本を読んだら、ブログで感想を書けばいいと聞いた。
週に一冊は書きなさいだそうだ。
しかしながら、そう思って今週読んだ本3冊が、3冊ともものすごくつまらなかったのである。
つまらない本を読んで、わざわざ書評でくさす趣味はない。
こういう場合はどうすればいいのだろうか。

ということで、もともと好きだった本を紹介する。
女流作家パトリシア・ハイスミスのサスペンス「イーディスの日記」である。



と、思ったが、いきなり困った。
この本について、1行でもまともに内容を書こうとすると、いきなりネタバレになってしまうのだ。
ミステリーは大体ネタバレ厳禁なものである。
例外はルース・レンデルの「ロウフィールド館の惨劇」(Amazon)ぐらいであろうw

「ロウフィールド」みたいな変り種の本以外は大体ネタバレしてはいけないが、「イーディスの日記」ほど一文字も紹介出来ない本と言うのはめずらしい。
本当に好きな本とはそういうものだろう。
まあ言えることとしては、イーディスという人が出てきて、日記を書いている。
興味がある人は是非お読みください。

もっとも、上のアマゾンのリンクを見れば分かるが、絶版である。
絶版でも別に困らない。
アマゾンで130円で古本が買える。
もとの文庫本より全然安いし、メール便で来るから手間いらずである。
困るのは、出版社にも翻訳者にも、ハイスミス(の遺族)にも一円も入らないことだ。
これは読者としても困る。
でもこれは、すぐに絶版にする出版社が悪いのである。
早く電子書籍に。
でもこの話もう書いたね。

ハイスミスと言う人は「太陽がいっぱい」や「見知らぬ乗客」、「アメリカの友人」と言った映画の原作になった作品をいっぱい書いている。
旅行や上流階級の暮らしぶりが多く出てくる、人間関係のサスペンスが多くて、記述トリックが少ないので映画化しやすいのであろう。
映画にも名作、佳作が多いが、小説はもっと、本当にいっぱいあって、しかもすべて翻訳され、文庫になっている。
問題はその文庫が、ほとんど絶版になっていることだ。
いきおいアマゾンにすがることになる。

「太陽がいっぱい」はマット・デイモン主演でより原作に忠実に再映画化していたが、やはりドロン版の方がカラッとしていてよかった。
ちなみに「ミス・リプリー」という韓流ドラマになるということだが、韓流ドラマというのはどうも顔が日本人と一緒なのに吹き替えというのが違和感があって食わず嫌いで見ない方である。w

ハイスミスと並んで、女流ミステリー作家には人間関係の嫌な面を楽しめる作品を書く人がいっぱいいる。
(嫌な楽しみだなあ・・・)
有名どころでもマーガレット・ミラー、上にも出てきたルース・レンデル、日本にも戸川昌子などがいる。
一時期どの作家もハマって読んでいたが、やっぱりハイスミスがすばらしい。
嫌なだけじゃなくて、どこか甘さ、高貴さがあるところがいいのよね。

特に「イーディスの日記」は好きだ。
 ミステリーは筋書きが複雑なのが多いのであまり素直に楽しめないところがある。
その点「イーディス」は筋書きが単純なのもいい。
筋が単純なだけに、人間というものの複雑さを、心から味わえるのである。
ああ、内容を書きたくなってきたのでこのへんで。

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