★本ブログは来週(7/30~8/3)はお休みします★

連載の第4回。
今回はアルバム『スウィートナイター』から紹介する。

アルバムのタイトルは子供用の頭痛薬の商品名から来ているそうだが、内容は硬派で男っぽいアルバムである。

オープニングの「ブギ・ウギ・ワルツ」はザヴィヌルが死ぬまでライブで演奏していた曲だ。
ただし、後で紹介する「バディア」とメドレーにして弾いていた。

「ブギ・ウギ・ワルツ」を聞いて感じるのは、ファンキーなリズムとはっきりしたメロディだ。
この曲は明らかにザヴィヌルが主導で作っている。
脅迫的に興奮する名曲だが、明らかにウッド・ベースではなくエレキ・ベースの方が、エレピだけではなくシンセもあった方がいいのに! と思う。
ウェザー開花前の作品だ。

2曲目は一転してショーター主導のミステリアスな曲だ。
1コーラス目と2コーラス目の速さが全然違うのが面白い。
この曲の中でザヴィヌルはまた効果音的にシンセを試している。

このアルバムからヴィトウスに加えてアンドリュー・ホワイトという人がエレクトリック・ベースで参加している。
アンドリューは「自分がファンクをウェザーに導入した」という趣旨で雑誌に寄稿したりしていたそうだ。

次の『ミステリアス・トラヴェラー』でザヴィヌルはシンセサイザーを大々的に取り入れ、エレキ・ベースにアルフォンソ・ジョンソンを得る。



1曲目の「ヌービアン・サンダンス」は明らかに別録りされた観客の歓声が入っていておかしい。
これは洋楽を聴いていると時々あるけどカッコイイとされているのだろうか。
ちなみにボックス・セット『Forcast: Tomorrow』にはこの曲のホンモノのライブも入っている。



『ミステリアス・トラヴェラー』に戻るが、このアルバムの2曲目「アメリカン・タンゴ」を最後にヴィトウスがバンドを去る。
この「アメリカン・タンゴ」はヴィトウスとザヴィヌルの共作ということになっているが、明らかにエレクトリック・ベースであって、メロディもザヴィヌル節バリバリの無国籍的な曲だ。
後年激しくザヴィヌルに批判されることになるヴィトウスだが、この頃は意外にうまく行っていたんじゃないだろうか。

さて、ここまでウェザーの初期、ヴィトウス期のアルバムを紹介して来たが、もしも興味があって買うなら、最近やたらいろんなバンドについて出ている『オリジナル・アルバム・クラシックス』を買うのが絶対得だ。



には1枚目の『ウェザー・リポート』(1971)、5枚目『テイル・スピニン』(1975)、7枚目『ヘヴィ・ウェザー』(1977)、8枚目『ミスター・ゴーン』(1978)、11枚目『ウェザー・リポート』(1982)の5枚が入って2,424円だ。1枚500円弱である。



には2枚目『アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック』(1972)、3枚目『スウィート・ナイター』(1973)、4枚目『ミステリアス・トラベラー』(1974)、6枚目『ブラック・マーケット』(1976)、9枚目『ナイト・パッセージ』(1980)が入って1,983円。1枚400円弱である。

この、昔のアルバムをガッと編集もしないで5枚組で出すというの、一昨年ぐらいから急に始まったのだが、ファンに取ってはうれしい限りだが、どういう現象だろうか。
ジャケット(内袋)が薄い紙でペナペナというのが唯一の欠点だ。
5千円しないでアルバム10枚買えて、全部が一時代を築いた傑作であるとなれば、これを買わないわけには行かないだろう。
『オリジナル・アルバム・クラシックス』はすごくいろいろ出ているので、70年代以前の音楽に興味がある人はまずそれを探すといいと思う。
いい時代だな~。

Subscribe with livedoor Reader
Add to Google
RSS
このエントリーをはてなブックマークに追加