さいきん引っ越したのだが、インターネット固定回線の引っ越しで案の定トラブルが発生した。
今日のこのブログはおもいっきりフェイスブックに書いた内容とカブる。
スミマセン。

20140124 Fibre Conches4 copie
ぼくは前のアパートで、NTT光+ぷららというたぶん日本で最もメジャーな組み合わせで使っていた。
ネットの固定回線なんか、一度繋がってしまえば水道や電気と一緒であんまり不満も快感も感じない。
いろいろ考えるのも面倒なので、そのままの組み合わせで引っ越しをすることにした。

新しいアパートにもすでにネット回線は部屋まで来ていた。
前のアパートがフレッツBマンションタイプ(VDSL)、新しいアパートがフレッツNEXT(光直結タイプ)ということである。

手続きはNTTに電話一本掛けるだけで済んだ。
このときぷらら(NTTの子会社)の移管手続きもNTTでやっときますよ、ということだった。
(あとで考えると、新しい住所と電話をぷららに教えておきますね、ぐらいの意味だったらしい)

引っ越しの工事費が8500円ほど掛かり、レンタルしているルーターが交換になる。
新しいルーターを工事の人が置いていくので、古いルーターは後日郵送する封筒で送り返してください、ということだった。
工事の人が古いルーターを持って帰ってくれればいいのにと思ったが、そうはしてくれなかった。

工事の日は引っ越しの2日後ぐらいになった。
この2日間が長かった。
iPhoneの携帯回線(イオンモバイル)があるから、ネットでメールも検索もツイッターも出来たのだが、とりあえず翼をもがれた鳥というか、ステッキを奪われた老人のような気持ちになる。
最近話題のDropboxで常に作業をバックアップしながら進めているので、執筆も出来ない。
ノートパソコンなんかすぐに壊れてしまうような気がするから、そこに生原稿を書くのが怖くなっている。
昔の文豪は紙ベースだったわけで、すごいなと思う。
気分的な問題で、電話で済む用事のような、普通のことも出来なくなる。
完全なネット依存症だ。
直したほうがいい。

果たして、工事の人が来た。
中高年の男性だった。
ごそごそ下の階とぼくの部屋を行き来し、ぼくの部屋の回線に計測器を突っ込んで、開通しましたという。

前のルーターは白いものだったが、新しいルーターは黒いものだった。
それ以外はそっくりだ。
ひょっとしてVDSL用と光直結用で違ってて、見分けがつくように色を変えているんだろうか。

ぼくはとりあえず電話機を新しいルーターの「電話」と書いているところに突っ込んで、ツー音を確認した。
工事の人が携帯でその固定番号に電話してくれ、開通を確認した。
ここまではノー問題。

で、ネットを開通しようとしたが、できなかった。
パソコン(Mac)を物理的に接続したが、ネットを認識しない。
工事の人に言わせると、ぷららのユーザーIDとパスワードが必要だそうだ。
へー。

「ぷららを介さなくても使える簡単セットアップというのがあるから、これを使ってみてください」といって小冊子をくれた。
中には
「かんたんセットアッププログラムを使います」
「かんたんセットアッププログラムはWindows 2000およびWindows 7しかサポートしていません」
と書いていて、それはまあ許すとしても
「かんたんセットアッププログラムは下記のサイトからダウンロードしてください」
と言われる。
だからそのネットワークがつながんないっつうの。
(※結果から言って、工事の人が持ってきた「簡単セットアップを使うとユーザー情報は不要」というのは、どうもガセくさい)

まあ電話はつながったし、ぷららのユーザー情報(ユーザーIDとパスワード)を用意しておかなかったのはこっちの不備だから、お引き取りいただいた。工事料金はのちに接続料金とともに引き落とされるそうだ。

そこからNTTに電話してみた。
1回目は「たいへん混み合っていますからしばらく待ってからおかけ直しください」と言われ、一方的に切られた。
ここでしばらく待たずに、間髪入れずに再度リダイアルしたら「ただいま大変おまたせしておりますので、そのままお待ち下さい」と言われた。
こういうことがよくある。

