今日6月27日金曜日、新中野のライブハウスNOVで、「紅椿梗子一座」旗揚げ公演「姉弟心中〜デュアルハーツ〜」を見に行った。
紅椿梗子(べにつばき・きょうこ)さんは月蝕歌劇団、少女人形舞台でも活躍していた夢乃菜摘さんの改名後の芸名である。
愛称は紅子さんと言うそうだ。
弱冠18歳の女優さんだが、月蝕歌劇団の「家出のすすめ〜サード編〜」での体当たりの演技が印象的だった人だ。

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紅椿梗子ひとり芝居 姉弟心中〜デュアルハーツ〜
それにしても18歳かー、すごいなと思う。
自分が18歳の頃は何をしていただろう。
合唱部で活動したり、文章の練習をしたり、いろいろしてはいたが、もっとぼうっとしていたと思う。

4月に同じNOVで開催された少女人形舞台公演で、夢野さんが紅椿さんに改名すること、旗揚げ公演を6月に開催することが告知された。
その後さらに告知があって、旗揚げ公演は紅子さんの一人芝居で、後半に少女人形舞台のレビューが付くという話があった。

先週、壮行会という、ファンミーティングというかお茶会があって、ぼくはそっちにも参加していた。
柏木亜優美さん改めあゆみっくわぁるどさん(この表記がいろいろ揺れているようだ)が進行役だったが、主役の紅椿さんがリラックスしていて、進行のあゆみっくわぁるどさんが緊張しているのが面白かった。
そこで聞けた話としては、「家出のすすめ」でも弱冠体当たりのシーンがあったが、もっと体当たり演技が「姉弟心中」にはあるということだった。
ぼくが「体当たりの演技って相手役あってのもので、一人芝居で体当たりって難しくないですか」と聞くと「そうなんですよ〜!!!」ということだった。
以前から演劇に携わる人の裏話や、心情を聞きたいと思っていたので、このお茶会は参加して良かった。

それでいよいよ今日初舞台を見に行った。
いつも遭遇する問題だが、演劇の評を書くとネタバレになるのが困りものである。
今日の舞台も一部でも紹介するとネタバレになってしまうので、これから見に行く人はここでさようなら〜
土日と2回公演ずつ、合わせて4公演残っている。







警告したからな!

一人芝居というのを見るのが初めてで、どういう風に進行するのか見当がつかなかった。
具体的にはAさんのセリフを言ったあとに、人格が変わって、Bさんのセリフを言ったり、Aさんのまま「〜だって言うの? それは〜よ」のように相手のセリフを繰り返して自分のセリフを継いだりする。
結構難しそうだが、自然で入り込めた。

以前から演劇というのは複数の人が出ているけどいっぺんに一人の人にしか注目出来ないのが面白いところでもあるが難点だとも思っていた。
でも一人芝居は、一人の人を集中的に見ることができるので、かえって演劇の世界に入り込める利点もある。

「姉弟心中」という舞台は、一人芝居という、一人の人が複数の人格を演じる形式が、ストーリーの内容に実は掛かっている。
そして、「デュアルハーツ」という副題が内容に大きく関係がある。
殺人事件ではじまるミステリー的な趣向もある。
一人芝居というだけで普通と違うのに、時系列や空間が飛ぶと分けがわからなくなってしまうが、そこは順序良くわかりやすく構成されていた。

体当たり的なシーンがいくつかあったが、それにしてもラストシーンは衝撃であった。
正直「うわー!」と思ったが、そこまでのストーリーに入り込めて、特に「弟」がかわいそうで悲しいなーと思っていたので、衝撃よりも感動が大きかった。
でもとりあえず衝撃のシーンがあって、いい意味で衝撃を受けた。

後半はレビューで、少女人形舞台の選抜舞台の踊りがあった。
ご贔屓のあゆみっくわぁるどさんが司会をする、という話だったが、サーカスの団長的な趣向の司会で、これも面白かった。
少女人形舞台がどうやって作られるかという話もあって興味深かった。

舞台が終わってあゆみっくわぁるどさんと紅子さんに挨拶が出来た。
演劇中は役者も観客も緊張していたが、緊張が解けて感動を伝えられるのも小劇場のいいところである。