勤めていた会社の元同僚で、イノセさんという人がいる。
ハードロックが好きで、SFが好きで、話が合ったので、親しくしていたが、ある日急に会社勤めを辞めて引っ越してしまった。
山梨県に移り住んで、カスタムメイドの編み物の自営業をすると言う。

親しくしていた人が引っ越してしまって、寂しくはなるけれど、もともと登山やウィンタースポーツが好きで、四駆を運転している人だから、田舎暮らしで自分の夢をかなえられて良かったなーと思っていた。
それにしても、都会で会社勤めをしていた人が、急に環境も仕事も収入形態も変えるのは大変である。
すごいなーと思った。
ぼくもそのうち自分の好きなことだけを追い求める暮らしをしたいと思っていたので、偉大な先輩の一人である。

イノセさんのブログにある日、ポッサムという動物の糸でデミグラブという指がない手袋を編んだという記事が載った。
(正確にはポッサムメリノと言ってメリノウールという糸とのミックス)

デミグラブ&ポッサムのこと : ひつじ丸な日々

ポッサムはニュージーランドに生息する有袋類の一種である。
Orphaned Possum (8025629759)
最初オポッサムのことかと思ったが、全然違う動物らしい。
ただしオーストラリアではオポッサムのことをポッサムと呼ぶこともあるらしいのでややこしい。

ポッサム - Wikipedia

オポッサム - Wikipedia

デミグラブというのは指なしの手袋のことだそうだ。
5本指がバラバラに指先だけが出ているのではなく、ミトンのように親指だけが独立している。
あとの4本は同じ穴から出ている形。

冬は手が冷たいので億劫だが、手袋をするのも大儀なものだ。
iPhoneが使えないのである。
ぼくは人生の半分以上をiPhone経由で行っているので、これが出来ないと痛いのである。
しかし手袋をしていなくても結局指がかじかんでしまうのでiPhoneが使えなくなる。
困る。

指先に導電性を持たせたスマホ対応手袋と言うのもあって、いくつか使ってみたが、気に入らなかった。
やはり隔靴掻痒というか、指先がないとタップとかドラッグがしにくい。
話題の指紋認証もできない。
iPhone以外にも、歩きながらお菓子を食べたりするのもやりにくいのである。

それで、この形のものはいいなーと思っていたら、イノセさんの方から作ろうかと言ってくれたので、渡りに船で早速お願いすることにした。

Mayumi Inose - Mayumi Inoseさんがリンクをシェアしました。

色はどうすると聞かれたので、本体はダークブルーで差し色はイエローにして欲しいと言った。
すると糸の色見本をメッセージで送ってくれた。

色みほん

おーこれこれ、これでお願いします、と言うと、今度は手のサイズを測ってくださいと言われた。

手のサイズ


ダイエット用のクローバーの腹囲メジャーがあったので、早速計測してサイズを送った。



それにしても、イノセさんとはリアルにはもう何年も会っていないのである。
それでもここまで細かい打ち合わせが出来る。
インターネットは便利で楽しいなーと改めて思った。

それで、出来たのがコレである。

トラックボール


写真はトラックボールを使っているところだ。
いや、別にことさらにこんなことをしなくてもいいが、全然問題なく操作できる。

東京はまだ暖かいというかぼくには暑いので、部屋の中でクーラーを掛けているが、手袋を着けたままキーボードを叩いてこのブログをここまで書いてみているが、ぜんっぜん問題がない。
これならいちいち付けはずししなくても買い物とか用事が済ませられるのではないだろうか。

あと、本格的に冬場の野外で指先が冷たくなったら親指以外の指を握りこむことも出来る。

にぎる


いや、ことさらにそんなことをしなくてもいいのだが、要するに普通の手袋より自由度が高く、ぜんぜん拘束感がない。
ぼくはやたらと気にしいで鬱陶しがりなので、助かる。
そして、暖かい。
さすが動物の毛だけあって、あたたかい暖かさである。(なにそれ)
早く寒くなって、ウォーキングのときに装用するのが楽しみだ。

ということで、今日は友達の商売をステマというかアカラサマに宣伝するような流れになったが、イノセさんは糸を「つむぐ」ところからもやっているそうなので(どういう状態かぼくはまったく想像できないのだが・・・)興味がある方はブログやフェイスブックにアクセスしてみたらどうだろうか。
ブログには猫ちゃんのかわいい写真もたくさん載っている。