昨日、8日木曜日は月蝕歌劇団『中国の不思議な役人』千秋楽と詩劇ライブに行ってきた。
なぜ同じ芝居を2回見るのか。
ひとつはぼくの理解力が悪いからだが、もうひとつは角度によってまったく違う景色が見られるからだ。
演劇は、カメラが風景を切り取っている映画と違って、セリフを喋っていない人がウケの芝居で、誰も見ていないのにものすごく面白いことをしていたりする。
だから1回見るのと、2回見るのでは全然違う。
3回見たり、4回見たりすることもあるけど、今回は日程の関係で2回に留めた。
1回めは2列目の舞台に向かって左側から見たが、2回めは3列目の舞台に向かって右側から見た。
時間差3Dである。
ぼくは基本単独行動で、他のお客さんとつるんでは見に行かないのだが(別にそういうポリシーを貫いているわけじゃなくて、単に友達がいないだけ!)さすがに月蝕をこれだけ連続的に見ていると、常連さんと横のつながりができてくる。
今回は初日に見た人が、わりと良かったらしい3列目右側を確保してみた。
結果的にこれが大成功だった。
今回狭い舞台に20人以外がひしめいていて、舞台だけでは演劇が収まらず、花道でも重要な場面が展開する。
前回書いた、花音菜ちゃんの踊りもそうである。
今回はある場面で、花道の暗がりの中で、「カリカリカリカリ……」という音がしてて、「ああ、変なお客さんだったらどうしよう、いやだなあ……」と思っていたのだが、「カリカリカリカリ……」という音が妙に芸術的だったので、こわごわそっちの方を覗き込むと、「紙切り女」役の若松真夢さんがしゃがみこんで一心に紙を切っている。
これ、この席にいないと見えないよ!
少なくとも初日に座った席からは完全に死角だったのだ。
紙切り女はダブルキャストで、若松さんは後半だけの参加であった。
月蝕で数多くの美術を担当されているアーティストらしく、紙を切る姿も堂に入って見えた気がする。
1回見て、あれはどうだったのだろう?と頭の中に「?」マークをたくさんためていたのを、2回めで1個1個解決するのも楽しい。
冒頭、フラッシュバック的に踊りで表現されていた舞台の断章が、2回めはストーリーの中で理解できて良かった。
特に、千代女を追い求める明の姿が分かって良かった。
黒タイツの影のうちの一人が、動きのキレが尋常でないので、あれは倉敷あみさんなのかなーと思っていたが、再確認して、やっぱりそうだった。
看板女優のあみさんは、いろんな場面に登場して、いち役者というよりも演劇全体を構成する骨組みの役割をしているような気がした。
と、このペースで書いていると終わらなくなってしまうのだが、とにかく、月蝕の舞台を1回見てわけが分からない人は、2回見るといいよ!
実は、後ろの方の花道でも重要な場面や、楽しい舞台ウラが展開されていたようなので、ぼくも全貌は把握できていない。
まだまだ隠れた名場面、ある席に座った人にしか分からない名場面があるのだろう。
話が前後するが、千秋楽夜の部の前に「詩劇ライブ」があって、そっちも見た。
「詩劇ライブ」の前の「おみくじ売り」(写真があたるクジを手売りする)は若手が担当することが多いのだが、今回はヒロインまどかちゃんと、もう一人クールな人形役の結小雪ちゃんのコンビで、このコンビが結構面白かった。
ヒロインを演じきって一皮むけた? まどかちゃんが、ハイテンションでトークを回していて、意外な一面が見られて良かった。
ライブは、基本的にJ・A・シーザー作曲の月蝕の挿入歌を女優陣が歌うのだが、前回あたりから昭和歌謡曲も織り交ぜるようになった。
歌謡曲は、面白いんだけど、素人が生意気言ってスミマセンが、ちょっと選曲があまりにもベタで月蝕感に乏しい気がしたのだがどうだろう。
