昨日、5月12日は、学芸大各駅千本桜ホール『黒蜥蜴』の千秋楽だった。『黒蜥蜴』は楽しい劇だったので、何回も行った。
結局なんかい行ったかは、恥ずかしいから書かない。

詩劇ライブ

 とりあえず土日は演劇の間に詩劇ライブというのがあって、これは両方、2回見た。
 詩劇ライブはJ・Aシーザー作曲、高取英氏作詞の曲を女優陣が歌い踊るという演目が中心だが、最近少しバラエティを広げている。

 豪華なのが歌姫・三上ナミさんのコーナーが3曲あることで、客席にもナミちゃんのロックTシャツを着ている人が何人もいた。

 ちなみに、ナミちゃんのロックTは、ぼくも1枚持っている。アメリカの、特に名前は出さないが、某ウィスキー的なものにインスパイヤーされている。で、同じモチーフのTシャツをアメリカのラッパー、RUN D.M.C.も使っているので、ナミちゃんとRUN D.M.C.のツーマンライブをやったらTシャツがオソロでいいんじゃないだろうか。

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 閑話休題、もう1人注目人物が花音菜ちゃん(さいきん改名して岬 花音菜(みさき・かおな)になったそう。岬と付けたのは高取氏らしい)で、人間離れした舞踊で他の女優さんのバックダンサーを努めたり、スウィングする歌声で笠置シヅ子のブギーを歌ったりする。
 今日も新宿5丁目に「Contonton」という店を持っている天神さんのトランペットで「ジャングル・ブギー」を歌った。



 ぼくはこの歌が大好きで、そういえば初めて花音菜ちゃんのライブを見た2015年11月公演「家畜人ヤプー」の時に、劇場前の面会で「ぼくはジャングル・ブギーが好きなんですよ」というと「私も好きだよ。〽ウワーオワオワオ〜」と歌い出したのを思い出したけど、こうしてフルの舞台でオケと生ラッパ付きで聴けてうれしかった。

 ちなみに豆知識としては、この曲の作詞は映画監督の巨匠、黒澤明で、『酔いどれ天使』という映画の劇中歌だそうだ。最初、黒澤は「腰の抜けるような恋をした〜」という歌詞を考えていたが、笠置が「そんなヒワイな歌よう歌いません」と言って、現行の「骨の溶けるような恋をした〜」に歌詞を変えてもらったそうだ。

 閑話休題(こればっかし)、この曲は「ジャングルで〜(ホラじゃんぐるデ!)」、「ジャングルで〜(ホラじゃんぐるデ!)」というクラブの男性による野卑な掛け声があるのだが、月蝕詩劇ライブの客はそこまで協力的ではないので、1日目は天神さんがトランペットを中断して掛け声を掛けていた。後で聞いたらトランペットと掛け声の両立にはなかなか難しい物があったそうだ。
 それが、2日目には、客席にサクラを配置していたようで、ぼくも精一杯声を出して協力した。

 余計なことばかり書いているが、花音菜ちゃんの歌と踊りは迫力満点で、スウィングしていて、本当に良かった。この人はリアル・アーティストで、そのうち大スターになると勝手に思っているけど、もしぼくの見る目が正しくてもぼくのこと忘れないで下さい。

 三上ナミちゃんは、おなじみの「不透明なワルツ」を倉敷あみさんの人形振りと一緒にやった。これも月蝕詩劇ライブならではの豪華な眺め。
 これまたおなじみの「夜のくちづけ」を挟んで、ふだんはピアノの謎の公務員さんとデュエットしている「胸騒ぎのタンゴ」を、なんと花音菜ちゃんとのデュエットで歌っていた。そうとう難しい曲だと思っていたが、ハモっていて、スウィングしていて、良かった。
 ガッツリアイドルっぽい振りがついていて、「暗黒のパフィー」みたいな様相を呈していた。

 1日目、間奏を二人口笛で吹くという趣向があって、へえ〜?と思ったんだけど、2日目はナミちゃんがいつものピアニカを持ってきて、これでちゃんと間奏を吹いていた。そりゃそうだよね。初日ガッツリピアニカを忘れたという、完全な演者のミスによるハプニングだが、女の子が2人口笛を吹いている姿が見られて良かった。でもこんなことあえてブログに書く必要ないね。もう書いてしまったけどね。

劇中歌

 劇中歌は、(1)「黒蜥蜴」に合わせて書かれた劇中歌と、(2)月蝕版寺山修司の芝居に常に出てくる歌と、(3)歌謡曲や童謡という3つのパターンがあって、(1)を湖原芽生さんが堂々と歌っていて、これが良かった。
 湖原芽生さんは詩劇ライブになぜか登場しないのだが、堂々たる歌声で、女賊・黒蜥蜴のカリスマ性と人生の悲しさが詰まった歌だった。いいなあ。
 ぼくは以前から湖原さん推しで、どこにいてもすぐに分かる、個性的でオーラがあるところがすごく好きなんけど、黒蜥蜴の歌が響き渡るのを聞いて、推してて良かったなあ〜と誇りに思った。



 (2)、(3)は三上ナミさんが一手に引き受けているのだが、相変わらずの突き抜ける美声で良かった。ただ(3)の選曲が不思議な感じでウン?と思った。湖原さんの超エロいシーンで唱歌の 〽この道は〜いつか来た道〜 が流れたり、超SMのシーンで童謡の 〽青い目をしたお人形は〜 が流れたりして、こっちはハァハァ興奮している矢先なのに機先をそがれる。あと、沢田研二の「時の過ぎゆくままに」が使われていて、大好きな歌だけどこの選曲もちょっと不思議。まあ、そのヘンな組み合わせというか、シュルレアリスム的な異化作用が月蝕節、高取節なのかもしれない。

 ということで、音楽中心のブログになってしまったが、月蝕は「歌劇団」だから、芝居だけでなく音楽も楽しめる。

 月蝕歌劇団は、明日12日からは同じ学芸大学駅千本桜ホールで「津山三十人殺し」をやる。土日は詩劇ライブもある。こっちも楽しみだ。


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