消費税が4月1日に上がる。
4月1日に今日から税金が上がりました、と言っても、ウソだと思われるんじゃないかと思うが、3月31日まで5%だったのが、8%になるそうである。
今後については今年末まで議論して、来年10月には10%になるそうである。

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ものの値段が8%も10%も上がったら大変だよ。
税金を増やして最悪の日本の財政を建て直すと言われているが、一方で法人税を下げると言われている。
それだと要するに庶民のお財布から大企業にお金が移動するだけで、単純に財政再建とはならない気もする。

ヨーロッパでは25%とか30%とか言うけど、ああいう国は水やパンは0%である。
消費税率ではなくて消費税額では日本は世界トップクラスである。
日本の消費税は「ヨーロッパ」よりも遥かに安いキリッと思っている人に見てほしい。 - maachangの日記

ちなみに日本で良く「外国の進んだ国では」というときの基準になりやすい世界の先進国アメリカでは、消費税は0%である。
ではどこで取っているかというと、法人税で取っている。
世界の法人税(法定実効税率)ランキング - 世界経済のネタ帳

だから「日本は外国よりも消費税が安く、法人税が高い」という場合の外国とはヨーロッパのことであって、アメリカは消費税がなくて法人税は日本より高い。
これは結構意外な気がする。
欧米は先を行っているから学ぶべき、という姿勢を我々日本人はどうしようもなく持っているが、アメリカとヨーロッパで考えが違うのである。

零細企業は消費税で儲かる場合がある。
これを益税と言う。
輸出企業は消費税で儲かる場合がある。
これを輸出戻し税と言う。
このへんもカンタンに調べて知ったかぶりを書こうと思ったけど、よく分からなかったので書けない。
スミマセン。

さて、ここ数日は消費税アップに備えて主婦が買い溜めに走っている、という話がニュースを賑わせている。
基本的に主婦がお店に詰めかけている映像はテレビ局が大好きなので、この問題をクローズアップするのは自然な流れである。
ぼくにしたら、主婦がお店に詰めかけている映像なんて全然おもしろくないから、夕方のニュースは見ないことにしている。

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まあ消費税が上がることが分かっているとき、あらかじめものを買うのは自然な行動に思える。
ただ、絶対に必要なもの、絶対に好きなものを買うという原則に従うべきであろう。

よくトイレットペーパーを買う、という映像が出てくる。
トイレットペーパーはただでさえ12ロールとかで売っていて、巨大な包みをワゴン車に載せるイメージがある。
おしりは絶対に拭く。
だから買って損をしないような気がする。
でも実際には、あんなの買い溜めしない方がいいような気がするのである。
だいいち場所ふさぎである。
ものを買うときは、それを保管するときの地代家賃も払っているのである。
他のものが置けなくなる。
続いて、管理費が発生する。
トイレットペーパーなんて、洪水で家が浸水したら真っ先に使えなくなるのである。

シャンプーや洗剤の詰め替えパックもほどほどでいいと思う。
ぼくは近所のドラッグストアでシャンプーの安売りをしているときに発作的に大量に買ったが、その後に以前書いた「タモリ式入浴法」を始めたので要らなくなった。
しょうがないから家に麻雀しにくる友達に引き取ってもらったのである。
大損だが、引き取ってもらってスッキリした。
こんまり先生の教えではないが、家にはものが少ないほうが良い。
生活用品なんか買いこんで、税金が上がっても、たいした節約にはならない。

しかし、せっかく消費税が上がるのだから(この言い方もおかしいが)、何か買っておきたいと思った。
パソコンもiPhoneもまだ十分に新しい。

ぼくは、金貨を買ってみることにした。
たまたま東京の丸の内に行く用事があったので、三菱マテリアルのゴールドショップに寄ってみた。
前から金貨が欲しいと思っていたのである。

橋本政権で消費税が5%になったときは、店の前に行列が出来たということであるが、この日はぼく以外にお客さんが1人もいなかった。
別に不審者扱いされることも、ぞんざいに扱われることもなかった。

それよりもATMからショップまで現金を輸送するのが神経を使った。
道を往く人が全部かっぱらいに見える。
事前に電話してみると、カードで買えないとのことで現金を輸送することになったのである。
他に身分証明書が必要ということであった。
パスポートでいいですかと聞くと、住所が書いてあればいいとのことである。