以前公演では、津軽海峡冬景色を歌いながら殺陣をやったり、巨大な着ぐるみを着た人が「おどるポンポコリン」を歌ったりしたのはすごく面白かったので、ああいう趣向もまた見たい。
ライブはまた明日見に行くので、どうなっているのか楽しみだ。
後半はいつもながらの月蝕メドレー。いつもは笠置シヅ子の歌をうたう花音菜ちゃんが、今回は月蝕の歌を歌っていたが、迫力があって良かった。
また、歌姫三上ナミちゃんのコーナーも、倉敷あみさんと花音菜ちゃんの踊りがついて豪華な感じで良かった。
あっ、でも、ナミちゃんの詩劇ライブはそろそろ選曲を変えてくれてもいいような気がしないでもない……。
毎回見てる人が勝手なこと言ってるだけですが……。
三上ナミちゃんと言えば、9月24日に渋谷スターラウンジという大きめの会場で年一回のワンマンライブをやるそうで、前売りチケットを本人から直接売ってもらえた。
前回超満員でナチュラルにモッシュ状態だったのだが、今回は500円アップでイス席というのもあるというので、そっちを買えてハッピーだ。
イス席もまだもうちょっとあるらしいですよ。
公演予定 Live Schedule - 三上ナミと謎の地方公務員
ライブ後と、演劇後に、チェキのコーナーというのがあって、有料で俳優さんとツーショット写真が撮られる。
ぼくはモノが管理できないので、あんまり写真とか買わないのだが、記念に、初出演の慶徳優菜さんとチェキをお願いした。
実は前回「津山三十人殺し」のときに、水幾まどかさんとチェキを撮っていたのだが、そのまどかちゃんが今回主役をやったので感慨があった。
もしかして次回は慶徳さんが主役だったりして。
俺とチェキを撮ると主役になる、という評判が立ってみんなに頼まれたりして。
そんなわけないから。
ということで、だんだん順調に気持ち悪いブログになってきたが、見るたびにリラックスして見られるようになってきて、変な緊張がないぶん演目ごとの新しい趣向や、物語やセリフの深い内容が分かって、どんどん楽しくなってくる。
それにしても、あらためて今回の『中国の不思議な役人』は頭から尻尾まで月蝕感が横溢していて、楽しい舞台だった。
明日からの『帝国月光写真館』も楽しみだ。
ひとつはぼくの理解力が悪いからだが、もうひとつは角度によってまったく違う景色が見られるからだ。
演劇は、カメラが風景を切り取っている映画と違って、セリフを喋っていない人がウケの芝居で、誰も見ていないのにものすごく面白いことをしていたりする。
だから1回見るのと、2回見るのでは全然違う。
3回見たり、4回見たりすることもあるけど、今回は日程の関係で2回に留めた。
1回めは2列目の舞台に向かって左側から見たが、2回めは3列目の舞台に向かって右側から見た。
時間差3Dである。
ぼくは基本単独行動で、他のお客さんとつるんでは見に行かないのだが(別にそういうポリシーを貫いているわけじゃなくて、単に友達がいないだけ!)さすがに月蝕をこれだけ連続的に見ていると、常連さんと横のつながりができてくる。
今回は初日に見た人が、わりと良かったらしい3列目右側を確保してみた。
結果的にこれが大成功だった。
今回狭い舞台に20人以外がひしめいていて、舞台だけでは演劇が収まらず、花道でも重要な場面が展開する。
前回書いた、花音菜ちゃんの踊りもそうである。
今回はある場面で、花道の暗がりの中で、「カリカリカリカリ……」という音がしてて、「ああ、変なお客さんだったらどうしよう、いやだなあ……」と思っていたのだが、「カリカリカリカリ……」という音が妙に芸術的だったので、こわごわそっちの方を覗き込むと、「紙切り女」役の若松真夢さんがしゃがみこんで一心に紙を切っている。
これ、この席にいないと見えないよ!
