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昨日、12月14日は、衆議院解散総選挙だった。
この選挙は「何のためにやるかわからない」選挙と言われた。
今もって、分からない。

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"Vote-Box". Licensed under CC 表示-継承 3.0 via Wikimedia Commons.

一応「消費税増税延期に国民の信を問う」ということだ。
でも、消費税の増税延期に、正面切って反対の党ってどこなんだろうか。
今回かりに、民主党が大躍進していたら、消費税は粛々と来年増税したのだろうか。
それはないと思う。
というのは、消費税増税法案には「景気が悪ければ増税しないことも検討する」という「弾力条項」がついているからだ。
いまは景気が悪い。
11月にGDPの「速報値」が出たが、2期連続でマイナス値が出ていたので、大変さわがれた。
しかし「これはあくまで速報値であって、12月にはちゃんと上がっているだろう」という話もあった。
しかし12月に最終的な値が出て、結局マイナス値であった。
アベノミクスといって、日本の成長戦略が大胆に講じられたのだが、今年はマイナス成長だった。

2回めの最終的な値が出た時は、たいした報道がなかった。
なぜだろう。
それと関係があるのかどうかわからないが、自民党から「選挙期間中は特定の政党に有利にならないよう報道するように」という要望が出た。
いぜん同じような要望が野党から出ていたという話もあるが、報道機関の許認可権をにぎる与党から出るのは全然重みが違う。
自民党の要望書をよく読むと面白くて、「コメンテーターの人選にも注意を払う」と書かれている。
質問に注意する、発言に注意するというのは、検閲を認めることで、ひどい話だが、まあ分かる。
しかし、「発言する人間の選択に注意を払う」というのはすごい。
あらかじめ、こういう傾向の発言をしがちな人間を注意して報道機関に呼ぶなと言っているわけだ。
差別である。
事実、「朝まで生テレビ」は、政治家以外のコメンテーターの出番が差し止められて、テーブルの一角がぽっかり空いて放送された。
なかなか騒然とした雰囲気である。
先の戦争前ってこんな雰囲気だったんだろうか。

本当かどうかしらないが、昔は「真冬は選挙をやらない」というのが常識としてあったそうだ。
寒くて大変だからである。
今回はこの冬一番の大寒波が訪れ、日本海側は大雪だったそうだ。
雪のために投票できなかった人も多かろう。
まあ、今後はできるだけ期日前投票を済ませておくということになるのだろうか。

期日前投票というのは、イレギュラーなものなので、特に投票日に用事がある人は使うというものだろうか。
それとも「当日何があるかわからないから一応期日前に入れます」とみんなが思ってわさわさ押しかけてもいいものだろうか。
昨日は政府が「大雪の地方の人は不要不急の外出は避けてください」と言ったそうだ。
そんな日に選挙やるなよ。

衆議院解散総選挙(小選挙区制と比例代表制)と同時に、最高裁判所判事の信任投票というのが行われた。
信任しない人には×をつけろと言われる。
良くわからないから白票で投票すると、全員を信任したのと同じになる。
この制度は良くないから「棄権します」と係の人に言えば、投票せずにすむという話がネットであった。
しかし現実に「棄権します」と言うと「だったら白票をそのまま入れてください」と言われる、という話もあった。
それで「いや、白票を入れると全員を信任したことになって、それはイヤだから、棄権させてください」と言えば良さそうだ。
しかし現実には、係の人と押し問答になったり「キケンって出来るんですかあ」などと大声で偉い人を呼んだりされる、という事件が各地で続発したそうだ。
そんなことで、区役所なんかで、地域のみなさんの前で悪目立ちするのはイヤだ。

前から思ってたけど、あの選挙の投票所の係の人たちって、ふだん何してる人なんだろうか。
役人とも思えない。
妙にお年寄りの、おばちゃんが多いのである。
だいたい、そんなに活躍する機会がないと思う。
バイトだろうか。
そんなバイトどこで募集してるの?
分からない。

最高裁判所の信任投票システムの話に戻る。
ぼくはこう考えた。
この信任投票システムは良くない。良く知らない人を信任するのはイヤだ。
でも棄権なんかして目立つのもイヤだし、係のおばちゃんなんかとイザコザを起こしたくない。
係のおばちゃんなんかとモメるのはイヤだ。おばちゃんもかわいそうである。
悪いのはシステムなのだが、考えてみると、そのシステムで唯々諾々と信任されている最高裁判事も良くない。
そう思ったので、全員に×をして出した。
これはラクチンで、誰にも迷惑は掛からない。
これからもそうしようと思う。

選挙が終わると、「自民大勝」、「民主惨敗」、「いよいよ改憲に乗り出すか」とマスコミ各社が言っている。
ぼくは平和憲法を愛するヘタレリベラルなので、この結果に暗澹たる気持ちになった。
漫才師が投票で戦うというTHE MANZAIもやっていて「世の中って『勝ち負け』なのだろうか?」と思ったりした。

今回、自民党が負けたら、日本株に連動するインデックスファンドを売ろうと思っていた。
「アベノミクス」を好感して市場が加熱気味だと思われたので、選挙で負けたら「アベサンナニヤッテルノ」ということで一気に売られると思ったのである。

お金のことだから、ちらちら選挙を横目で見ていたが、どうも様子がおかしい。
自民党がかすかに議席を減らしているのである。
800億円掛けて、厳寒の中、大雪で出られない人もいるのに選挙して、わざわざ議席減らすのだろうか。
「同じ党の自分に反目する人を減らしたいのだ」とか、「おじいさんの岸信介さんもやったから、自分も一回ぐらい解散をやってみたかったのだ」とか言っている人がいる。
詳しいことはよく分からない。

もともと興味もないので、それはそれで別にいいのだが、株をどうするかが問題である。
ETFと言って、ファンドであっても株同様いつでも売り注文が入れられるのだが、あまりにもマスコミ各社が「自公で安定過半数」、「安倍政権は改憲へ」というものだし、眠いし、面倒くさくなったので、そのまま寝てしまった。
結局きょうになると、株は反落していた。
300円も落ちたから、結構な暴落である。
何万円も損した。
マーケットは素直なものだ。
まあ、いろいろ不思議な選挙戦であった。