アメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんの音声による映画解説コンテンツ「映画その他ムダ話」の「シャイニング」の回を購入して聞いた。

町山智浩の映画ムダ話⑫ スタンリー・キューブリック監督『シャイニング』(80年)。主人公ジャッ...

すごく面白かった。
Timberline Lodge
55分の音声コンテンツで、1回200円だ。
iPhoneでも聴けるけど、パソコンだとmp3ファイルをダウンロードできるので、何回でも聴ける。
情報が濃縮されすぎてて1回聴いたぐらいでは全然よく分からない。
ウォーキングしながら何回も聴こうと思うし、他の音声も買って聞こうと思う。

スタンリー・キューブリック(昔はカブリックとカタカナ表記していた)監督のホラー映画「シャイニング」についての話。
基本的にネタバレなので、「シャイニング」だけは絶対見てから聞いた方がいい。
この映画はいろんな話が断片的に入っていて、何回見てもわけがわからないが、特にわからないシーンを1つ1つ読み解いてくれる。
この番組はリクエストを受け付けていて、あの映画について話をして欲しいというだけでなくて、あのシーンが特に分からないから教えてくれ、というリクエストが出来るという。
ぼくは最近「マップ・トゥ・ザ・スターズ」という映画を見た、がわからないことがいっぱいあったので解説して欲しい。

「シャイニング」の「ムダ話」は最大の聞かせどころはなぜ原作者キングがこの映画に激怒し、今も怒り続けているか? という話。
それはキングがxxを信じていたが、キューブリックは信じていなかったからだ。
しかしながらキューブリックはxxxはなぜか信じていて。。
という話がすごく面白かった。
ぼくは本で(横田順彌の「SF事典」?)、「2001年宇宙の旅」について原作者のアーサー・C・クラークが「キューブリックはUFOのことを本気で恐れていて、それを解いてやるのがぼくの最初の仕事だった」と言っていたのを思い出した。

「シャイニング」についてネタバレなのはしょうがないとして、この作品がインスパイアされた他の作品についてもいろいろネタバレの話が出てくる。
でも町山さんのネタバレの仕方はすごく興味をそそり、逆に観てみたい、読んでみたいと思う。
自分用のメモとして書いておくと
 ・ロバート・ワイズ監督「たたり」
 ・シャーリー・ジャクソン著「山荘綺譚」
   「たたり」の原作。
   映画「ヘルハウス」や山岸凉子のマンガ「汐の声」(これは読んだ。超コワイ)の元にもなっているそうだ。
   そういや「汐の声」は映画「シャイニング」のオチと似ているなーと思っていた。
 ・ダイアン・ジョンソン著「影は知っている」
   ダイアン・ジョンソンは小説家だが、「シャイニング」の脚本にも参加している。
   町山さんは「自分も『進撃の巨人』の脚本に参加しているが、こういう脚本家でない人間が脚本を担当するという手法もある」と言っていた。
 ・ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」
   いぜん持っていたが挫折した。いま思うと字が小さかったからだ。Kindle版が出ているのでたった今買い直した。
などなど。

町山さんの音声で他に面白かったのが、ジャック・ニコルソン演じる親父が「バーボンを飲むのはホワイトマンズバーデンだ」というセリフだ。
これ、DVDの字幕では「白人の呪いだ」と言われているが、実はキップリングの詩で「白人の責務である」という意味らしい。
ホワイトマンズバーデンは、白人の帝国主義を正当化した詩だそうだ。

白人の責務 -- キップリング ( 詩 ) - ヘ短調作品34 - Yahoo!ブログ

へえ!

話はそれるが、この詩は、いかにも白人(米英)はひどいなーという風に読める。
しかし、「三国志」も、蛮族を漢が平定して王風になじませる必要がある(それが蛮族を救うことだ)と劉備、孔明が信じて戦う話である。
言ってしまえば大日本帝国の韓国併合や八紘一宇というのも同じ考え方だから、大国にとって他の国も自分の国なみに文明化してやらねばならんというのは普遍的な考え方なのかもしれない。

他に、シャイニングのジャック・ニコルソンのセリフといえば、なんと言っても「Here's Johnny」が有名だ。
これはジョニー・カースン・ショーというアメリカの「笑っていいとも」的なゲストを招いてトークする番組の決め台詞で、日本で言うと「いいとも」に該当する、と町山さんが言っていた。

ところで、ぼくのオボロゲな記憶だが、これが、昔の字幕では「おコンバンワ」になっていた。
(いまのDVDでは変わっている)
これは、昔の司会者トニー谷の決め台詞だから、意外と元の音声の趣旨を忠実に翻訳していたのではないか。