ぼくは、パソコンのディスクドライブはシステム&アプリケーション用(Windowsで言うところのC:ドライブ)は250GBのSSD、データ(動画とか音声とか)はUSBの2TBのHDD、というパターンにしている。
3TBを超えるとOSによってはまだまだアクセスできない場合があるので使いにくい。

HDDはI-O dataのこの製品が気に入っている。

この製品を大量に使い始めて4年目で、そろそろもっと性能の高い製品が出ているかもしれない。

さて、先日ハードディスクレコーダー、東芝RD-X9の動画を保存している外付けHDDが認識しなくなるというトラブルがあった。
2TBパンパンに入っていたのだが、RDにつないで「見るナビ」(データ一覧画面)で見ると「表示するデータがありません」というダイアログが出る。

バックアップを取っていなかった。
地デジのダビング10コンテンツは、移動しか出来ない。
ひとつひとつの番組を選択してコピーワンス状態にコピーすることは出来るが、そこまではしていなかった。

東芝RD/レグザのHDDはUDFフォーマットで、MacでもWindowsでも読めない。
Linuxでは読めるので、Ubuntuマシンでマウントして中身を見てみた。
正常に番組が入っているように見える。
2TBパンパンだ。

ファイルの存在は確認できるが、当然パソコンから動画を見たりコピーしたりすることは出来ない。
RDの外付けHDDは、RDに「登録」を行い、一度登録するとそのRDでしか使えない。
RD-X9のマザーボードの基盤と何らかの暗号化された形で結びついているからだ。
これはテレビ番組の権利者を保護するために行われていることである。
(無料のテレビ番組の権利を保護しているのは日本と南米ぐらいである)

ということで、困った。

HDDをまるまる、ビットとしてデッドコピーすると使えるのではないか、とも思った。
こうすれば暗号状態もコピーされるので、登録状態も転写されるのではないか。
もしHDDにハード的な不具合があるのなら、それで別のHDDにコピーすればトラブルを回避できるのではないか、と思った。

HDDのデッドコピーはLinuxでddコマンドを使えばできるが、何時間かかるか分からないし、その間そのマシンを別の用で使うのも怖い。
ということで、専門機を導入することにした。
いくつか種類があるが、ここではセンチュリーの「裸族の双子」を使った。

「裸族」シリーズはHDDをケースに入れずそのままアクセスできるという意味で、他に裸族のお立ち台(SATAディスクを差してUSBでアクセスできるようにする)とか裸族の集合住宅(同様に5台のHDDを接続できるようにする)などの製品がある。

「裸族の双子」も2台のSATAのHDDディスクをマウントしてコピーするマシンだが、さらにUSBもついていて、2台のUSB-HDDをデッドコピーすることが出来る。
2つのSATAポートとUSBジャックを備え、ddコマンドだけが使えるパソコンという感じである。

アマゾンで注文すると、その日のうちに届いた。
これが便利過ぎて、どんどんものを買ってしまうから注意が必要だ。

さて、HDDをコピーする。
奇数ポート(SATAの1番とUSBの3番)が読み込み専用で、偶数ポート(SATAの2番とUSBの4番)が書き出し専用という超緊張する仕様だ。
「工業デザイナーはテプラ貼られたら負け」という言葉があるそうだが、奇数ポートには「読み込み用」、偶数ポートには「書き出し用」というテプラを貼ろうかと思う。

20140203_razoku1

HDDを接続してから電源を接続し、小振りのLED画面と十字キーで操作を選択する。
コピーを選択すると「4番のディスクは完全に消えるけどいいですか」と言われる。
大丈夫なんだけど、やっぱり緊張する。

実行する。

経過データ量、経過時間、予想残り時間が交代に表示される。
2TBパンパンで13時間だそうだ。
予想より短いが、まあまあ許せる範囲だ。
騒音もそれほどしない。
寝室の隣の部屋で作業したが全然音が聞こえなかった。

ということで、13時間かけてようやくコピーできたが、結果からいうと、コピーしたHDDもRDでは「表示するデータがありませんでした」となった。
2万円掛けて「双子」を買って、13時間作業したのに無駄足だ。
ショック。

でも、その2週間後に「双子」と2TBのHDDを買っていて良かったと思ったことがあった。
Windowsマシンの外付けHDDも同じのを使っていて、1TBぐらい使っているのだが、急に認識しなくなった。
USBポート周りのトラブルらしく、持ち上げたら認識したり、また床に置いたら認識しなくなったりする。
不安定な状況である。

それで、ダメ元でRDのコピー用に買っていたHDDに「双子」でデッドコピーしてみることにした。
全部同じI-O dataの同じ2TBでそろえているので、こういう時考えることが少なくて便利である。

こっちも8時間ほど掛かったが、見事コピーされ、復旧することが出来た。
それにしても、Windowsマシンでは認識が不安定だったHDDが、「双子」では8時間連続アクセスされっぱなしで安定して作動したのはおかしい。
PC側のUSBポートに問題があったのかもしれない、と思ったのだが、コピーして作成した新しいHDDを差したら問題なく使える。
「相性」かとも思うが、前のHDDとPCの組み合わせでかれこれ2年以上使っていたのである。
「倦怠期」であろうか。

まめにフルバックアップしたり、RAIDを使って二重化すると安全かというと、そうでもない。
良くないデータが原因で不具合が生じたとき、その不具合状態までそっくり二重化してしまうことがあるからだ。
やはり週イチぐらいでコピーするのがいいかもしれない。
「双子」はそういう用途にもいいかもしれない。
RDの外付け救出作戦がうまくいかなかったので速攻手放そうかと思っていたが、持っていると何かと便利なので置いておくことにする。
助かった。