数年前に、急に視力が落ちた。
もともとサルトル級の外斜視であって、両眼視が出来ていない。
常に片目に負荷を掛けているので、疲れ目もひどかったが、視力的に支障は感じなかった。
それが急に見えにくくなった。
なにしろパソコンの商売であって、目が見えないと致命的である。
人間は目とか手とか歯とか、ちょっとした体の部分にものすごく負荷が偏っていて恐ろしい。
この辺について神様はもっとがんばる余地があるのではないか。

眼科に行って、メガネを勧められた。
もともとメガネを掛けた方がいい視力ではあったのだが、避けていた。
ぼくは痛み、痒さ、うっとうしさなどの感覚がものすごく鋭敏な方だ。
いわゆる関西人の言うところの「気にしい」であって、鼻にメガネを乗せてガラス越しにゆがんだ世の中を見るということが、とても耐え難く思えたのだ。

ここまで40何年もメガネなしで抛っておいたのも良くなかった。
人間は若いうちに、柔軟性/可塑性があるうちにやっかいな習慣を身に着けたほうがいい。
老境に入って急に変わったことを始めるのは、辛い。

しかし、見えないと困る。
背に腹は変えられないので、メガネをあつらえて掛けてみた。
ものすごく辛い。
予想をはるかに超えて、ちょっと考えられないぐらい辛いのである。
大げさですか。
ていうか本当にぼくはこらえ性がないのだと思う。

鼻に重さがずっと掛かっている。
いつもズレるのを気にして顔に力が入っている。
耳にも痛みを感じる。
頭痛がし、肩が凝り、だんだん鬱症状が出てくる。

いろいろな軽いメガネを探した。

同僚の勧めで、高級店で3万円ぐらいするのを買ったが、これもダメだった。
金属製なので、冷たく、耳あたりが鋭い感じが気になったのだ。
テレビで宣伝している、これ以上軽いのはないというのも、同様に金属感がダメだった。

我慢していれば慣れるのだと思う。
しかし、慣れるまでにうっとうしくなって外してしまう。
眼科医に言わせると、大事な仕事をしていないときも常に付けているほうが目にはいいそうだ。
それで、朝の9時から掛け始めるが、11時ぐらいにはもう耐えられなくなる。
早いよ!
こらえ性がないにもほどがある。

しかし、1年近い試行錯誤を経て、やっと1日掛けていられるメガネのコンビネーションを発見した。
ここに発表する。

IMG_0010

まず、メガネは、JINSという安物のメーカーの、最も軽いものがよい。
商品名は Air Frameである。
軽いだけでなく素材がプラスチッキーで、密度が小さく、顔当たりが優しい。
重量ではなく密度(空気中の浮力)も大事だと思う。
ただ、この製品は滑りやすいのが難である。

そこで、ここに鼻の周りに貼るゴム製のシール「セルシール」と、耳の後ろにつけるズレ落ち防止の「メガロック」を付ける。
両方着けるのがコツである。
これでメガネが顔にガッチリ固定され、ズレ落ちを気にする必要がなくなった。

こんなの人によって合う・合わないがあると思う。
しかしながら、あまりにも自分には合ったので、この場を借りて世界に発表する。

Subscribe with livedoor Reader
Add to Google
RSS
このエントリーをはてなブックマークに追加