今日、12月19日土曜日は、浅草橋のギャラリー「parabolica-bis」(パラボリカ・ビス)で、『きのこの国のアリス』展示会のイベント、紅日毬子さんの朗読劇「きのこの国のアリス」を見て(聴いて)来た。
展示会は来年11日まで、紅日さんの朗読は、明日、日曜日もやっているらしい。
面白かった!
機会があったら是非どうぞ。
以下ネタバレ注意。

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警告したからな!

『きのこの国のアリス』は、写真評論家できのこ愛好家である飯沢耕太郎さんの文章に、KYOTAROさんが装画した本である。
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』の続編になっている。
不思議国がトランプの国、鏡がチェスの国を舞台にしていたように、きのこの国を舞台にしたアリスの冒険を描く、という趣向である。

会場のparabolica-bisは、浅草橋にあるギャラリーで、1階に2つ、2階に2つの小さいスペースがある。
今日も4つの展示をやっていて、全部面白かった。

1階でやっていたうちの1つが、ガールズユニット「たんきゅんデモクラシー」のCD発売記念展覧会。
メンバーの少女が描いたイラストや、学校のプリントのような紙で作ったドレス(これが圧巻!)などが展示されていた。
こっちの展示も、奇しくもアリスがテーマになっていて面白かった。

もう1つが中川多理さんによる人形展「少年倶楽部〜午後の放課後」。
少年のドールや、ドールを撮った写真が展示されていた。
傷ついた人形もいて、恐ろしくも可愛らしくて良かった。

2階でやっていた1つが「保坂和志+小沢さかえ『チャーちゃん』」原画展。
絵本の装画である、猫を描いた油絵が飾ってある。
(書きながら思ったけど猫、描、油って字面が似てて面白い)
この猫絵が躍動感があって素晴らしい。
こいつは猫好きにはたまらないよ。

もう1つが「KYOTARO展『きのこの国のアリス』」。
前出の本の原画が展示されていた。
これがすごい。
鉛筆でびっしり、細密に描かれたきのこや、アリスや、ライオンの絵が並べられている。
一本、いっぽんの線が細くて、柔らかに波打っていて、それが大きな絵にびっしりと描き込まれている。
画力、表現力もすごいけど、幻想力、そして1枚の絵に込められた精神力に圧倒される。
あんまり真剣に見ていると頭がくらくらするので、休みやすみ見た。

18時に、アリスの原画前のスペースで紅日さんの朗読が始まった。
今日の毬子様はアリスの衣装で、ブロンドのウィッグ、青のカラコンをしていた。
朗読は「きのこの国のアリス」をちょっとダイジェストしたものということだが、それでも40分以上ほどもあって、朗読する精神力すごいなと思った。
「きのこの国」は原作の雰囲気を生かした作品で、言葉遊びもあって楽しめた。
何よりKYOTAROさんの原画の前で朗読が見られるというのが楽しい。
本の中に迷い込んだようだ。

終わったらアリスということでティーパーティーが催された。
イン・ザ・ダークというブランデーの香りがついたアロマティーと、シュトレンの薄切りが供された。
おいしかった。

一通りお茶を飲んだ後に、改めてKYOTAROさんの鉛筆画を見た。
実は朗読の直前直後は展示が中止されていたようで、改めて明るい照明の中で一枚いちまいの絵を見直すと、返すがえすすごい絵だった。
挿絵と朗読の組み合わせはいいなー。
題材もアリスということで、ひとときの幻想が楽しめた。