数年前まで、いわゆる就職斡旋サイトに登録していた。

Broad chain closeup
もちろんいい会社があれば入ろうと思っていたのだが、結局ご縁がなかった。
就職斡旋サイトに登録して1ヶ月ほどして「あなたのプロフィールに興味を持っている企業様があります! 一刻も早く連絡してください!」というメッセージが届いた。
俺なんかに興味を持っている人がいるんだろうか。
しょうじき、嬉しくて、顔をほころばせてそのサイトに行った。
ところが、その内容が、「マッサージ店のフランチャイズ・オーナー様募集! 初期費用ゼロ! 経験不問! 懇切丁寧に指導します!」というものだった。

フランチャイズというのは、コンビニやレンタルビデオ店のように、大企業が「のれん分け」をして、「オーナー様」が各地で店を展開するものだ。
親となる大企業をフランチャイザー、子となるオーナー様をフランチャイジーと言う。
フランチャイザーはブランドの使用を許し、品物を卸し、いろいろ指導をする。
フランチャイジーは土地や建物を提供し、人員を集め、品物を売って、フランチャイザーに上納金を収める。

就職斡旋サイトが紹介してきた会社は、俺がマッサージ店のフランチャイジーに向いていると思ったらしい。
どうしてか全然わからない。
初期費用ゼロ! というのは、ローン会社を紹介するから借りればいいじゃん、ということらしい。
経験不問というのは、俺にマッサージ店の経営のノウハウ、そもそもマッサージとは何かを一から叩き込んでくれるということだろう。
あまりにも迂遠な話だ。

2年ほどたって、電子家計簿サイト「マネーフォワード」が提供する「お金の育て方」みたいなメルマガで、利用者の相談として「現在サラリーマンですが、マッサージ店のフランチャイジーにならないかというオファーがありました。どうでしょうか」というがあった。
その質問に対して、ファイナンシャル・プランナーの回答者が答えて曰く「そのフランチャイザーがどうか知りませんが、一般論として、フランチャイジーというのは、儲からないんじゃないでしょうか」と答えていた。
その根拠は、
 ・もしその商圏でその商売が絶対に成り立つという勝算があれば、フランチャイザーなんかやらないで直営店を出すはず
 ・仮に儲かったとしたら、その近くに直営店を出して潰しに掛かるという話も聞く
 ・フランチャイズは個性、独自性を出しにくいので、起業としてはうま味がないのではないか
ということだ。

もちろん、良心的なフランチャイザーもいるだろうし、パーッとお店を広げるのにフランチャイズというシステムがWin-Winになるケースもあるだろう。

ぼくはコンビニが大好きだ。
ウォーキングをしていて、二駅も三駅も歩いていると、ふとカレーまん1個と缶コーヒー1本とか飲み食いしたいと思う。
そこで絶対に入るのが、気心の知れたコンビニである。
確実に馴染みのカレーまんと缶コーヒーがあって、正確きわまりないマニュアル接客で出てくる。
これが、地域地域の独自性を出した、ガンコ親父がやっているこだわりの店とかばっかりだったら、逆に息苦しい。
ウォーキングの最中に、お店のアタリハズレなんか気にしていたら気苦労が絶えないだろう。
最近のコンビニはトイレも貸してくれるし、宅急便の配送もしてくれるし、宅急便の受け取り代行もしてくれる。
ファックスも送れるし、受け取れる。
あの多機能プリンターというのはすごいもので、クラウドに上げてあるデータを印刷することも出来る。
この夏の反戦デモでは、例の「アベ政治を許さない」に代表されるプラカードを手軽に印刷できるので話題になった。
24時間煌々と灯りを点けているのは、節電的にどうかとも思うけど、もし町のチンピラに絡まれたらコンビニに逃げ込めばいいと思う。
田舎に旅行していて、なじみのコンビニチェーンの店があったらホッとして入ってみる。
で、おかしな心理なのだが、地元限定のお菓子やラーメンなどを発見しては面白いと思う。
コンビニがある世界はすばらしい。
あれは一つの文化と言えるもので、もっとその価値が認められてもいいのではないか。
ぼくにとっては交番よりもあってホッとする度が高い。
と、こんなコンビニ好きのぼくだけに、さいきんのコンビニ残酷物語みたいなのを聞くと残念でならない。

コンビニの閉店が多すぎる理由が泣けてくるーあるコンビニ経営者の実情 - NAVER まとめ

近所の緑色のコンビニのオーナーは儲けているらしくて、近所に3件も同じオーナーがやっているから、チェーンと場所によっても変わってくるのだろうが。。