国勢調査がやってきた。
西暦の端数が5の時は簡易調査、10の時は大規模調査を行うという。
今年は2015年だから、簡易調査だ。

1963 Cleopatra trailer screenshot (48)
日本中で、地域で何人の人がいるか、総務省が調べるというのだが、仕事は何ですかとか、雇い主は誰ですかとか、立ち入ったことを聞かれる。
まあ調査する必要があるだろう。
ぼくが国王でもそれぐらいのことは知りたいと思う。

問題は調査方法で、地域の調査員という人がやっている。
これ、よく知らないが、近所の志が高い人、はっきり言えばお年寄りがボランティアでやってるっぽい。
まあ5年に一回紙を配って回収するだけで生計が成り立つわけもない。
駐車違反をデジカメに収める係と一緒で、臨時のみなし公務員だ。

これまでは手渡しで紙を渡されて、また同じ人に紙を手渡しする手動方式で、ぼくはこれが苦手だった。
来客がない家に、急にゴルフに行くみたいな格好をした人が来る。
それを応対するのが苦手だったのである。

今年からはまず「インターネット回答の利用案内」がポストインされ、インターネットで回答できるようになっている。

これがまた不評だ。

利用案内と書いているが、中には個人番号と初期パスワードが入っている。
こんなものをポストインしていいのか、という話だ。

しかも、封筒が封緘されていない。
調査員の人は、誰の家に入れた封筒のID/初期パスワードが何だったか丸わかりだ。

しかも、浅いポストにただ突っ込んで帰っていく調査員さんも多いと聞く。
頭かくして尻隠さずである。
封筒をただ突っ込んで帰っていけるようなポストであるから、第三者のドロボーも入り放題だ。
ある一棟の団地の、全部のID/初期パスワードを知ることも出来る。
何なら単純に全部封筒を抜いてしまい、ウソの情報を入れてしまうことも出来る。
そこの家の人はそんな封筒が来ていたことは知るよしもなく、調査員の方ではポストインして、誰かが何らかの情報をインターネットで入れた時点でもう仕事完了と思い込んでいるから、その家に関しては、そのウソ情報がまかり通る可能性が高い。

その情報を見て「お前の家は余計な人間がいるじゃないか」と警察が来るとか、税務調査が来るとか、そういう可能性は少ないかもしれないが、何にどう使う情報かわからないのにブキミである。

ていうか、なぜそもそも封緘しないのだろう。
開けっ放しの封筒に、IDとパスワードを入れて、「第三者に渡らないように十分注意して下さい」などと書いているのは神経を疑う。
こんなのをポストインされて、あらぬ批判の目を浴びる調査員さんも大変だ。

さすがにこの件は総務省も批判を受けて、「原則は手渡しで、ポストに入れるなら完全に入るように袋を折るように注意してきた」と高市大臣は言っている。
ほんとに注意してきたか?
あまりにも頭かくして尻隠さず状態の集合ポストの写真が全国から送られてくる。
最初から封緘さえすれば済む話だ。
まさか調査員さんが手内職でいちいち入れているわけじゃないだろう。

とかいって、うちにも早速一通届いた。
ぼくの場合はドアポストに、スッポリ入っていたから、少なくとも近隣住民や、ドロボーの人から抜き取る被害には合っていないと思える。

早速ログインし、入力してみた。
男一匹の1人世帯だから楽なものである。
商売を入れろとある。
自営業のフリーライターと書いてみる。
会社の屋号を入れろと書いてあったから「だから自営業です」と書いてみた。
でもこれ、そういう名前の屋号だと思われたらどうしよう。
まあどうでもいいだろう。

最後まで入れて送信しようとしたらエラーになった。
住宅種別という欄で、「その他」と書いたが、アパートは「共同住宅」と書いて、階数を書かなければならなかった。
それはこっちのミスだけど、画面を戻ると全部消えていた。
頭からやりなおす。
ああめんどくせー。
別に日本の人口が何人でもどうでもいいよ!

今度は間違えずに全部書いて、送信を送ると、ここで新しいパスワードは何かと言われる。
つまり、パスワードの変更なしにログアウトすることは出来ない仕組みだ。
このあと9月20日までの間は、もともと決まっていたIDと、自分で決めた新しいパスワードを使って再ログインし、情報の修正が出来る仕組みだ。

つまり、封緘されていない封筒からIDとパスワードを写しとった犯罪者がいたとしても、彼は新パスワードを入れることは出来ないから、ぼくが入力した情報を知ることは原則的に出来ない。
ただしそれは、ぼくが1234567890とか、そういうアホみたいなパスワードを入れないという前提にもたれよりかかっている。
でもそういう人多いよ。
死んだ親父のパスコンのパスワードが、123だったことがある。

できることは、真の利用者に先駆けて、ウソの情報を入れることぐらいだ。
その場合は、犯人は封筒を抜き取って捨てるだろう。

もし紙を抜き取って、IDとパスワードを写し取り、また元に戻しても、パスワードが変えられていればログインできない。
未入力の場合は、好きなように入力し、新しいパスワードを入れることはできるが、その場合真の利用者がログインできない。

この場合、真の利用者は「国勢調査コールセンター」か地区の役所に問い合わせするから、犯行が露見する。
と、思うけど、そうでもないかもしれない。
別に国勢調査なんかどうでもいいや、と思えば、めんどくさくなって放置する場合もあるだろう。

とりあえずぼくの場合は、ポストに完全に紙が入っていて、元々のパスワードでログインでき、せいぜい難しいパスワードを設定しなおしたので、よしとする。