オリビア・ニュートン・ジョンの「そよ風の誘惑」のインストゥルメンタルヴァージョンが流れる。
この曲を使っている会社が多い。
あと、電子オルゴールの「ザ・プレイヤー(映画「スティング」のテーマ」)」も多い。
「草競馬」は富士通系か?
とりあえずどの曲もイライラする。
あと、最悪なのはその会社が始めたサービスの宣伝をやるやつだ。
こっちは何かトラブルがあって、その会社に悪印象を持ちながら電話してるのに、CMを無理矢理聞かせてどうするつもり。
この辺はアップルがさすがで、なんか最近の若い人の聞きがちなクラビーな音楽をランダムで掛けてくれる。
余談が長くなったが、NTTの場合は「そよ風の誘惑」を外部スピーカーで聞きながら、寝っ転がってお菓子を食べながらマンガを読んでいた。

ようやく女性が出てきたので状況を説明した。
するとその人が開口一番、
「お客様、リモートサポートサービスにご加入でしょうか」
「入ってないけど」
「ただいま、月々500円でリモートサポートサービスをおすすめしておりまして・・・」
と言ったので、さえぎって
「あの、リモートっていうからにはネット接続が確立してないとダメなんだよね。いまの状況で出来るの?」
というと
「ええと、ちょっとお待ち下さい・・・」と言って電話を保留にしようとするので、あわてて、
「ぷららのアカウントとパスワードが分からないって話なんだけど」
というと
「ぷららの設定はぷららに聞いてくれないと困ります」
「じゃあさっきの月々500円でリモート云々はなんだったの」
「……」
「サヨナラー」
ガチャン。
急に電話を切るのは良くないけど、この場合はしょうがない気もする。
まあ、まずNTTに電話したのが悪かったのかもしれないが、まず500円のサポートを進めて来るのがスゴイと思った。
お前はPCデポか!!!

次にぷららに電話する。
やはり1時間ほど「そよ風の誘惑」を聞かされた。
同じNTTグループだからか。


1時間後に男性が出た。
やはりユーザー情報がわからないとどうにも使えないそうだ。
最初の1回しか使わない情報なので、紙をなくしてしまっているのだ。
スミマセン。

「パソコンにユーザー情報がキャッシュされてる可能性はありますか」
「ございます。お使いのパソコンの接続はPPPoE(ピーピーピーオーイー)でしょうか」
「いや、そうじゃないねえ」
「PPPoEだったらキャッシュされている可能性があったんですが……」
「そっかー」

「では、ユーザー情報を郵送でお送りいたします」
「ええと、郵便ということは、土日挟むから1日2日掛かる?」
「さようでございます。速達では送らせてもらいますが」
「だからさ、その速達の紙を郵便ポストに入れる前に、俺が御社に出向くから、ハンドキャリーで渡すことは出来ない? 身分証明書でもなんでも見せるからさ」
「申し訳ありません、それはできません」

このやりとりを5分ぐらいしたが、ダメなものはダメだそうだ。
ううん、俺のクレーマー術もヤキが回ったな……。

「じゃあ郵送してください……でも、その郵送のプロセスを始まった後に、こっちでポロッと前のユーザー情報の紙が見つかっても、その郵送のプロセスが走ったために、リセットされていて使えなくなっている、ということはない?」
「それはございません。あくまで現在お使いの情報をお送りいたしますので」
「フーン。じゃあいいや。よろしくね。アリガト」
ガチャン。

それで、何の気なしにMacのAirMacユーティリティを見た。
AirMacはAppleのWiFiルーターである。
アメリカではAirPortという名前だが、日本では商標の関係でAirMacと名乗っている。
で、AirMacから他のパソコンには192.168.1.xxxのIPを配っている。
もしかすると、こいつがインターネット(世間)とPPPoEで接続しているのではないだろうか。

果たして、そのとおりであって、ユーザー情報もキャッシュされてい、接続が可能になった。
つまり、こういうことだ。

最初は、

 世間(インターネット)=ルーター=パソコン

という状態だったので、パソコンがユーザー情報を持っていなかったから、接続できなかった。
それを、

 世間(インターネット)=ルーター=(PPPoE接続)=AirMac=パソコン、iPhone

という状態にすると、AirMacがユーザー情報をキャッシュしていたので、接続できた。

こんなことぐらい、テクノライターを標榜しているぼくとしては知っていて当然のことだが、あえて恥を晒す。