昨日に引き続きお金の話。

マネーフォワードを使って家計簿をつけている。
これで銀行の出納、カードの支払いは全部自動的に記録される。
au WALLETも記録される。

自動的に記録されないのが財布の現金だ。
これは当然ながら、買い物するたびにiPhoneのアプリでちくちく入力することになる。
ReceReco(レシレコ)というアプリを使うとレシートをカメラで撮影だけで自動入力してくれるという話であるが、以前使ってみたところ精度が良くなく、コンビニの前なんかでレシートを苦労して撮影している姿が自分ながら怪しいと思ったので使用を断念した。

現金の入力は、家に帰った後でパソコンでまとめてやってもいい。
大画面と大きなキーボードを使って打ち込むので、出先でiPhoneをいじるよりも早い。
だが、レシートをもらう買い物だけならいいが、もらえない場合は何をどこで買ったか忘れてしまうのだ。
メモ用紙に自分用のレシートを作って財布に入れる、などということも以前はしていたが、すぐに面倒になってしまった。
この場合はやはりiPhoneで直接入力した方が良い。

別に家計簿なんて1円単位でキッチリ合わせなくても、十円や百円多少ズレてもへっちゃらだよ的なことをすぐ言う人がいるが、実は1円単位でキッチリ合わせるほうがラクチンなのである。
「この程度の支出であれば起票しなくてOK」などという、どこかの県会議員のような判断を、支出のたびにやることこそが面倒なのだ。
お金を使ったら付ける!
1円単位でキッチリ合わせる!
これを守ればかえって面倒がないのである。

マネーフォワードは「プレミアムコース」にしている。
月500円取られる。
インターネットで家計簿なんか付けて、お金を大切にしているようだが、そのために500円余計に出費するというのはどうだろう。
プレミアムコースに入るメリットは、計算を3つ以上のグループに仕分けられることと、1年を越えて履歴を取っておけることだ。
これ以外にも、何かお金についてメルマガとか送ってくるのだが、これは別にぼくは必要ない。
まあ、マネーフォワードじたい大変便利なサービスなので、500円寄付するつもりで払っている。

意外なのが、Suica/PASMOの出納が記録されないことだ。
(ぼくは私鉄沿線に住んでいてPASMOを使っているので、以下PASMOに統一する。)

PASMOも出納記録を当然サーバーに保持している。
これを「ビッグ・データ」としてよその会社に売るのがプライバシー保護に当たるか当たらないかで大騒ぎになっている。

過去20件までは、カードに保持されている。
駅の切符自販機にPASMOを入れて、過去履歴を紹介すると、20件印字するか、100件印字するか選択肢が表示される。
詳しく知らないが、この20件はカードに入っている分で、100件はさらにサーバーに問い合わせている分ではないだろうか。
100件を超えて、過去ずーっと記録を保持しているかどうかは、よく分からない。

で、このサーバーのデータにマネーフォワードからアクセス出来ないのだ。

過去20件ならカード上に持っている。
これを読みこめばよい。
以前SONYのパソコン「VAIO」などには、この電子カードリーダーがついていた。
SONYのパソコン事業部は撤退してしまい、このカードリーダーがついているパソコンももう売っていない。

外付けのカードリーダーをSONYから売っているので、これを買ってみることにした。

家計簿なんか付けている人というのは、さっきも書いたが、お金を大切にしている人である。
しかるに、その同じ人が、電子カードリーダーなんかをわざわざ買い込むのはどうなんだろうか。
自分のことながらここに疑問がある。
でも2千円ぐらいだし、ぼくはテクノライター、トレンドウォッチャーとして、いろいろなガジェットの使い良さ、あるいは悪さを調べる社会的責務があると思ったので、買ってみたのである。

ヨドバシ・ドット・コムで買ったら2570円で、注文した翌日に届いた。

パッケージの内容はカードを一回り大きくしたようなリーダー本体(厚さは11mm)と、専用ケーブル、ゴミみたいな針金の支持具と、ゴミみたいなプラスチックの支持具である。