お店の奥に通される。
優しそうなお姉さんで良かった。
オーストリアのウィーン金貨と、オーストラリアのカンガルー金貨と、カナダのメイプルリーフ金貨とどれがいいですかと聞かれた。
せっかくだから1枚ずつ買ってみた。
ミーハー丸出しである。
びくびくしながら持って帰った。
ミッション完了である。

金貨は、換金性が高い金の固まりで、お金が欲しい時には売ることが出来る。
ただ、金貨をお店で買うときは、買値が高く、売値が安いので、個人はそれだけ損をする。
今は1オンス買うと15万円で、売ると14万円ぐらいである。
金を買うだけで1万円損をすることになる。

この他に、買うときは消費税を払い、売るときは消費税をもらう。
消費税は税金であるから、預かるだけで、本来は国家に収めなければならないが、個人が取り引きする量はわずかであるから、収めなくて良い。
これが零細企業の益税である。
15万円の金を消費税5%で買うと、7500円の税金を払わなければいけない。
(このお金を三菱マテリアルは国家に収めている。)
14万円の金を消費税10%で売ると、14000円の税金をもらえる。
(このお金はもらっておいて良い。)
差し引き6500円の得である。
もっとも、さっき1万円損をしていたから3500円損をすることになる。

さらに、金は相場性商品であって、値段が乱高下する。
いまちょっと調べてみると、先週の金曜日に買値が156,033円であったのが、今日は153,783円になっている。
ぼくは先週の金曜日に買ったので、4日間持っているだけで2250円損をしたことになる。
マジカー。
上の損と通算すると5750円損をすることになる。

ううん、こうやって計算すると、買って損したかなー。
(ていうか確実に損したわけだけど)

結局、売りたくなった時の相場が一番大きな要素である。
消費税はあまり関係なかった。
こんなこと、ちょっと計算すればわかるから、買う前にこのブログを書けば良かったのである。
俺のバカバカ。

ぼくが買ったのは先週の金曜日だったが、ウクライナ情勢が不安であったのと、大寒波によるアメリカ景気の冷え込みがあったので、高くなっていた。
人間、不安になると、通貨や株を手放して実質のある金を買うそうだ。
今後は、春が来て、ロシアもなんとなくクリミア編入で落ち着きそうなので、不安要因が減るから、今後は安くなりそうだという話である。
しおしお~

ではもっと長期的に、今後金は高くなるか、安くなるか。
これがわからない。
上に述べたように、戦争があると不安が高まるから高くなる。
でもぼくは、自分が持っている金貨の価値を上げるために、戦争なんか起こって欲しいなどとは思わない。
ふつう思わねえよ。
でも、希望するしないに関わらず、今後の国際情勢が不安か安心か予想する心構えは必要である。
ぼくは最近の国際情勢は何かときな臭いと感じているので、金ぐらい持っていてもいいかと思う。

あと、インフレになると当然金の値段も上がる。
安倍政権はデフレ脱却のためにターゲットを定めて人工的なインフレを起こすと言っている。
これが、人によっては、制御不能なインフレを招くという人もいる。

経済学って、数字数学を多用する大変むずかしい学問であるが、ちょっとぐらい調べてみてもすぐにわけがわからなくなる。
学者によっていうことが正反対なのである。
自然科学ではありえない。
いまSTAP細胞があるかないかでモメているが、それどころの騒ぎではない。

しかしお金の問題は自分の問題であって、たとえ経済学がチンプンカンプンであっても、自分のお金をどう持つかという高度に経済学的な判断を誰もがしなければならない。
財産の大部分を金で持っている、007の小説に出てくるゴールドフィンガーのような人は、インフレになると大儲けし、デフレになると大損する。
財産の大部分を現金(お金。マネー)で持っている、我々一般庶民は、その逆である。
しかしインフレになるか、デフレになるかは、わからない。
分からない以上「もし」大幅なインフレになった時に備えて、財産の一部を金にすることぐらいいいのではないかと思う。

ということで、必死に自分の過去の行動を正統化しているような流れの文章になったが、とりあえず金貨をちょっぴり保有してみることにした。
ただ、個人は小売店の儲けに払う分が大きいから、消費税がしょうしょう上がるぐらいで大慌てで買う必要はとりあえずない。