のインタビューを読むと分かるが音楽を数学化した棋譜に従ってダンスをするそうで、ちょっとすごい世界である。
 実際にダンサーさんの動きを見ていると、ダイナミックで、リズミカルで、目で見る音楽、振動で感じる音楽になっている。
 激しくて、美しい。
 ダンサーさんが床を踏む音、体を叩く音が、聞こえない人から発信された、聞こえる人のための美しい音楽になっているわけで、これは不思議な体験だ。

 背景の映像や、小道具を担当しているのがライゾマティックリサーチという集団で、これも浅学にして初めて知った。

ろう者の世界からどう音楽を表現する? 南村千里×ライゾマの挑戦 - インタビュー : CINRA.NET

 このデジタル・アートの世界は、もう見てくださいとしかいいようがない。
 ノイズの海という題名だが、電子信号の世界に迷い込んでしまうような、不思議な世界が味わえた。

 ごひいきの紅日毬子さんは、ホームグラウンドの小劇場演劇とは全く違う、セリフも、声も、歌もない、ただ体の動きと床を踏む音、体を叩く音で表現するという難役で、しかも繰り返しのない長大な振り付けで、さぞかし苦労されたと思うけど、めっちゃくちゃダイナミックで、他のダンサーさんと一糸乱れぬ振りで、感動した。
 同じ人をいろいろな公演で見ているけど、見るたびに違う面が見られて、面白いし、楽しいし、感動する。



 チケットは「あうるすぽっと」で検索して「としまチケットセンター」で予約した。
 その場でカード決済、コンビニ決済で支払いが出来る。

 場所は有楽町線東池袋ということで、ぼくは乗り換えにちょっと迷った。
 池袋から、有楽町線に乗って、東池袋に行く場合、新木場方面行きと森林公園行きとどっちかすぐわかりますか。
 ぼくはなんとなく森林公園行きかと思ったが、実際には新木場行きだそうだ。
 東京の地下鉄は伸び過ぎで感覚的に分からない。
 東池袋からあうるすぽっとは駅直結なので、迷わず行けた。

 ところが、ちょっと遅刻してしまった。
 最初の部分は途中入場できないということで、劇場内を映すビジョン越しに見たが、まったく分からない。
 最初から行けば良かったと後悔した。

 ということで、千秋楽も行こうと思う。
 さっき「としまチケットセンター」で予約したら、まだ予約できて良かった。
 これを見て興味が湧いた方、ご一緒しましょう。