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今日7月15日水曜日、安保法制の委員会採決が自民党、公明党のみによって採決された。
この安保法制は違憲の疑いが持たれており、自公政権が憲法および立憲主義をないがしろにするものであると言われている。
そうであれば日本の主権在民、平和主義の危機である。
という意味で、多くの人が抗議のデモに参加していると報じられていた。

ぼくはデモと言うものに行ったことがなかった。
学生時代も会社に入ってからもラディカルなほうではないし、そういう友達もいない。
80年代から90年代に青年期を過ごした人、つまり今働いている人のボリュームゾーンはだいたいそうじゃないだろうか。

今日のデモに参加した人は5万人とも言われているが、60年安保は13万人とも33万人とも言われる人が参加したと言う。

1960 Protests against the United States-Japan Security Treaty 07

60年代当時は大学の自治会や労働組合が動員を掛け、なかば義務でデモに参加していたのだ。

今日2015年のデモは、国会正門前の左右に分かれた歩道を、それぞれ半分に警察がタイガーロープで仕切り、車道と反対側の半分におとなしく住民が押し込められて参加した。
車道には普通に車がビュンビュン走っていたのである。
60年代当時の映像を見ると、国会前の車道も民衆が埋め、ジグザグデモをして完全に潰している。
そうじゃないととても何十万人もの人間は入らないだろう。

2015年の民衆は警察官に大人しく誘導されていたが、60年代当時は警察、機動隊だけでは抑えられず、右翼が暴力団を動員していたと言うからひどい話だ。
今は暴力沙汰にはならないから昔より良い世の中とも言えるが、とりあえずずいぶん大人しいデモであったと言えるだろう。
いまの日本人はほとんどノンポリだし、労働組合も学生組織も往時に比べれば壊滅状態だ。
だが政治家は相変わらず、というか昔にも増してどんどんラディカルになっていて、危険な法案をバンバン通して民主主義の限界に挑戦している。
これでいいのだろうか。

とかなんとか言っちゃって、ぼくも今日がデモ初参加である。
今日のお昼には強行採決が行われていて、その夕方に初参加だから泥縄というか、おっとりしすぎている。

そもそもデモとは何か、分かりますか。
英語でdemonstration、示威行動のことだ。
今日のは大勢の人が一箇所に集まってシュプレヒコールをしたり、政治家や学者、市民運動や学生の代表のスピーチを聴いて拍手したりすることによって、今の政治に反対する人の人数を見せつけるという形式だったようだ。

当然いろいろな党派の人がいろいろな場所で活動をしている。
ぼくは18:30から国会議事堂正門前でやっているのが一番メジャーなようなのでそれに参加することにした。

行動予定 | 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動

17:00に地下鉄永田町の駅で電車を降り、国会議事堂前の出口を目指す。
大勢のそれらしき人がズンズン歩いている。
「のぼり」を立てる棒を持っている人が多いのが特徴である。

国会議事堂の前をぐるりを囲む歩道がタイガーロープで半分に仕切られている。
警察がメガホンで「運動に参加される方は車道の反対側に、通行される方は車道側に行ってくださーい。左側通行にご協力くださーい」と言っていた。
これ、警察と運動する人とどこまで話が通っているのだろう。
よくわからないなりに警察に従って左側をズンズン歩いた。
どこが「いい位置」か分からなかったのでぐるーっと回ったのだ。

結局わかったのは、国会議事堂正門前が一応運動の中心である。(当たり前)
向かって右側に「ステージ」があり、そこで政治家がスピーチしたりするので、そこに近い場所が取れると一番楽しめる。
でも今日はお昼から座り込みをしているので、その場所はもうギュウギュウである。
それでもマスコミの人はどんどんその中に後から割り込んでいくので、ぼくも割り込んでいいものかと思ってその後をついていったが、迷惑そうだったのですぐ退散した。
今回は興業ではないので「ステージ」の前に陣取る必要はない。
スピーカーがあってスピーチは聞こえるので、その辺でいい場所に陣取っていれば良い。

18:30の少し前から催しが始まった。
一応スピーチ、シュプレヒコール、スピーチ、シュプレヒコールという流れになっているようだ。
スピーチは岡田克也さんや志位和夫さん、辻元清美さんや上野千鶴子さんなどの大御所から、NGOの代表や学生の代表など、みな真摯で歯切れのいい話しぶりで良かった。
シュプレヒコールは、先導する人がすごく上手くて、それに合わせて声を出していると気持ち良かった。

そのうちトイレに行きたくなったので、一度中心を離れて地下鉄のトイレを使った。
それで、中心に戻ろうとしたのだが、警察官がロープを張り巡らしていて、「この中はもう人が集まりすぎて危険です! いま中心から離れている人達はもう中心にいられなくなった人たちです! もう再び中に入ることは出来ないです!」と叫んで中心に戻ろうとする人を押し返そうとする。

これには疑問があった。

実際には、19:00〜20:00ぐらいがピークで、そのときでさえも中心から100メートルほども離れたら全然場所には余裕があったのだ。
警察は話を盛っているというか、フカしていると思う。
若い婦人警官でさえも同様の警告をメガホンで絶叫していたのが印象に残っている。

民衆の中には警察の言葉に怖気づいてすごすごと中心から離れている人もいた。
ぼくも最初は、警察なんかとトラブルを起こしたくないのでそっちに従った。
警視庁の方まで行ってしまうとスピーカーがないのでスピーチはもう聞こえないが、そこにも少数の民衆が溜まっていて、下を向いて小さな声で唸るようにシュプレヒコールを繰り返していた。

でももう1回中心の方に戻ってみると、民衆の一部は心得たもので、警察のすきをついてロープの左右からどんどん中心に戻っていく。
ぼくもその後ろについて入ってみた。
いったん中に入ってしまえば場所はまだまだ余裕がある。

とまあ、こういうことがあった。
警察が民衆の安全を測って、安全側に倒して民衆を分散させようとしたのか、それともデモを散らせようとする国家権力の陰謀か、よく分からないのだが、ちょっと警察は言い過ぎだと思った。

同時に、ぼくのような一見さん、アマチュア市民にとってデモはまだまだ敷居が高いなあと思った。
警官が危険だと叫べば怖気づいて引いてしまうのである。
これで帰ってしまった一見さんも多いのではないかと思い、ちょっともったいない。

まあぼくも、雨も降ってきたし、明日も仕事や家事をしようと思ったので22:00過ぎには帰ってきた。

ということで、初めてのデモ参加であったが、いろいろ刺激があって面白かった。
ただ、ぼくを含め、民衆側が何回も参加するうちに、もっともっと楽しく、有効にする方法はあるだろう。
とりあえず不愉快なことや危険なことはまったくなかった。

特徴としては、今日集まった人には、運動家や血気にはやった青年だけでなく、普通の学生や、おじさんおばさんが、学校帰りや仕事帰りに、デモにでも行こうと思って「ふらっと」集まった人が多かったということだ。
このふらっとデモにでも行こうかという感覚が、今まで自分の中にはなかった。
他の人にもなかっただろう。
それが変わってきた。
それだけ日本が危険な状態だということだが、「ふらっと」デモになんか参加できるうちは、まだまだ日本にもチャンスはあるとも思う。