少なくとも初日に座った席からは完全に死角だったのだ。
紙切り女はダブルキャストで、若松さんは後半だけの参加であった。
月蝕で数多くの美術を担当されているアーティストらしく、紙を切る姿も堂に入って見えた気がする。
1回見て、あれはどうだったのだろう?と頭の中に「?」マークをたくさんためていたのを、2回めで1個1個解決するのも楽しい。
冒頭、フラッシュバック的に踊りで表現されていた舞台の断章が、2回めはストーリーの中で理解できて良かった。
特に、千代女を追い求める明の姿が分かって良かった。
黒タイツの影のうちの一人が、動きのキレが尋常でないので、あれは倉敷あみさんなのかなーと思っていたが、再確認して、やっぱりそうだった。
看板女優のあみさんは、いろんな場面に登場して、いち役者というよりも演劇全体を構成する骨組みの役割をしているような気がした。
と、このペースで書いていると終わらなくなってしまうのだが、とにかく、月蝕の舞台を1回見てわけが分からない人は、2回見るといいよ!
実は、後ろの方の花道でも重要な場面や、楽しい舞台ウラが展開されていたようなので、ぼくも全貌は把握できていない。
まだまだ隠れた名場面、ある席に座った人にしか分からない名場面があるのだろう。
話が前後するが、千秋楽夜の部の前に「詩劇ライブ」があって、そっちも見た。
「詩劇ライブ」の前の「おみくじ売り」(写真があたるクジを手売りする)は若手が担当することが多いのだが、今回はヒロインまどかちゃんと、もう一人クールな人形役の結小雪ちゃんのコンビで、このコンビが結構面白かった。
ヒロインを演じきって一皮むけた? まどかちゃんが、ハイテンションでトークを回していて、意外な一面が見られて良かった。
ライブは、基本的にJ・A・シーザー作曲の月蝕の挿入歌を女優陣が歌うのだが、前回あたりから昭和歌謡曲も織り交ぜるようになった。
歌謡曲は、面白いんだけど、素人が生意気言ってスミマセンが、ちょっと選曲があまりにもベタで月蝕感に乏しい気がしたのだがどうだろう。
以前公演では、津軽海峡冬景色を歌いながら殺陣をやったり、巨大な着ぐるみを着た人が「おどるポンポコリン」を歌ったりしたのはすごく面白かったので、ああいう趣向もまた見たい。
ライブはまた明日見に行くので、どうなっているのか楽しみだ。
後半はいつもながらの月蝕メドレー。いつもは笠置シヅ子の歌をうたう花音菜ちゃんが、今回は月蝕の歌を歌っていたが、迫力があって良かった。
また、歌姫三上ナミちゃんのコーナーも、倉敷あみさんと花音菜ちゃんの踊りがついて豪華な感じで良かった。
あっ、でも、ナミちゃんの詩劇ライブはそろそろ選曲を変えてくれてもいいような気がしないでもない……。
毎回見てる人が勝手なこと言ってるだけですが……。
三上ナミちゃんと言えば、9月24日に渋谷スターラウンジという大きめの会場で年一回のワンマンライブをやるそうで、前売りチケットを本人から直接売ってもらえた。
前回超満員でナチュラルにモッシュ状態だったのだが、今回は500円アップでイス席というのもあるというので、そっちを買えてハッピーだ。
イス席もまだもうちょっとあるらしいですよ。
公演予定 Live Schedule - 三上ナミと謎の地方公務員
ライブ後と、演劇後に、チェキのコーナーというのがあって、有料で俳優さんとツーショット写真が撮られる。
ぼくはモノが管理できないので、あんまり写真とか買わないのだが、記念に、初出演の慶徳優菜さんとチェキをお願いした。
実は前回「津山三十人殺し」のときに、水幾まどかさんとチェキを撮っていたのだが、そのまどかちゃんが今回主役をやったので感慨があった。
もしかして次回は慶徳さんが主役だったりして。
俺とチェキを撮ると主役になる、という評判が立ってみんなに頼まれたりして。
そんなわけないから。
ということで、だんだん順調に気持ち悪いブログになってきたが、見るたびにリラックスして見られるようになってきて、変な緊張がないぶん演目ごとの新しい趣向や、物語やセリフの深い内容が分かって、どんどん楽しくなってくる。
それにしても、あらためて今回の『中国の不思議な役人』は頭から尻尾まで月蝕感が横溢していて、楽しい舞台だった。
明日からの『帝国月光写真館』も楽しみだ。