20140902_pasori

ゴミみたいなプラスチックの支持具は、机に立てるタイプ(クレードル)で、これを使うとカードを正確な位置でリーダーに密着させられるが、吹けば飛ぶようなチャチなものである。
この手の電子小物を買ってくると憂鬱なのが、こういうアダプター的な、ゴミのようなものをいっぱい本体と一緒に保管させられることだ。
ぼくは部屋が片付かないので、こんなものすぐになくしてしまう。
まあこのクレードルに関しては、なくしても大した影響はないと分かった。

もう一方の、やはりゴミみたいな針金の支持具は、本体にパチンとはめ込むものであって、やはりこれを使ってカードを正確な位置でリーダーに密着させられる。

20140902pasmo

こっちは一度本体にくっつけてしまうとそうそうなくさない。
こっちだけで十分だ。
ていうか、なぜ最初からこれをくっつけた設計にしなかったのだろうか。

専用ケーブルは、普通のUSB A<=>mini Bタイプのケーブルだが、ぶっといフェライトコアが2つついている。
これ、なんか意味あるのだろうか。
日本製の電子小物を買うと、たいていこのぶっといフェライトコアがついてくる。
何らかのノイズ対策だと思うが、こんな「専用」ケーブルをわざわざ本体と一緒に保管しておくのも大儀な話である。
ユーザーの負担が過大な気がする。

マニュアルは、かんたんセットアップガイドと取扱説明書本体の2部構成になっていて、どっちもB4 1枚を8ツ折りにしている。
これが読みにくい!
バサバサ広げて読んでいるうちにすぐに皺だらけになってしまう。
こんなものを保管しておくのも面倒だ。

ということで、使う前のユーザーエクスペリエンスは最悪だ。
こういうところで、なんとなくSONYのエレキが左前になった理由が分かる気がする。
言ってしまえば、Appleとエライ違いである。
おもてなしの心を感じない。

使えるパソコンは当然のようにWindowsのみである。
パソコンに接続するとドライバーのインストールは終わり、ちゃんとカードが読めるかどうかの診断が行われる。

カードが読めたら、読み込みソフトをインストールする。
PASMOの場合は「SFCard Viewer 2」というのが必要だが、これはネットから取ってくる。

他にEddy、nanaco、あとICチップ付き住基カードというのも読める。
住基カードは以前プライバシー大論争になったが、その後トンと聞かなくなったが、こんなところで生き延びていた。
これを使えばe-Taxと言って、自宅で納税申告が出来るそうだ。
日本中で何人ぐらいが使っているのだろうか。

PASMOを挟んで「SF Card Viewer2」を起動すると、PASMOの残高と、過去20明細の出納が出てくる。
ここで、思いっきりぼくの過去20明細のPASMO履歴を世界に向かって堂々と発信するが、こういう画面が出てくる。

20140902SFV

鉄道駅が2つ書いているのは当然その間を電車に乗ったということだ。
PASMOで乗るときは消費税を1円単位で精算できるので半端な金額になっている。

相互乗り入れの場合は「東急武蔵小杉〜メトロ六本木」のようになっている。
中目黒で東急東横線から東京メトロ日比谷線に乗り継いだわけだが、金額は一括されているのだ。

「窓出」というのは窓口から出るという意味である。
8月20日は、六本木で日比谷線に乗ろうとして、間違えて大江戸線の改札をPASMOで通ってしまった。
そこで駅員さんに口頭で申し出ると、ピッと入場を取り消してくれた。
これが「窓出」で、ゼロ円の明細がついている。
正式な読み方はわからない。
マドデでいいのだろうか。

物販はコーヒーとかスポーツ新聞などをPASMO精算で買うことだ。
オートチャージはカードから引き落とすことだが、ここで思いっきり半角カナが使われている。

ということで見事に読み込めたが、この明細画面を見てちくちく履歴をマネーフォワードに打ち込むかというと、当然そんな面倒は掛けられないわけである。
この画面をExcelなどで読み込めるCSVファイルにエクスポートでき、マネーフォワードはCSVファイルのインポートもサポートしているので、自動的に行うことが出来る。
ところがこれが意外に手間取った。
明日書く。