選挙の時期になるとイライラするのが、日本の政党名はわけがわからない、ということだ。

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 むかし「小沢新党」が党名を公募したところ「平和党」という名前が1位になった。そういう名前の党を国民は求めていたということだ。でもボツになり、「新生党」というよく分からない名前になった。その後「新進党」、「民主党」と変遷し、今は「民進党」だ。「民主党」はまだ分かりやすかったが、他の名前はよく分からない。

 「自民党」は自由党と(旧)民主党が大連立して正式名称自由民主党になったので、分かりやすい方だが、困ったことに党の議員が次々に「憲法を改正して国民の権利を制限する」と発言していることだ。

「国民主権、基本的人権、平和主義(中略)この三つを無くさなければ本当の自主憲法にならないんですよ」 - Togetterまとめ

日本国憲法によって破壊された日本人的価値観。|武藤貴也オフィシャルブログ「私には、守りたい日本がある。」Powered by Ameba

 自分たちが反対しているものを党名にすることはないだろう。

 「日本の心を大切にする党」というのが分からない。日本の心ってなんだろう。ぼくは「和を以て貴しとなす」つまり戦争に反対することが国是だと思うが、この党の主張はそれとは反対のようだ。

 反対にリベラルな「国民の怒りの声」というのも分からない。「中国漁船の領海侵犯と、日本の弱腰自衛隊は許せん!」とネットで叫んでいる怒りの声もあるわけであるが、小林節先生はそういう声には反対であろう。どの国民が何に対してどう怒っているか党名に盛り込んで欲しい。

 分かりやすい商品名は商売の基本であろうと思う。「ホッカイロ」という商品名を見ると「ああ、これを使うと暖かくなるんだなあ」と思って冬の寒い日に買う。逆に「冷えピタ」という商品名を見ると熱で苦しんでいる時に買う。自分でつける名前とはそういうものである。「かんたんPerl」という本の題名はPerl言語に興味がある、初心者に買って欲しいという気持ちが込められていて、内容に即している。良心的な商売人はそういうものですよ。

 しかるに、日本の党名は内容に即していない。事実、自民党にも民進党にも、消費税が賛成の人、反対の人、自衛隊国軍化に賛成の人、反対の人、原発賛成反対、両方幕の内弁当状態に詰めあわされている。こういうのは選挙の時はなるべくボヤーッとして、選挙が終わってから料亭でコソコソ打ち合わせをし、国会になったら野党は欠席、与党は強行採決して、バンザーイとやるのが日本流だ。

 そのてん社民党、共産党はエラい。この名前を背負うことでデメリットもあると思うが、それに堪えているのは良心的だ。

 他の政党ももっと旗幟を鮮明にしてもらいたい。「平和党」、「愛国党」、「減税党」、「国家神党」などに分かれていると、投票する人は分かりやすい。ぼくのオススメは「エコ党」である。とりあえず自然を守り、環境負荷の低い政策を志向する党だ。もしもあったらぼくはそこに投票する。

 でも、当の政治家は、なるべくそこはボヤーッとしていたいと思っているようだから、こんなに青筋立てていろいろいうだけ無駄である。
 そりゃ投票率も下がりますよ。