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ホリエモンこと堀江貴文氏の本は、以前から気に入って何冊か読んでいた。

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1冊目は「100億稼ぐ超メール術」である。
印象に残っているのは、移動中に携帯電話でメールをある程度スクリーニングする、という話だ。
たとえ5000通メールをもらっても、読む必要がないメール、読むだけでいいメール、「OK」、「了解」、「その日はダメ」、「全然ダメ」という返事さえしておけばいいメール(そういうメールでことが済むように、事前に礼儀廃止というコンセンサスを作っておく)は全部その場で片付けてしまう。
事務所に着いて椅子に座る頃には、ちゃんと考えてしっかりした返事を書くメールは、もういくらも残っていないという。
すべてのメールに同じスタンスで臨んでいてはいけない、という趣旨だろう。
なるほどー、と思った。
さすがに内容は古くなっているが、いい本だ。

2冊目は「徹底抗戦」で、ライブドア事件の告発、裁判についての本だ。
印象に残っているのは、なぜ後年「ライブドアショック」と呼ばれた株の大暴落が起こったか、という話だ。
普通経済事件は金曜日の夕方に強制捜査すると言う。
土日に市場が休みになるので、その間に株主は冷静に考える。
だから市場にもたらす影響はマイルドになる。
しかしライブドア事件について、検察は、あえて、月曜日の午後にテレビカメラを引き連れて家宅捜索に来た。
そのために市場全体を巻き込んだ大暴落になった。
かりに堀江さんや関係者に非があったとしても、株主全員に罪があるわけではない。
株式市場じたいの信用まで毀損したので、他の会社の株まで落ちているのである。
という話だ。
そんなことあるのか! と思った。
この本は今読んでも面白い。
いわゆる「ホワイトナイツ」の正体もちらっと書かれていて面白かった。

そんな彼がオツトメを終えてシャバに出てからの心境を書いたのが「ゼロ」という本だ。
もう出てから1年以上たつ。

面白い、売れているという評判は聞いていたのだが、手元不如意で新刊本に手が出なかった。
ある日ツイッターに(著作権的には問題アリアリだと思うが)この本の1ページを写真に撮って流している人がいて、それを読んで感動した。
先日キンドルから電子書籍が出ていて、キンドル版はセールをやっていたので、買った。

この本は彼の半生記で始まる。
愛の無い両親とのすさんだ生活についてリアルに書かれていて、悲しくなったので読むのをやめようかと思ったが、くだんのページに辿り着くまでは読もうと思った。
大学時代のイケてない話とかも、自虐的に書いている。
しかし、読み終えて思ったのは、すべてが彼にとって必要な話だったということだ。
堀江さんが何が得意で何が苦手なのか、その理由はなにかを分析して書いている。

本書はいわゆる「自己啓発書」だが、いわゆる凡百の自己啓発書とは全然違うと思った。
ぼくは精神的にまいっていたことが一時あって、書店にいくとこの手の本がたくさん売っているので、買い漁って読んだことがあるが、全然元気が出なかった。
いちばん疑問に思ったのが「・・・なのです。」、「・・・なのです。」と、いろいろなメソッドを断定口調で書いていることだ。
あんたどこでそんなこと知ったのだ、と言いたくなる。
たまに、著者の姿が完全に消えてしまう本もある。
言葉が天から降ってくるのである。
素直な人はこれで啓発されるのかもしれないが、なかなかぼくには響かなかった。

堀江さんの本はこういうのと違い、あくまで自分の経験に根ざして書いている。
彼は人とちょっと、かなり変わったところがあって、それは自分でも自覚している。
たとえば世間話が苦手だ、と書いている。
時候の挨拶とか「この人は何のために言っているんだろう」とイライラしながら聞いているそうだ。
そういう話がおりにふれて挟み込まれるので、この本は変わった人が書いているから、鵜呑みには出来ないなと思う。
というか、鵜呑みにさせない構造になっているのだ。
たぶん中高生や、若いサラリーマンに向けて書いている、薄くてわかりやすい本だが、知的な本である。

ツイッターで紹介されたページの内容は「仕事にハマればいい」というものだ。
誰しもが仕事で過ごす時間が人生で一番長い。
だったら好きなことを仕事にして、いつも仕事のことを考えていればいい。
仕事中毒になれば、苦痛もなくなるし、人生楽しいことばかりだし、儲かる。
そんなことはないだろう、と思う方も多いと思う。
ぼくも正直、100%はついていけないと思った。
彼も家庭や、礼儀や、そういうたくさんの世間並みのものを持たずに生きていて、自覚的にその生き方を選択したと打ち明けているのだ。
それでも参考になることが多く、元気が出た。